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第9回 坐骨神経痛

日豪プレス 2012年5月号 掲載記事

第9回 坐ざこつ骨神経痛


▶▶▶フィジオセラピーは、筋肉や関節の痛みや機能障害、神 経系機能障害や呼吸器系疾患などの治療やリハビリを行う専 門家で、必要に応じてMRIや専門医に紹介し、包括的な治療を 行っている。さまざまな体の機能を知り尽くした奥谷先生に、 体の痛みの原因や改善法について聞いてみよう !

 

痛みのメカニズムを知ろう

坐骨神経痛という言葉をお聞きになったことがある人も多いのではないでしょうか。実はこれは診断名ではなく症状を表す言葉です。坐骨神経痛は腰椎4番、5番、仙椎1〜3番付近のどこかで神経が圧迫されることによって生じます。

神経圧迫の原因には主に3つのメカニズムがあります。(1)腰椎の椎間板が損傷し神経を圧迫する場合、(2)年齢とともに腰椎の関節周辺にバラの刺のような余分な骨(骨こっきょく棘)が形成され、これが神経を圧迫する場合、(3)臀部の筋肉の収縮などによって 坐骨神経が挟まれ圧迫される場合です。

痛みが生じる原因により、それぞれ診断名が異なります。また、効果的な治療方法もそれぞれ違います。「坐骨神経痛」と言われたことがある人は、ご自身の痛みのメカニズムをきちんと把握した上で治療を開始することで早期回復につながります。 Zさん(45歳)は何年にもわたって坐骨神経痛を患っていました。特に長時間立っている時、歩く時にひどく痛むとのことです。

症状は、右臀部が顕著にビリビリと痛み、それが太ももの裏に伝わり、最後はふくらはぎまでつらくなるそうです。今回は重いリュックを担ぎハイキングに行った際に症状がひどくなり来院されました。

神経の圧迫を軽減する

Z さんの場合、診察の結果上記2 番目の骨棘による神経根圧迫が原因でした。この場合、神経自体も炎症を起こして腫れてしまい、さらに強く圧迫されるため痛みが臀部からふくらはぎまで広範囲にわたっていました。 骨棘は老化現象の一部です。特に子どものころから活発に体を動かしていると関節の軟骨のすり減りが加速されます。それに対処するため身体は骨を作りますが、元の軟骨は作られず、バラの刺のように尖った骨が関節を覆うように形成されてしまうのです。

フィジオセラピーでは、神経を圧迫しないような運動を取り入れたり、長時間立つ場合や歩く際に直立の時間を短く区切るなど、休憩を入れ神経の圧迫を抑えることで、痛みを予防します。 また、前屈や、腰椎を一定方向にねじるストレッチを処方することもあります。

そして、年齢とともに硬くなった関節、痛みでこわばった筋肉をほぐし、腰椎の可動域を向上させ、神経が通っているトンネル(神経根)の直径をできるだけ大きく、または維持するように施術することで神経の圧迫が起こらないようにします。

インナーマッスルを鍛えて腰椎を安定させることも効果的です。

 

*同コラムは、一般医療情報の提供を目的としています。症状や治療法は人によって異なりますので、必ず専門家の指示 に従ってください

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