就職/転職

Tetsuya’s Restaurantで働く料理人/高田裕生さん(27歳)

ワーホリお仕事図鑑

「ワーホリだから、限られた業種でしか働けないだろう」なんとなくそう思っていませんか? どんな仕事でもできるのが ワーキングホリデービザのいいところ。オーストラリアでさまざまな 仕事をしているワーキングホリデーメーカーたちに注目してみましょう!

――現在の仕事をはじめるまでの経緯を教えてください。

東京の日本料理店で7年間料理人として働いて、1年ほど前に今働いているTetsuya’s Restaurantの和久田シェフと日本でお会いする機会がありました。

Tetsuya’s Restaurantは、フランス料理に和のエッセンスを入れたレストランとして評判です。今まで日本料理をやってきたので、海外で集中してフランス料理の技術を学びたいという思いを和久田シェフにお伝えしたところ、同店で働かせていただけることになりました。料理人として、そして人としても尊敬している和久田シェフのお店なので、非常にうれしかったですね。着いた初日から働き始めて、現在6カ月ほどになります。

 

――オーストラリアを渡航先に選んだ理由は何ですか?

僕の場合、Tetusya’s Restaurantで働くことが決まってから、ビザの種類について考えました。何も制限がなくダラダラ過ごしても仕方ないと思い、決められた期間の中でどれだけ自分を追いこめるか、どれだけ将来的に自分の技術につなげられるかと考えた上で、1年間のワーキング・ホリデー・ビザに決めたんです。語学の面では、オーストラリアはいろいろな人種が共存する国なので、コミュニケーションをとるための英語が一番身につくだろうという期待がありました。

 

――仕事を始めてみての感想を教えてください。

海産物にしても野菜にしても、オーストラリアの素材は日本とは違っていて何かしっくりとこない。日本のものとはまったく味も違うんです。でもTetsuya’s Restaurantのシェフたちは、そうした素材を生かしながら、うまく合わせて調理します。僕には彼らの技術力の高さがとても勉強になりますね。

実際にオーストラリアで働いてみると、他にもこの国の良さが多く見えてくるんですよ。料理技術や食材など、何をするにしても「日本が一番」と甘く見ていた自分がいたことに気づかされました。だから今ではオーストラリアを誇りに思いますし、日本を他の国と比較することはないと学びました。

クリエイティブな料理にあふれているのも魅力のひとつじゃないでしょうか。日本人の感覚とまるで違う盛り付け方など、彼らのセンスの良さや料理スタイルを研究するために流行りのレストランなどへ毎週のように食べ歩きに行っているんです。

 

――仕事をする上での苦労や日本とのやり方の違いなどを、どのように乗り越えていますか?

海外の方が多く生活する東京で働いていたため、英語からまったく遠い環境ではなかったのですが、やはり慣れない専門用語や調理器具の名前、オーストラリア英語の訛りなどがむずかしい。最初、分からないときは雰囲気で答えてしまっていたこともあったのですが、その調子だと限界もありますし、この国の人々と完璧に向き合えていない感じがして嫌でした。

例えば、僕が東京で働いていた頃に、海外からのお客様に料理の説明をする機会がありましたが、その頃の自分には、英語で魚の名前や料理の工程などをうまく伝えることができなかったんですね。数あるお店の中から当店を選んでいただいているのに、こんなことではダメだと痛感しました。

だから僕も、オーストラリアの人々と本気で向き合えるように努力することを心がけています。海外の料理や文化にきちんと寄り添うことが大事だと思いますし、そのおかげで今では語学力も大分伸びました。

 

――現在の仕事を通じてよかったこと、成長したと思うことはありますか?

仕事を通じて、目標のひとつとしていたコミュニケーション能力の向上が実現できたと思います。渡豪する前の僕は、初対面の人や目上の人と話すことがあまり得意ではありませんでした。仕事に精一杯で一日が終わってしまうこともあり、そこまで親密に話す機会もありませんでした。

Tetsuya’s Restaurantでは、常にシェフ同士でコミュニケーションを取り合うことを大事にしています。また、提案や相談がある時は、ヘッド・シェフもしくはスー・シェフからの的確なアドバイスをもらうようにしています。疑問や質問の他にも、ちょっとおかしいなと思ったことなど、分からないことは今では頻繁に尋ねるようにしていますね。それらを繰り返すことがコミュニケーション能力の向上につながったんじゃないでしょうか。

また、日本人のお客さまがいらっしゃったときにテーブルまで出向きあいさつをすることがあるのですが、とても喜んでくださるので、そうした瞬間に海外で働いていて良かったと思いますね。常にベストの状態でお客さまに料理を出すことが今の自分のやりがいなので、毎日忙しいですが、楽しんでいます。

 

――最後に、今後の目標を教えてください!

もっといろいろな仕事を学びたいというハングリー精神もありますが、与えられた仕事を的確に覚えていくのが、今の自分にとってやるべきこと。Tetsuya’s Restaurantで1年間学んだ後は、奈良で修行を積んでから、自分の店を持ちたいです。その上で、語学力をさらに身につけて、日本料理の文化と調理技術を国外にも広めていくことで、料理界に貢献したいという思いもあります。世界に羽ばたくシェフになることが目標です。

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