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第1回:顎関節症

日豪プレス 2011年9月号掲載

第1回:顎(がく)関節症


▶▶▶フィジオセラピーは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専門家で、必要に応じてMRIや専門医に紹介し、包括的な治療を行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう!

皆さん初めまして。今回はフィジオセラピーの視点からアゴの不具合「顎関節症」について紹介します。

 

実はアゴをよく使っている
アゴ関節は人体の中で最も頻繁に使われている関節の1つで、耳の前部に位置します。耳の穴の前にあるくぼみに指を置き、口を開け閉めすると、左右のアゴ関節が動くのを指先で感じることができます。この関節は、下アゴ骨と側頭骨、関節包、ディスク(関節円盤)によって形成されていて、靭帯や筋肉が関節周辺をサポートしています。

 

知らないうちにアゴ関節に負担が!?
口の開閉時に痛みを覚える、アゴが鳴る、口を開け閉めしづらいなどが一般的な顎関節症の症状で、これらは良くなったり、悪くなったりというのを繰り返すパターンが多いようです。主な原因として考えられるのは、歯ぎしり、食いしばり、口を大きく開けずにぼそぼそ話す、以前、スポーツなどで顔面や口、頭などにケガをしたことがある、猫背の姿勢で長時間座っているなどがあります。
歯ぎしりは、ひと晩中筋トレを行っているようなもので、アゴ関節周辺や首の痛み、頭痛の原因にもなります。また、ぼそぼそ話す癖があると、関節内部のディスクがずれてしまい、無意識にアゴ関節を元の位置に戻そうとするため、さらに歯ぎしりや食いしばりが続くという、悪循環に陥ってしまいます。顔面周辺にケガをしたことがある場合は、関節包や靭帯が固くなることで、本来3次元の動きができる関節の可動域が制限され、アゴに不具合が生じます。そして猫背の場合は、首や肩、アゴ関節に負担がかかり、そのほかの原因と合わさってアゴの不具合を引き起します。

 

まずは関節の不具合を解消しよう
GPでは薬の処方、歯科医ではマウスピースの処方などが可能ですが、そもそも関節に問題があるので、これだけでは症状の根本的な改善や完治は難しいようです。
症状により治療法が異なりますが、フィジオセラピーでは評価、診断で主因を突き止めて治療します。施術ではアゴ関節周辺の筋肉をほぐしたり、関節包や靭帯を正しい方法でストレッチをかけ、可動域を回復させたりします。また治療効果を最大限にするため、セラピストの指導の下、自宅でのストレッチ運動の処方や、主因となっている生活習慣の改善を行います(例:具体的な姿勢の改善方法)。

*この記事は一般的情報提供を目的として作成しています。

 

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