ワーキングホリデーにおすすめな国を一挙紹介!人気国の中から留...
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子どもを持つ親にとって、教育は非常に大事なことです。
オーストラリアの教育について、知っておくべきこと、注意しなければならないことを、数回にわたって解説します。
オーストラリアに住む日本人にとって、お子さんに日本語を伝えたい、話せるようになってもらいたい、と願うのは当たり前のことと思います。ところが実際には、なかなか難しいようです。
これは両親が日本人同士でも、片親が日本人でもあまり変わりなく、子どもにとって日本語を学ぶ、日本語を身に付けるということには、結構ハードルが高いものがあります。
多くの親は、オーストラリアに暮らしているわけだから、自然と英語は身に付くだろうし、家では日本語で話しかけているので、きっとバイリンガルに育つだろうと思い込んでいます。
ところが、なかなかそうはいきません。家庭内でお子さんに対して日本語で話しかけ、お子さんも日本語を理解して答えたとしても、けしてそれは日本語を理解しているとはいえません。
言葉には「読む・書く・話す・聞く」という4つの技能があります。ご家庭でお子さんと日本語で会話ができているといっても、それは親との間で「話す・聞く」ができているというだけです。それも非常に限られた語彙を使っての、日常的な会話でしかありません。「読む・書く」という日本語力を身に付けるには、それなりの集中した勉強をしなければなりません。
ある研究では、子どもの聞く力はある程度あるが、それに対して話す力が極度に低く、それよりさらに低いのが読み書き能力だとされています。対話力は家庭でなんとか発達しても、高度な内容の会話力や読み書きの力の発達は遅れていて、日本の子どもと比べて4年の遅れがあるといいます。
一番の問題は、周りの生活環境が英語による社会に身を置いているということです。お子さんにとっては、生まれてから2、3歳くらいまでは、ほとんど家の中で母親と密接に接しての生活が続きます。この間は日本語での生活に浸っているわけで、子どもの日本語理解力もどんどん伸びていきます。
しかし、それからPreschoolに行かせたり、小学校に通うようになると、当然英語の環境に身を置くことになり、子どもは急速に英語を身につけていきます。そうなると、外では英語、家での親との会話は日本語、それも親が日本語で話しかけても答えは英語でするということが一般的です。
親としては何としても日本語を理解してもらおうと必死になり、日本の絵本や本、ビデオ、アニメなどを与えたり、国語の塾に通わせたり、ドリルを与えたりと懸命になります。
ここで皆さんに、日本語にはいくつも種類があるということを知ってもらいたいと思います。
言葉には大きく分けて、母語と外国語があります。母語は親の言葉であり、生まれて覚える言葉です。母語が自然と入ってくる環境に生まれるわけですから、毎日の生活の中で自然と身に付きます。(とりあえず学校で国語として習う母語のことは置いておきます) 一方、外国語はそうはいきません。学ぼうとして積極的に勉強しないと身に付きません。簡単にいうと、家庭の言語は母語で、学校で習う言語が外国語になります。
さて、そうなると日本人にとって日本語は母語ではありますが、外国人から見ると外国語になります。つまり日本語には、母語としての日本語と外国語としての日本語があります。そして母語としての日本語は国語のことです。(「読む・書く・話す・聞く」という4つの技能を体系的に学ぶのが国語になります。)
(1)日本の学校教育としての日本語=国語
(2)外国人が学ぶ外国語としての日本語
日本語はこのふたつに分かれているようですが、実はもうひとつ、海外に暮らす日本人子弟の話す日本語があります。
(3)外国に暮らす日本人の日本語=継承日本語
この「継承語」という言語は、家庭で話されている言葉で、住んでいる国の言葉ではないので、周りの生活環境からは自然に入ってこない言葉です。オーストラリアに住む日本人家庭、または片親が日本人の国際結婚家庭で、お子さんに日本語で接している場合、この日本語は継承日本語ということになります。
すでに述べたように、国語は母語として生まれ育った生活環境で自然と身に付いてくる言語で、それを学校で体系的に学んでいきます。この場合、小学校入学までに子どもは約5000語の基礎的な語彙や文法を身につけているといわれています。日常生活の中で自然と日本語を学んでいるからです。
一方、継承語としての日本語は、生活環境が英語のために「日常生活の中で自然と日本語を学んでい」くわけではありません。中には家庭で一生懸命日本語教育をしている親もいれば、オーストラリアにいれば自然とバイリンガルになると思っている親もいて、継承日本語能力はお子さんによって非常に個人差が出てくることになります。
また、継承語としての日本語は単に言葉としての日本語のことを指してはいません。「継承」というように、言葉のみならず文化・伝統も伝える内容の言語教育としての日本語のことです。
親から子に伝える言葉には、言葉の意味のみならず、その意味を構成している、語源としての文化も伝えられます。言葉の背景にはその国や民族の文化・伝統がありますから、継承日本語は日本の文化・伝統も併せて教え、伝えていくことになります。
家庭で親から子に対して日本語を使うにしても、「読む・書く・話す・聞く」の「聞く」ことは非常に発達しても、「読む・書く」能力はなかなか伸びません。そのために週末に開校する日本語補習校に通わせている方が多いようです。
ただし、その場合、補習校での授業が「国語」としての日本語なのか、「外国語」としての日本語なのか、または「継承語」としての日本語なのかをしっかりと理解する必要があります。
日本に帰国する駐在員家庭のお子さんには、日本の学校についていけるだけの「国語」としての日本語が必要でしょうが、オーストラリアに永住する国際結婚家庭のお子さんには、やはり「継承語」としての日本語教育が大切になります。
将来のお子さんの日本語力を伸ばすにはどうすればよいのか? 継承語としての日本語を考えてみませんか。
参考サイト:
※これまで「シドニー生活情報」として教育に関して取り上げてきましたが、今回でこの教育シリーズは一旦終了となります。また機会をみて、教育の最新情報などをお伝えしていきます。
毎週お伝えしてきた「シドニー生活情報」のコラムはしばらくお休みして、新しい項目でシリーズを再開します。お楽しみに。
※なお、このシドニー生活情報で取り上げてもらいたいトピックスがありましたら、お知らせください。
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