先日、出張カウンセリングに行く電車の、昼間の個室寝台の中で・・・。
5歳の障害児と、そのとても若いお母さんと同席になりました。
5歳だけれどハイハイで移動して、まだことばもない男の子、でも穏やかで
激しく叫んだりすることはなく、好きになれる感じの子で・・・。
おしゃぶりをして、いつまでも大きなベイビーみたい、
かわいいね、とお母さんとお話しました。
田舎の町に住んでいて、検査でシドニーの小児病院に一週間行ったと。
ドナルド・マクドナルド・ハウスがそんな病児とその保護者ケアを
よくやってくれていて、そのセンターに泊まっていた、と。
でも揺れる電車の中でその子が何回も吐いてしまって・・・。
何回目かに吐いたときには、”It is too much’と泣き出してしまったお母さん。
「大丈夫。ベイビーは吐くものよ。揺れる電車でいつもと状況がちがうから、彼もつらいね。
吐いたらすっきりする。でもそういう彼の面倒をずっと見ているのもしんどいね。
あなたはお母さんとして本当によくやっている」
彼を抱く彼女の肩を私もさすりながら・・・。
話をしたのは、障害で世話がしんど過ぎるときもあるけれど、
一番大事なのは彼をストレートに愛して、
彼の中にひとへの信頼感や肯定的な態度を育てること。
障害の他に、ひとへの不信感やらイライラやら、
二次的な情緒障害をできるだけ作らないこと。
その点、彼はかなりうまくいっている。
ほら、少しして慣れたら私のところにも寄りかかって来る。
こちらも彼のことをかわいいと思える。
彼の中にひとに対する基本的な信頼感がなければできないことだと思う。
それはお母さんであるあなたが彼の中に
とてもうまく作っていっているものだと思う。
彼女も、ほんとうにそう、それが一番大事、
愛することが大事、ほんとうにかわいいもの
と同意してくれました。
障害のあり方によって、周りの人に障害に対する同情やあたたかい気持ちはあっても、
あまりに叫んだり、ひとをびっくりさせるようになってしまうと、
周りの人もなかなか近づきにくく、また理解もしにくくなってしまい、
それはそれで余計たいへん。ケアラーのストレスも大きくなってしまう。
彼の方にひとに対する警戒心の少なさや信頼感があれば、
障害があっても、周りの人が彼に近づきやすく、
また彼を好きな気持ちも抱きやすく、協力的になる。
それは彼にとって、一番くらいの大きな財産になる・・・。
ほんとうに途方もなくしんどい時があるね、
人生はほんとうにいろんなことがあって、
良いこともしんどいこともないまぜで、
でも小さな良いことや気分転換を見つけて
やっていくものだね。
私たちがそんな話をずっとしているうちに、電車は私の降りる駅に到着。
会えて、話せてよかった。きっとまたどこかで会おう、
そう言い合ってお別れしました。
カーステンさんとメイソンくん。喜んでいっしょに写真に収まってくれ、
フェイスブックやブログに載せても良い?には
もちろんよ!と言ってくれました。
旅ならではの、すばらしい出会いと話し合いの時間でした。
オーストラリアで生活しているとフィジオセラピー(Physiotherapy)という言葉を見たり、耳にしたりすることもよくあるかと…