日本国内トップベンダーのサイボウズ社が手掛けるクラウドサービスであるkintoneが、オーストラリア市場への本格参入をスタートしてまだ間もないですが、シドニーでは月に一度のペースでリズム留学センターの主催によるkintoneの勉強会が行なわれています。
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8月15日には、「飮食店向けソリューションをみんなで考える」をテーマに勉強会が行なわれ、飲食店のワークフローを整理しながら、kintoneによって問題点や課題をどのように改善することができるのか、参加者みなさんで考えてみました。

リズム留学センター代表の遠藤烈士さん曰く、今回の勉強会は、これまで行なわれてきたkintoneのセミナーや説明会で、参加者の方たちから聞こえてきた「自分たちの業務にどのように活かすことができるのかを具体的に知りたい」という声に応えて企画したそうです。

「20代の頃に飲食店でマネージャーを2年していた経験があり、飲食業界は業務管理に関して『従来のやり方』を貫く風習があると感じています。ですが、新しいシステムを使うことで、1日のうち1時間でも短縮して、その時間をより生産的な業務に費やせれば最高ですよね。僕自身、kintoneの利便性に惚れていて、kintoneならこの風習に一石を投じることができるのはないかと思っています」

参加者7名に遠藤さん、そしてサイボウズ社のグローバルビジネス戦略室長である青山賢さんが加わって、いよいよ勉強会がスタートです!

勉強会開始!

勉強会はこんな感じで進められます。

18:00 kintoneの基本操作の説明
18:15 飲食店のワークフローを整理&改善点をディスカッション
18:45 実際にアプリを作成
19:30 アプリ発表&テスト
20:00 終了

※白熱するあまり、最終的には時間がオーバーしました。

飲食店のワークフローを整理して改善点を明確にする

参加者のひとり、Yachiyo Groupの畑徳真さんが、自社の業務管理におけるワークフローを説明。他の参加者も自社の状況を共有して、以下のような思いを抱えていることが浮き彫りになりました。

* タスクを依頼された日時がわからなくなってしまう
* タスクのステータスがわからない(未着手、進行中、完了、など)
* 一定期間が経つと履歴が消えてしまう
* 情報を移行する際に取りこぼしてしまう
* スマートフォンでのやりとり・管理が便利
* 販売数と仕入れのデータが連携すると在庫管理がラクになるのではないか
* 情報が担当者の頭のなかで完結してしまい、引き継ぎがうまくいかない
* 業務管理をそれぞれ別の管理ソフトで行なっているため、煩雑になりがち
* 発注に関する使いやすいソフトが見当たらない

いよいよ実践! 実際にアプリを作ってみる

先に出た課題をもとに、参加者全員で作るアプリを決めます!
参加者のほとんどがkintone初心者ということで、kintoneをすでに運用しているITプログラマーの伊藤宗志さんと永江悠紀さんをファシリテーターに、2つのグループに分かれ、それぞれ以下のアプリを作成することとなりました。

伊藤さんチーム「採用面接管理」「タスク管理」「受注・発注管理」

永江さんチーム「在庫管理」「ブッキング管理」「シフト管理」

与えられた時間は20分。kintoneは自分たちがほしい項目や機能を付け加えていくことができるため、「この機能って追加できる?」「この項目を追加すればもっと使いやすくなるのでは」などと闊達な意見が交わされ、アプリの性能がどんどんと磨かれていきます! 気づいてみれば、終了予定時刻をオーバーしていて「3分では作れませんでしたね」という遠藤さんの言葉にみなさん苦笑いするばかり(笑)。

作ったアプリを発表して、みんなでさらに考える

各チームで作成したアプリの発表に移ります。

まずは、伊藤さんチーム。

①採用面接管理

基本情報に加え、期待値やコメントなども記入することができ、期待値の数字毎にソートすることもできます。約15分で作成できました。

②タスク管理

作成途中でした(テンプレートでタスク管理の機能がありますが、飮食店用にアプリを作っていました)。

③受注・発注管理

サプライヤーが管理プログラムを持っている方が便利なのでないかと、サプライヤーさん用のアプリを作成。品目と値段を記載した一覧を作るも、膨大な数の商品からいかに検索する手間を省くことができるかという課題が。みんなで考えた末、注文する個数が限られているお店側でカスタマイズするアイデアが出ました。

つづいて、永江さんチームの発表です。

①在庫管理

仕入れ、売上、廃棄の個数をそれぞれ記入して管理。別途作成した商品マスタのアプリと連携させることで、商品名を毎回記載する手間を省きました。青山さんから「発注にも使えるね」と、予想外のうれしいフィードバックが。

②ブッキング管理

スケジュールカレンダーに、予約名と時間などを記入して管理します。ガンチャートで見た目にもわかりやすくする案もありました。

③シフト管理

未着手でした。

約30分の間に、2チームで合計4つの実務的なアプリを作成することができました。

勉強会を終えて

いよいよ勉強会も終盤、参加者のみなさんそれぞれに感想を聞きました。

畑徳真さん
Yachiyo Group

飲食店単体よりも、サプライヤーと飲食店の両方で導入することで、受注や在庫管理ができ、またタスク管理やレストランの業務内でも使いやすく、レストラン側としては導入がしやすいのかなと思いました。

山田宇人さん
Jemmeson Fisher
(会計士)

飮食店のマネジメントに直接関与することはありませんが、どのようにみなさんがマネジメントされているのかを聞くことで、まだ紙ベースでやりとりが行なわれている業務などがあり、時間短縮できる点がまだあることがわかっておもしろかったです。

永江悠紀さん
JAMS.TV
(ITプログラマー)

こういう使い方があったんだと驚くことも多かったです。現場にいるみなさんの方が、なにが必要なのかわかっていますから、実際にkintoneを使ってみることでアイデアがどんどん出てくるし、それを実現することができると思います。

鈴木章浩さん
Plenus AusT

はじめて参加しましたが、本当にカスタマイズできるのがいいですよね。別のクラウドサービスでも表の機能などはありますが、この項目があったらいいなというものを自分で落とし込んで、それを共有ができることにすごく興味があります。

大串亮児さん
Mauve Wine Co.

用意されているテンプレートだけでも結構使い途があり、今僕ができるレベルの段階でもいろいろと使うことはできると思いました。その場にいっしょにいなくても、データを共有しながら、チャットでコミュニケーションが取れるのも使えるなと思いました。

チェ・クァンジさん
学生

カスタマイズすることができて楽しかったです。新しいスタッフがすぐに使えるようになるのはむずかしいかもしれないので、業務連絡などは既存のもので、シフト管理やブッキングなどをkintoneでなどと二分化するとより使いやすいのではと思いました。

伊藤宗志さん
フリーランス
(ITプログラマー)

とにかく基本的なものをつくるのはすごく楽ですよね。特定の業務だけでなく、いろいろな業務ですでにテンプレートがあるので、楽にセットアップができると思います。

最後に、今回の勉強会の総括を遠藤さんに聞きました。

「まず、みなさんが業務改善をしたいという前向きな気持ちになってくれたことが大きな収穫だと思います。みなさんから改善点や意見などの現場の声が出てきたことで、より実践的な勉強会になりました。kintoneが業務改善に大きく貢献できることが、少しでも理解していただけたと思います」

今回の勉強会で作りかけや未着手となったアプリは、別途作成を進めて次回の勉強会にて発表する予定とのことです。

次回の勉強会も、引き続き飮食業界に注目!

次回の勉強会は9月12日に開催予定で、今回に引き続き、飮食店に向けてのソリューションをみんなで考えていきます。
ITに苦手意識を持っている方も、kintoneにはじめて触る方も大歓迎です!
今回参加できなかった方もぜひご参加ください。
あなたの長年の悩みをkintoneがスッキリ解決してくれるかもしれませんよ。

次回のkintone勉強会

「飲食業界のソリューションをみんなで考える」第2弾

日時:9月12日(月)18:00~
場所:リズム留学センター(Suite 6.05, Level 6, 68-70 Dixon Street, Sydney)
さらなる詳細は決まり次第、Facebook「kintone Community in AustraliaのFacebook」にてお知らせしますので、みなさんどうぞチェックしてくださいね。
https://www.facebook.com/groups/1113275808737191/?fref=ts