シドニー日系関連ニュース – JAMS.TV https://www.jams.tv オーストラリア生活情報ウェブサイト Mon, 11 Nov 2024 02:24:50 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=5.7.2 豪州最大の日本酒イベントと商談会、メルボルンに続きシドニーで開催 https://www.jams.tv/gourmet/259519 Mon, 11 Nov 2024 02:24:50 +0000 https://www.jams.tv/?p=259519  JAMS.TV Pty Ltdによる日本の祭典「酒フェスティバル(Australian Sake Festival)2024」ならびにBtoB商談会が、7月のメルボルンに続き、2024年9月28日(土)と29日(日) […]

投稿 豪州最大の日本酒イベントと商談会、メルボルンに続きシドニーで開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

JAMS.TV Pty Ltdによる日本の祭典「酒フェスティバル(Australian Sake Festival)2024」ならびにBtoB商談会が、7月のメルボルンに続き、2024年9月28日(土)と29日(日)の2日間にわたってシドニーのCarriageworksで開催された。

本フェスティバルは、年々拡大傾向にある「日本の酒・食・文化・観光」分野のオーストラリア人気において、ひとつの分野に特化した発信ではなく日本文化を総体的に伝えることで、オーストラリアに住む人々の日本への興味と知識を広げることを目的としている。

オンラインとオフラインの両面からオーストラリアの生活・観光情報や広告サービスを幅広く提供しているJAMS.TV Pty Ltdが主催し、日豪の架け橋として長年さまざまな分野で両国に貢献しているスポンサーや出演者・出展者とともに、年々規模を拡大してきた。

シドニーで「酒フェスティバル」を開催するのは今回で3回目。

2022年の初開催以降、日豪から多数の日本酒類の酒蔵・酒造メーカー、小売店、日本食店、日本の伝統工芸品の製作・販売店、文化芸能に関するパフォーマー、日本酒の専門家などを招き、多彩な切り口から参加者が日本文化を日常的に愉しむ機会を増やすことで、オーストラリア国内における日本産食品・製品市場、インバウンド観光市場、芸術分野や文化交流の拡大に寄与することが期待されてきた。

昨年からはシドニーに加えてメルボルンでも7月に開催され、来年3月にはブリスベンでも初開催となる。

日豪文化の架け橋へと成長する「酒フェスティバル」

今回も、全てのチケット(日本円でおよそ7,000円)は当日券を含めて完売。シドニー会場の出展ブース数は日本から来豪した酒蔵を含む日本酒専門業者38社のほか、日本食品卸・小売りや飲食店など総勢81団体に上り、2日間を通して昨年から約3割増となる約8,000人が来場した。

昨年からの改善点として、今年はセッションを分割したことで、開場直後のスムーズな入場を実現し、来場者にとってより快適により多くのブースを回れるスペースが生まれたことは大きい。規模も全体の雰囲気も昨年より確実に改善され、来場者と出展者へ、より豊かなイベント体験を提供することを可能にした。

来場者アンケートによると、今年も幅広い層が来場し、中でも20代から40代のアクティブな年齢層が多く訪れた。また、今回初めて「酒フェスティバル」に参加した来場者が約8割を占め、普段は日本酒を買わない来場者も2割ほどいたことから、本イベントが日本酒に触れる貴重な機会であったことが窺われる。また、大らかなオーストラリア人の国民性からか、会場内で同じ日本酒好きの仲間を見つけて一緒に楽しむ姿も多々見受けられた。

興味深いことに、日本を訪れたことのある来場者は全体の約7割にも上った。日本酒だけでなく、伝統文化の紹介や次回の訪日観光に役立つ情報を求める声も多く、メルボルン会場以上に、シドニー会場では「酒フェスティバル」を日本文化を楽しむイベントとして期待されていた面もあるのだろう。来場者のうち8割以上が「1年以内に日本を訪れることを検討している」と回答し、本イベントが観光アピールの場としても高い需要が見込めることを示した。

「酒フェスティバル」の柱は、日本酒を味わうことだけではない。日本における日本酒の文化的意義と、グローバルで現代的な環境において日本酒がどのように進化しているかを人々に伝えた上で、日豪の観光と経済協力の新たな可能性を探るものでもある。日本酒の伝統的な慣行と現代的なトレンドの壁を取り去って祝うことで、両国の絆を深める一助となるとともに、オーストラリア人が日本文化により深く触れる機会を提供している。

さらに、今年初企画となる抽選会では、能登半島地震の義援金として日本円でおよそ100万円を年間を通して集め、一日も早い被災地復興を祈ると共に全額が寄付された。こうした社会貢献への取り組みも、日豪の架け橋として忘れてはならない点だろう。

来場者に日本酒の世界だけでなく、日本文化や観光、特にオーストラリアと日本を結ぶ幅広い文脈に浸ってもらうことに重点を置き、日本酒が豊かな日本の文化遺産の一部であることを伝える本イベントは、オーストラリア国内における日本産食品・製品市場、インバウンド観光市場、芸術分野や文化交流の拡大にも寄与し、日本酒との新しい出会いや日本文化に親しむ機会を存分に創出したと言えるのではないか。

日本文化を体験できる包括的なイベント


向かって左から、遠藤氏、Maynard氏、千葉氏、大平氏、渡邉氏、後藤領事

初日のオープニングセレモニーでは、開会の挨拶後に主催のJAMS.TV Pty Ltdの遠藤代表取締役、酒サムライであり酒エデュケーターのSimone Maynard氏、同じく酒サムライであり「EUREKA!」オーナーの千葉麻里絵氏、新潟県酒造組合会長であり緑川酒造代表取締役社長大平俊治氏、JETROシドニー事務所の渡邉尚之所長、在シドニー日本国総領事館の後藤領事、6名による鏡開きが行われた。

2日間を通して、日本酒を中心としたさまざまなタイプの日本の酒類(リキュール・焼酎・ウイスキー・ジン、梅酒、果実酒など)500種以上もの試飲・販売があり、酒類関連ブースでは日本産酒類に加えて、日本食店、日本の伝統工芸品の製作・販売店が多数出展した。

お酒を飲まない人のためにノンアルコールドリンクも用意され、食品ブースでは地元のケータリング業者やレストランから日本の祭りに欠かせない日本食の数々が提供された。

今年のハイライトのひとつ、「EUREKA!」のブースでは、東京の日本酒バー「EUREKA!」のオーナー兼経営者であり、日本酒ソムリエと酒サムライの肩書きを持つ千葉麻里絵氏が、同店のメニューと日本酒の多様で美味しいペアリングの可能性を紹介した。

また、フードブースにJFCが出展したことにより幅広い種類の日本食料品が提供され、ステージでの日本伝統パフォーマンスと併せて、会場全体の日本的経験の没入感がさらに高められた。

そのステージでは、日本文化芸能に関するパフォーマンスをはじめ、日本酒とのフードペアリングセミナーなど、多彩な切り口から日本文化を紹介。和太鼓や和楽器などの日本の伝統的なパフォーマンス、ダンスショーやバンドなどの現代的なパフォーマンスで、会場は常に熱気に包まれていた。

日本とオーストラリア先住民の文化とのつながりも示すなど、文化的なショーケースと体験型アクティビティをバランスよく取り入れた結果、多くの観客でにぎわいを見せていた。

セミナーでは、メルボルンを拠点に活動する酒サムライのSimone Maynard氏と新潟県ブースが、初心者でも楽しく学べる日本酒セミナーを開き、日本酒や有名な酒造地域の酒蔵を紹介した。

多くのセミナーを通して、参加者は酒造りのプロセス、日本酒の種類、地域による違いが独特の風味にどのような役割を果たしているかなどについて理解を深めていた。個々のセッションは初心者にとっても日本酒愛好家にとっても示唆に富み、誰もに新しい発見があったことだろう。

酒造りそのものだけでなく、日本酒とのフードペアリング情報も好評だった。フードペアリングのセミナーやブースでは、日本酒が、日本食のみならずいかにオーストラリア料理とも相性が良いか、試食者にオーストラリアの食卓を豊かにできる可能性を見出させ、会場で実際に購入した日本酒を自宅で食事と合わせて試してみるためのアイデアを提供する良き場となった。

会場には品評会「オーストラリア酒アワード(Australian Sake Awards 2024)」の映えある受賞酒一覧も展示され、参加者からの注目を集めた。

先立って26日には、その祝賀会がシドニー市内のホテルで執り行われており、宇都宮酒造(栃木)や亀泉酒造(高知)、今西清兵衛商店(奈良)などの受賞を祝った。今年から新設されたフードマッチング部門では、オーストラリア現地の料理に合う日本酒の酒蔵として、壺坂酒造(兵庫)や加藤吉平商店(福井)などが選ばれた。

「オーストラリア酒アワード」も開催3回目となったが、オーストラリア市場にもたらした変化の一つには、現地の卸業者や小売店がオンラインショップを立ち上げ、アワードを受賞した商品が売れるようになったことが挙げられる。また、現地の試飲促進会などでも、首掛けPOPを付けた商品が売れやすくなり、オーストラリアの一般消費者が日本酒を選ぶ際の指標となるなど、日豪で相乗効果が生まれている。

来場者向けアンケートの「イベントでは何を楽しみましたか?」という項目では、「お酒の試飲」との回答が全体の約9割にも達した。オーストラリアでは、まだまだ飲み比べながら日本の酒を購入できる場所や機会が少ないため、本フェスティバルならではの楽しみ方であると言えよう。

そして、このような経験は日本の酒蔵にとっても、オーストラリア市場や日本酒がオーストラリアでどのように受け入れられているかを感じられる機会となるに違いない。

一方で、日本酒を飲むきっかけが「日本への旅行」だったと答える来場者も多い。実際に、今年1月から5月にかけての訪日オーストラリア人は40万200人にも上り、前年同期比72.2%増と好調を示している。

そのため、観光客数全国5位を誇る奈良県などはインバウンド需要を取り込むため、本フェスティバルでも酒と食を中心とした観光コンテンツをオーストラリア人にアピールした。

日本酒をはじめとする日本産の酒類や食品の取引に関心のあるオーストラリアの卸売業者や小売業者、飲食店などを対象としたBtoB商談会では、日本とのオンライン商談も含め、オーストラリアの日本産酒類のさらなる販路拡大に利用された。

近年、日本政府でも日本産酒類の一層の輸出拡大を図るため、海外における日本産酒類の認知度向上および販路拡大に向けて取り組んでいるため、対面とオンラインともに両国の間では熱心な商談が交わされた。

現在、オーストラリアには約1,400銘柄(注1)の日本酒が流通しており、オーストラリア国内で銘柄が増えたのはこの7、8年のことだ。日本酒はワインや他のアルコール飲料に比べると、依然として知名度は高くない。(注1:自社調べ)

しかしながら、シドニーやメルボルンなどの500万人都市を中心に、前年比170%で訪日観光客数が増加していることなど、人気の旅行先に日本が選ばれる背景やオーストラリアの多様性に寛容な多文化主義から、日本酒の分野が秘める可能性は大きい。

今回の出展者らからのオーストラリア日本酒市場に対する所感は、「年々回を追うごとに、⽇本酒への需要の⾼まりを感じる」「まだまだ初⼼者が多く、これからが期待できる」「オーストラリアの市場は⾮常に活発だと感じた。今後ポテンシャルは⾼いと思う」など好感触。⽇本酒だけではなく、リキュール、ジン、焼酎などさまざまな酒類の日本酒類を試飲する来場者も多く、特に甘味を好むオーストラリア人にとってリキュールへの関心が⾼かった。

日本酒造組合中央会によると、2023年の日本酒輸出の国別ランキングにおいて、オーストラリアは数量が10位、金額が8位を占めている。また、日本の財務省貿易統計によると、2023年のオーストラリア向け日本産酒類の輸出額は65億8,300万円で、前年比17.2%増。一方、日本酒造組合中央会が今年2月に発表したオーストラリア向け日本酒の輸出額は、同年に6億4,459万円と前年を30%下回った。

オーストラリアではコロナ禍のロックダウン期間を経て、酒類のテイクアウトやオンライン販売の需要が拡大し、日本酒専門のインポーター、日本酒を扱う酒販店や多国籍レストランなども年々数を増しているが、同年にオーストラリア向けに輸出された日本酒1リットル当たりの価格は1,212円と、前年比4.8%上昇し、一気にプレミア化が進んでいる。

オーストラリアの日本酒市場における今後の課題としては、現地の「売り手の育成」と「消費者の育成」がますます重要視される。オーストラリアの多くの消費者は、店員からの推薦がないと日本酒を選べない。日本酒をより買ってもらいやすくするためには、売り手と消費者の両方に対する教育が不可欠である。

「酒フェスティバル」では、日本酒という観点から姉妹プロジェクトである「酒アワード」と共に、日本酒の幅広い魅力と多様性を示すことで、日本酒、ひいては日本文化をより親しみやすい楽しみとしてオーストラリアの一般消費者に周知しているが、来場者の中には「出展者との交流」を楽しみとして挙げる声も多い。より多くの日本の酒蔵がフェスティバルに出展できるよう取り組み、オーストラリアの人々に独自の日本酒とその背景を伝えてもらうことが、今後の鍵となりそうだ。

「酒フェスティバル」は2025年もメルボルンとシドニーで開催予定。また2025年3月にはブリスベンでも初開催される。

日本酒を入口とした日本の食・文化へのPRおよび訪日意欲を促進するイベントとして、オーストラリア各都市への拡がりを見せ、今後ますますの期待が持たれる。

代表者らのコメント

JAMS.TV Pty Ltd 遠藤代表取締役


向かって右から、遠藤代表取締役、千葉氏、Maynard氏

「ご来場いただいた皆さま、誠にありがとうございました。無事に大きな事故もなく終えられたことは、準備から本番まで長い期間ご尽力いただいた関係者・スタッフの皆さまのお陰です。弊社が開催したイベントの中でも最大級の規模であり、イベントを通してたくさんの交流が生まれ、また、シドニーに在住する日本人を元気にするようなイベントができたのではと思っております。また来年も開催しますので、ぜひご協力のほどお願いいたします。皆で盛り上げましょう!」

セミナー講師 Simone Maynard氏

「イベントオーガナイザーの一人として、昨年のフェスティバルから多くのことを学び、今年は参加者により良い体験をしてもらうために多くの点を改善しました。その結果、快適な雰囲気が生まれ、来場者は多種多様なブースを昨年以上に楽しむことができたと思います。天候にも恵まれ、楽しくエキサイティングな日本酒フェスティバルを開催するのに最適なコンディションでしたね。私たちは、日本の豊かな文化的要素や魅力的な歴史と伝統の数々を味わっていただけるよう常に発展を模索しています。来年の酒フェスティバルもより良いものにするため、より多くの教育の機会やフードペアリングの可能性など、双方向的な体験を提供できるように努めます。メルボルンとシドニーで開催される次回の酒フェスティバルをお楽しみに。来年3月には先駆けて、ブリスベンでも日本酒フェスティバルの小規模版がデビューする予定です!」

ステージMC Ari Gorney氏

「日本文化に興味があるなら、あるいは日本酒についてもっと知りたいなら、シドニー日本酒フェスティバルは見逃せないもの。200種類以上の日本酒を味わうことができ、その背景にある伝統や文化の重要性について学ぶことができる素晴らしい機会ですから。日本のお酒の試飲だけでなく伝統的な和太鼓からモダンダンスまでさまざまなパフォーマンスが行われ、日本文化の新旧両方の側面を垣間見ることができます。ベテランの日本酒ファンも日本酒がまったく初めての人も、誰もが楽しめる内容で、素晴らしい日本食のセレクションや1日中楽しめるエンターテイメントなど、あらゆる年齢層が楽しめる没入型の文化体験が、あなたを待っています。オーストラリアにいながらにして、日本の一角に足を踏み入れたような気分になれるこの活気あふれるイベントを、来年もぜひお楽しみください!」

出展者の方々

商談会の様子

 

ステージ関係者の方々

来場者のみなさんの様子

全ての写真:Sayu Matsunaga

投稿 豪州最大の日本酒イベントと商談会、メルボルンに続きシドニーで開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>
パラリンピック水泳代表リッキー選手と母・典子さんの絆と想い https://www.jams.tv/japanese-community/256426 Fri, 16 Aug 2024 00:39:44 +0000 https://www.jams.tv/?p=256426 ビーター典子さんと息子のリッキー選手/画像引用元:Belgravia Foundation 世界最高峰の障がい者スポーツ大会で、トップアスリートが高いパフォーマンスを競う世界的なイベント、パラリンピック。夏季・冬季大会そ […]

投稿 パラリンピック水泳代表リッキー選手と母・典子さんの絆と想いJAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

ビーター典子さんと息子のリッキー選手/画像引用元:Belgravia Foundation

世界最高峰の障がい者スポーツ大会で、トップアスリートが高いパフォーマンスを競う世界的なイベント、パラリンピック。夏季・冬季大会それぞれ4年に一度、オリンピック終了後に同じ場所で開催されています。

今年2024年、夏季オリンピックのパリ大会が閉幕し、パラリンピックは8月28日(水)から9月8日(日)の日程で開催! また、2032年にはブリスベン大会での開催も決定しており、オーストラリアでの夏季大会の開催は、2000年のシドニー大会に続き2回目となります。

さまざまな障がいのあるアスリートたちが、おのおの創意工夫を凝らして限界に挑むスポーツは、多様性を認めて誰もが個性や能力を発揮することで活躍できる公正な場です。アスリートたちが世界一に果敢に挑む姿からは、世界レベルの素晴らしいパフォーマンスはもちろんのこと、社会の中にあるバリアを減らしていくことの必要性や、普段の生活における発想の転換が必要であることにも気づけるはず。

JAMS.TVでは、今回パリ大会パラリンピックのオーストラリア代表に選出された個性豊かなアスリートたちの中から、パラ水泳のリッキー・ビーター選手に注目!

自閉症とADHDを抱えるリッキー選手は、日本人の母とオーストラリア人の父を持つ若き競泳選手。すでに国際的な評価を得ており、200m個人メドレーでのタイムは世界第6位。2020年の東京大会にも同じくオーストラリア代表として出場し、チームメイトと共に優秀な成績をおさめています。

パリ大会では「200m自由形S14」「200m個人メドレーS14」100m背泳ぎS14」の3種目に出場するリッキー選手ですが、彼の母親として息子さんをサポートし続けているビーター典子さんに、リッキー選手のパラリンピックへの道のりとパラ水泳という競技の魅力について、詳しくお話を伺いました。

ビーター典子さんのお話を聞き、リッキー選手をはじめとしたパラリンピックの個性豊かなオーストラリア代表チームを、同じオーストラリアから応援してみませんか?

【リッキー・ビーター(Ricky Betar)選手のこと】
2003年大阪生まれ。1歳の誕生日を迎える前に家族の近くに住むためにオーストラリアのNSW州に移住(父はオーストラリア人、母は日本人)。10歳のときから競泳のトレーニングを開始。現在はQLD州のUniversity of Sunshine Coast Swim Clubに所属。幼い頃から優秀な成績を収め、全米年齢別選手権や地元の水泳大会で数々のメダルを獲得してきた。15歳の時に国際大会デビューを果たす。2019年のオーストラリア選手権では、INASの50m自由形の世界記録を更新して5つのメダルを獲得、同年にロンドンで開催された世界パラ水泳選手権への切符を手にした。2020年の東京パラリンピックでは、混合4×100m自由形S14で銀メダルを獲得。世界新記録を樹立した優勝のイギリスから6秒弱の差だった。さらに、200m自由形S14と100mバタフライS14でも決勝進出を決め、それぞれ7位と8位に入賞した。

詳しくはこちら

パラリンピックへの道のりとパラ水泳の魅力


NSWCHS州大会のリッキー選手 2018年(画像左)、パラリンピックオーストラリア代表に選ばれたリッキー選手 2024年(画像右)/画像引用元:Westfields Sports Facebook

「知的障がいのある水泳選手としてパラリンピックに出場できるとわかった瞬間から、それが僕の目標になりました。今はライフガードとして働きながら2度目のパラリンピックを控えていますが、自信がありますし、パリで何が起こるか本当に楽しみです」と、リッキー選手は「Belgravia Foundation」のインタビューで語っています。

パリ大会での活躍が期待されるリッキー選手の献身的なサポートをしているのが、母親であるビーター典子さん

6歳の頃に自閉症と診断されたリッキー選手に、今となっては彼に欠かせない水泳との出会いを与え、13歳で水泳クラブのコーチからパラリンピック選手としての道を提案されてからも変わらず、厳しいトレーニングの送り迎えや日頃のコミュニケーションを続けてきました。

「リッキーが自閉症だという診断を受けたのは、彼が6歳の時でした。自閉症とADHDという障がいから、なにせ落ち着きのない子でしたが、勉強は難しくても運動は体力がありそうだったので、色々なことを経験させてみたんです。空手やテニスなど本当に色々と体験させてみて、そのうち、水泳だけは自分から率先して準備して用意をしてきたんですよ。水にいるのがすごく気持ちいいのか、心地いいのか、2時間でも3時間でも水にいる子で。家の近所にプールがあったこともあり、それをきっかけに水泳を続けるようになりました」

泳ぐことが好きなリッキー選手。典子さんは「自閉症の子はひとりきりの世界にこもりがちなので、ひとりにさせないように私から無理にでも話しかけたり、 ごはんもひとりで食べていようものなら横に座って、今日どうだったと色々な話をずっとしています」と、水泳の練習でも普段の生活でもリッキーさんのことを気にかけているのが日常です。

「当時住んでいたNSW州リバプールからオーバンの水泳クラブで、障がい者の家族も全くいなくて健常者の家族と泳いでいたんですけど、リッキーは10〜11歳の頃から州大会でも年齢別の上位に入賞してメダルをたくさんもらうレベルでした。そのクラブには、元々パラリンピアンのコーチがチームにいました。リッキーが13歳の時、そのコーチから声をかけられたんです。事前にリッキーに自閉症があることを話していたのですが、『その障がいの認定を受けることで世界レベルでも泳ぐことができる』と提案を受けました」

典子さんは、水泳を楽しむリッキー選手がパラリンピックを視野に入れることについて、初めは少し不安だったそう。

「目に見えない知的障がいなので、人に言わなければわからない。親としてはやっぱり、障がいが子どもにあることを公表するのにちょっと躊躇していたんですけど、リッキー本人はかなり乗り気でした。それで、本人の好きにすればいいかなと。コーチに全部お任せしていたら、あっという間に世界のトップ5レベルまで上り詰めました。

彼は落ち着きがなく学習障がいがあるので、通常のアプローチでは学べずコーチは大変だったと思います。私もどこに行っても恥ずかしい思いはしましたし、リッキーは小学生の頃から先生に怒られていましたし」

パラリンピックを目標に掲げることになり、これまでとトレーニングなどに変化はあったのでしょうか?

「パラリンピックで泳ぐようになったからといって、トレーニング内容が変わったわけではありません。ただ、パラリンピックの競泳では、各障がいレベルによって泳ぐ種目が決まっているんですね。その種目だけしか泳げないので、種目に沿った練習をするようにはなりました。

それよりも、どの水泳選手の親も経験することだと思いますが、水泳って朝早いんですよ。朝5時〜7時ぐらいまで練習して、学校へ行って、放課後またプールに戻って泳ぐ。その送迎がちょっと大変でしたね。リッキーが運転免許を取得するまで、当時はシドニー西部の郊外のリバプールからオーバンの水泳クラブまで、週に4〜5回、朝4時半頃に家を出ないといけなくて(笑)」

障がい者へのバッシングを越えて、息子と共に成長する親

典子さんは、リッキーさんが幼い頃から続けているサポートについてこう語ります。

「リッキーが自閉症の診断を受けた時に私が決めたことは、学校や水泳クラブのボランティア活動に参加すること。自分の親がその場にいることで、子どもも周囲に溶け込みやすくなるかなと思ったので。長年水泳クラブの役員を続けていて、学校でもPRC(日本のPTAに当たる役職)になり、子どもがもっと生きやすいように自分から積極的にコミュニティに参加しています

当初は学校の仕組みもわからなかったし、水泳についてもボランティアを始めてから学びました。リッキーが高校生の頃も水泳クラブの役員として働いていましたが、ある時プールのマネージャーから『水泳の先生にならないか』と誘われたんです。思いきって挑戦してみたら面白くてハマってしまって、今も水泳の先生しているんですよ。QLD州の水泳協会の審判員と水泳クラブのオフィスの事務員もやっています。色々やってよかったなと思っていますね」

じつは、と典子さんは表情を曇らせました。

「障がい認定を受けたリッキーが国際レベルで泳ぎはじめた時期、SNSの水泳コミュニティなどでバッシングを受けたんです。それまで、QLD州のトップレベルで健常者として泳いでいたのに国際レベルで泳ぐようになったものですから、『どうしてそんな急に障がい者になるんだ』という感じで…。当時リッキーは13〜14歳でしたが、心ないことを書く人がいて辛かったです。本人は気にしていないんですけどね、もう言わせとけと(笑)。

パラリンピアンであるためには、本当に水泳が好きじゃないと無理ですよね。 ある水泳コーチが『水泳選手は変わっているからこういうことをするんだ』と冗談混じりに仰っていて、そう思います。リッキー本人は水泳に熱があることをあんまり認めないんですけど、オリンピックの水泳競技なんかを観ていると、解説者よりも他の選手のことをよく知ってるんですよ。音声解説もなしにずっと観ているんです。もちろん、パラリンピックの選手のこともよく知っているし、各選手の得意なところや具体的なことも理解しているので、やっぱり好きなんだなと思いますね。

結局、その人たちは彼の小さい頃を知らないわけですし、もう開き直るしかないなと思って。だからというか、余計に私もボランティアに参加しようと決めたんです。せめて『そういう人たちよりも私はマシだ』と思える自分になるために

東京大会からパリ大会までに変わったこと


東京オリンピック2021で、Ricky Betar, Ben Hance, Ruby Storm, Maddie McTernanのオーストラリア代表チームは、混合4x100m自由形リレーS14で銀メダルを獲得/画像引用元:Australian Paralympic Team

前回2020年のパラリンピック東京大会で、リッキー選手はオーストラリア代表チームとして混合4×100m自由形S14で銀メダルを獲得し、個人の200m自由形S14と100mバタフライS14でも決勝進出を決め、それぞれ7位と8位に入賞しました。今回のパリ大会の代表に選ばれるまで、リッキー選手はどのような日々を送っていたのでしょうか?

強いて言うなら「リッキーは我慢を覚えたと思います」というのが、典子さんの答え。

「東京パラリンピックを終えてオーストラリアに帰国後、東京大会に一緒に行ってくれたオーバンのコーチが引退することになり、新しいコーチを探さなくてはけないけなくなったんです。オーバンのコーチは今でもリッキーと連絡とってくださっている人間的にも素晴らしい方です。リッキーにパラリンピックの世界を教えてくださったのもそのコーチですし、13〜17歳までの大事な成長期をコーチと過ごしていました。

そんなコーチがいなくなってロスを感じていたはずですが、リッキーは自分なりに新しいコーチを探していました。新しいコーチを見つけても、最初は上手くいかずにどんどんフォームを崩し、タイムが落ち…。色々なところを転々としてから、キャンベラで今のコーチと出会えて、ようやく調子が戻ってきた時期から、ロックダウンも終わったので私たち家族とまた一緒にQLDに移って暮らすことになりました。

リッキーは自閉症なので、環境が変わること、適応することが苦手なんです。だから、本人は辛かったと思いますが、何も言わず本人なりに調節して、オリンピック選考会では良いコンディションに持ってきて良いタイムが出せました」

典子さんのパートナーや勤め先の人々によるクラウド・ファンディングにより、今回はリッキー選手のいるパリ大会へ典子さんも渡仏することができるそう。パリ大会では、どんなことを楽しみにしているのでしょうか?

「今回、夫の友人や私の勤め先などに支援いただき、おかげさまでゆっくりと行けることになりました。ヨーロッパの街並みを見るのも観光として楽しみですけど、やっぱり色々な人に会えるのが楽しみかな。私、人と話すのが好きなんです。昔、ケアンズでパンパシフィックというパラ水泳大会の国際試合がありまして、小さなプールだったんですけど、各国から親御さんがいらしていて、みなさん国旗を持って大盛り上がりだったんですよ。それをパリのパラリンピックのプールでも見られると思うと、ものすごく楽しみです!」

典子さんに訊く、パラリンピック水泳競技の見どころ


2020年11月には、Hancock Prospecting Australian Virtual Short Courseの200mメドレーS14で2分7秒77を記録し、世界新記録を樹立したリッキー選手/画像引用元:Australian Paralympic Team

リッキー選手が出場するパラリンピックの水泳競技には、どんな見どころがあるのでしょうか?

タイムを競う点は一般の水泳と同じですが、パラ水泳の特徴は選手がクラス分けされているところ。機能障がい、視覚障がい、知的障がいなど、障がいの種類もレベルもそれぞれ異なるため、同程度の障がいごとに細かく分けられたクラス内で公平に戦い、競技能力に差が生まれないようにしています。そうして、障がいに応じて泳ぎ方を工夫したり用具を使うなどルールを一部変更することで、選手が持つ身体機能、運動能力を最大限に発揮することを可能にしているのだそう。

「飛び込み台の上に選手が立った時、みなさんは『手がない/足がない人たちが飛び込んで普通に泳いでいる。みんなすごい、自分はあんなに泳げない』と驚く方が多いと思います」と、典子さん。

「そこで、もう一歩踏み込んで見ていただきたいポイントがあります。パラ水泳では腕1本ない/足1本ないという人が飛び込み台の上に立ち、スタートのブザーが鳴るまでじっと動かずにこらえて、スタートしたら飛び込んでまっすぐ泳ぎますが、“まっすぐ泳ぐ”って、ものすごく難しいことなんですよ」

パラリンピックの水泳競技では、独自のルールの一つがスタート方法。障がいによって飛び込めない場合は、水中からのスタートが認められています。また、背泳ぎではグリップを握ってスタートしたり、ベルトや取り付け式用具といった補助具を使用して身体を支える選手も。聴覚障がいのある選手の場合は、スタート音が聴こえないため身振りで合図を伝えたり、シグナルでスタートを知らせることもあります。

「飛び込みの方法も選手によって色々あります。ゴムを持ったり、口でくわえたりだとか。でも、ブザーが鳴るまでは誰も動いちゃダメなので、全員ものすごく努力をしているんです。目が見えない人には杖で頭をコンと叩くサポートがあるのですが、それも練習していないと、かなり難しい。機能障がいのある選手だと、トレーニングするにしろ筋トレ一つにしても、片方が鍛えられないからもう片方だけ鍛えればいいというものでもないし、平泳ぎやバタフライは平行に身体を動かさないと前に進めませんよね。身体を均等に動かさないといけないところ、偏るわけじゃないですか。 本当にすごいこと」

また、パラ水泳では、プールサイドにいるのは選手ひとりきりではありません。競技中はコーチやスタッフの存在にも注目してみてください。彼らは選手の怪我を防ぐため、競技を円滑に進めるため、一人ひとりの選手をサポートする重要な役割を果たしています。

「パラリンピックに出場している人は完成系である」と、典子さんは例えます。「その裏には、幼い頃からいじめに遭ったり心ない言葉をかけられたり、色々あったと思います。特に、パラリンピックに出場できるくらいの実力がある選手というのは、健常者のレベルでも結構上のレベルになります。彼らは健常者と小さい頃から一緒に泳いでいることが多いので、そういう厳しい境遇を越えて、そこに立っている選手たちのことを、ぜひ見てもらいたいなと思います」

“まっすぐ泳ぐ”ことは当たり前と思いがちですが、機能障がい、視覚障がい、知的障がいのある選手たちにとって当たり前ではありません。選手一人ひとりが自分にあった泳ぎ方を試行錯誤し、計り知れないほどの努力を経て“まっすぐ泳ぐ”スタートラインに立つのです。障がいがあると、一般的に良しとされている泳ぎ方がベストとは限らない。これは、パラ水泳の見どころでもあるでしょう。

異なる泳法同士の接戦を応援できるのは、一般の水泳競技にはない面白さです。オリジナリティあふれる泳ぎ方を編み出し、ベストパフォーマンスを披露せんとする選手たちのたゆまぬ努力に敬意を送りながら、楽しく観戦しましょう!

障がいのあるお子様を持つ親御さんへ、パラリンピックを観る人たちへ

典子さんは、障がいを抱えるお子様を持つ親御さんに向けてこう語ります。

「本人が水泳を好きだったからそれをずっとさせていたら、蓋を開けてみると得意なことでもあったので、私としては本当にラッキーでしたね。色々な人にお世話になりましたし、今のコーチと出会えたことも良かった。

今は自閉症やADHDの診断を受ける子どもたちが多いというか、私たちの子ども時代よりも認知度が上がっているので、その診察を受ける子が多くなっていると思うんですね。親御さんは子どもの扱いが難しいと悩むこともあると思いますが、運動はさせてあげてほしいなと思いますね。もちろん運動でなくても、何かその子の得意な部分を一つ見つけてあげられればいいなと。絶対にあるはずですから」

また、今回のパラリンピックパリ大会について、みなさんへの温かなメッセージも。今までパラリンピックを観戦したことがない方も、オリンピックとの違いに目を向けることがなかった方も、ぜひ典子さんのメッセージを心に留めて、画面の向こうで人生の舞台に立つパラリンピアンたちを応援してみてくださいね!

「パラリンピックの選手たちは、オリンピックの選手たち以上に、今までの人生のどこかにおいて心ない言葉を受けながらも、その舞台に立っている人たちです。そういうバックグラウンドを想像するのも、そんなに難しいことじゃないと私は思うんです。(パラリンピアンに限らず)そういう人はどこにでもいますから。

ですから、さまざまな経緯を越えて彼らがそこに立ってることを、ぜひ讃えてあげてほしいなと思います」

 

【パラリンピックはどこで視聴できる?】
オーストラリアでは、「Nine Network」の40以上の無料放送チャンネルで生放送されます。「9Now」のストリーミング・プラットフォームでは、大会終了後のハイライトをオンデマンドでも無料視聴することができます。他にも、「Stan Sport」でもライブ配信およびオンデマンド放送が予定されています。
パラリンピックパリ大会は、2024年8月28日(水)から9月8日(日)の日程で開催されます。

投稿 パラリンピック水泳代表リッキー選手と母・典子さんの絆と想いJAMS.TV に最初に表示されました。

]]>
LGBTQの祭典マルディグラ・パレード2024の参加者募集中 https://www.jams.tv/japanese-community/245337 Sun, 17 Dec 2023 23:51:27 +0000 https://www.jams.tv/?p=245337 シドニーの街がレインボーに染まるLGBTQIA+の祭典「Sydney Gay and Lesbian Mardi Gras」。もともと同性愛違法の状況に抵抗するデモ行進としてはじまったマルディグラは、いまや国内外から観客 […]

投稿 LGBTQの祭典マルディグラ・パレード2024の参加者募集中JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

シドニーの街がレインボーに染まるLGBTQIA+の祭典「Sydney Gay and Lesbian Mardi Gras」。もともと同性愛違法の状況に抵抗するデモ行進としてはじまったマルディグラは、いまや国内外から観客が集まるオーストラリアを代表するイベントに成長し、2017年に同性婚が合法化されたオーストラリアで今年45周年を迎えました。

ショーやプールパーティーなどさまざまなイベントがシドニー各地で2週間に渡って開催されるマルディグラの中でも、フィナーレを飾る一大イベントが「マルディグラ・パレード」。200以上もの団体が思い思いの衣装を身にまとい、色鮮やかなフロートとともに約1.7kmの道を約4時間かけて歩きながら、パフォーマンスを交えて愛の自由・平等と尊重を表現します。2023年は7万5,000人以上が集結した過去最大規模のイベントとして、さらなる盛り上がりを見せました。

次回の「Sydney Gay and Lesbian Mardi Gras 2024」は、2024年2月16日(金)から3月3日(日)まで開催予定。マルディグラ・パレードは3月2日(土)にあり、そのパレードにシドニーのLGBTQIA+コミュニティ「Gender Free Japanese」が参加します。

「Gender Free Japanese」では、現在マルディグラ・パレードに同コミュニティの一員として参加するメンバーを大募集中!

今回は、「Gender Free Japanese」とその活動内容、マルディグラ・パレードへの参加方法をご紹介します。

シドニーのLGBTQIA+コミュニティ「Gender Free Japanese」について

「Gender Free Japanese」は、オーストラリアのシドニーにて日本人が結成したLGBTQIA+のアライグループ。​2021年にシドニー在住の4人の日本人によって結成された新しいコミュニティで、マルディグラ・パレードを通して「オーストラリアの文化や多様性のある社会を日本でも実現したい」「日本のLGBTQIA+の現状を世界に知ってもらうきっかけをつくりたい」「日本でもパートナーと一緒に暮らしたい」…そんな思いを持った同志が集まっています。

「Gender Free Japanese」はLGBTQIA+当事者か否かに関わらず、「Gender Free Japanese」の以下の理念に共鳴したボランティアで運営されています。

  1. 誰もが自分らしくいられる社会を作る
    私たち誰もの中にある「人とは違う部分や意見」、それを表現でき受け入れてくれる社会の方が、誰もが生きやすくなると感じています。どんな人でもその人らしく堂々と生活できるように。お互いがお互いを受け入れらるように。そんな社会の実現に向けて活動しています。
  2. 日本での同性婚合法化
    日本はG7の中で唯一同性婚を認めていない国です。結婚という法的な証明ができないことで、愛するパートナーと生活する上で大きなハードルがあります。オーストラリアで結婚できても日本では結婚できないため、帰国したくても出来ない日本人もたくさんいるのです。日本の同性婚合法化に向けて声を上げていきます。
  3. 日本から世界へ、世界から日本へ
    LGBTQIA+や少数派に対する理解を深めていこうと動いている国、世界を巻き込むことで、日本もよりはやく前に進めると考えています。また、世界にも日本の現状を知らない人がたくさんいます。​情報発信と相互の協力によって、日本を応援してもらうことが大切です。これらを知ってもらうきっかけとして、マルディグラ・パレードに参加しています。

老若男女、性別、国籍に関わらず、誰でも歓迎のグループで、地元シドニーからはもちろん、日本から、他国からさまざまな人が参加しているのが、「Gender Free Japanese」。参加する目的も人それぞれで、パレードが楽しそうだから参加する人もいれば、勇気を振り絞って参加する人、主役になりたい人、性別や他人とは少し違うことに悩む人、LGBTQIA+について学びたい人など、子どもから大人まで誰一人として同じ人はいません。

代表のKokiさんとAyakaさんを中心に、みなそれぞれの思いを胸に抱きながらもパレードで一致団結し、全員でパレードを練り歩きます。2022年は20名で参加、2023年は40名がシドニーのマルディグラ・パレードに参加しました。


写真左 Kokiさん、写真右 Ayakaさん

マルディグラ・パレードは、言語的・文化的な多様性のみならずLGBTQIA+に対する多様性も広く受け入れる都市シドニーの寛容性を感じられ、誰もが主役になれる場所。

「Gender Free Japanese」とともに2024年3月2日(土)のマルティグラ・パレードに参加してみませんか?

【受付締切2024年1月15日】マルディグラ・パレード参加者募集中!

「Sydney Gay and Lesbian Mardi Gras 2024」のテーマは、「Our Future…」。

今回も、多種多様なコミュニティから200を超えるフロートがダーリングハースト(Darlinghurst)のオックスフォード・ストリート(Oxford Street)を出発し、フリンダーズ・ストリート(Flinders Street)までの道を進み、ムーア・パーク(Moore Park)へと向かいます。パレードはフロートのほか、色とりどりのコスチュームや、ダイクス・オン・バイク(Dykes on Bikes)、LGBTQIA+の権利・差別などについて言及したプラカードなど、さまざまな表現方法があります。

「Gender Free Japanese」の一員として参加するマルディグラ・パレードは、以下の条件を満たす方であれば国籍・年齢・LGBTQIA+当事者に関わらず誰でも参加OK!

パレード参加への申込締切は、2024年1月15日(月)。先着順までなのでお早めに!

  1. 日本在住もしくはオーストラリア在住者を中心に、国籍・年齢・居住地不当
  2. LGBTQIA+に理解を示せる方、他人をリスペクトできる方
  3. パレード中の30〜40分間、自力で歩ける方(車いす可)
  4. メールアドレス、携帯番号、郵便番号、LINE IDを「Gender Free Japanese」と共有でき、連絡をきちんと取れる方
  5. パレード中にメディア撮影および自身が映りこむ放送やウェブ媒体への露出を許可できる方、「Gender Free Japanese」のウェブ媒体への顔出しを許可できる方
  6. 事前オンライン説明会、オンラインまたは対面ダンス練習、対面リハーサル(2024年2月27日~29日に一度予定)に参加できる方
  7. 「Gender Free Japanese」の演出テーマに合わせて装飾できる方(衣装はハッピが用意されます)

2024年の「Gender Free Japanese」マルティグラ・パレードに関わるコアメンバーの紹介はこちら

「Gender Free Japanese」マルディグラ・パレード2024年 参加募集要項

【パレード開催日】2024年3月2日(土)
【時間】15:30~23:00(チェックイン→待機時間→リハーサル→パレードの流れ)
【場所】シドニーのオックスフォード・ストリート(Oxford Street, Sydney NSW
【参加費】大人 AUD $60、 学生・ワーホリ・子ども AUD $40
 ※お子様の単独での参加は不可。必ず保護者が付き添い参加してください。
【参加方法】以下の参加申込フォームに必要事項を記入して送信してください。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd4bJbgV_egI7ltwwngfyDMZtcEPLsf8oeS91WT5EMccBE2_A/viewform
【申込締切】2024年01月15日(月)17:00まで(シドニー時間)
 ※先着順、定員に達し次第終了します。
【定員】80名(すでに半分以上埋まっているのでお早めに!)
【お問い合わせ】代表 Ayaka&Kokiまで
genderfreejapanese@gmail.com

老若男女、性別、国籍に関わらず、誰でも参加でき、コミュニティの人々はみなLGBTQIA+に理解があります。「Gender Free Japanese」の仲間たちと、年に一度のマルディグラ・パレードを楽しみましょう!

投稿 LGBTQの祭典マルディグラ・パレード2024の参加者募集中JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>
シドニーで飲食・小売業者向け日本産酒類の商談会が開催 https://www.jams.tv/gourmet/242903 Thu, 09 Nov 2023 21:00:11 +0000 https://www.jams.tv/?p=242903 シドニーで開催された「酒フェスティバル & 江戸デジタルアート展(Australian Sake Festival 2023)」に合わせて、飲食・小売業者向けのBtoB商談会「Sake Trade – The J […]

投稿 シドニーで飲食・小売業者向け日本産酒類の商談会が開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

シドニーで開催された「酒フェスティバル & 江戸デジタルアート展(Australian Sake Festival 2023)」に合わせて、飲食・小売業者向けのBtoB商談会「Sake Trade – The Japanese Liquor and Beyond」が、10月2日(月)、シドニーのCarriageworksで開催された。

また、対面商談会に先立って午前10時から、日本から参加できない酒蔵・酒造メーカーのためのオンライン商談会、午後12時から専門家を招いた飲食・小売業者向けのレストラン向け日本酒セミナーも同日開催された。

本イベントは日本政府の協力のもと、「酒フェスティバル」の主催者であるJAMS.TV Pty Ltdが主導して開催された。近年、日本政府では日本産酒類の一層の輸出拡大を図るため、海外における日本産酒類の認知度向上および販路拡大に向けて取り組んでいる。本イベントもその一環として企画され、日本酒をはじめとする日本産の酒類や食品の取引に関心のあるオーストラリアの卸売業者や小売業者、飲食店などを対象としたBtoB商談会を設けることで、オーストラリアの日本産酒類のさらなる販路拡大を狙う目的だ。

「酒フェスティバル」にも出展していた多数の日本の酒蔵や食品メーカーや現地輸入卸業者が参加し、200種類以上の日本酒や果実酒、ジンなどの日本酒類が展示された。そのすべてを試飲・試食することが可能で、日本各地の酒蔵・酒造メーカー、食品関連事業者、小売業者、地元の酒類・食品事業者と直接商談できるまたとない機会となった。

当日は、当地の飲食・小売事業者100名がレストラン向け日本酒セミナーに参加し、146名が対面商談会に参加、当地の輸入卸業者4社がオンライン商談会に参加。本セミナーを受講したオーストラリアの飲食・小売業者のほとんどが、午後1時からの対面商談会にバイヤーとして参加している。

会場には「酒アワード(Australian Sake Awards 2023)」の映えある受賞酒一覧も展示され、参加者からの注目を集めた。

オンライン商談会の様子

午前中に開催されたオンライン商談会は、3タームに分けて実施された。シドニー会場と日本の各酒蔵・酒造メーカーの担当者とをZOOM通話でつなぎ、あらかじめシドニー会場に搬入されていた酒蔵・酒造メーカーの商品を、当日オーストラリア現地のバイヤーが試飲し、その酒蔵・酒造メーカーの担当者と通訳を通してリアルタイムで商談を進める形式で行われた。

どのタームも終始和やかな雰囲気で進行し、オーストラリアのバイヤーからは、試飲した商品と日本食とのペアリングについての質問が多かったが、どの酒蔵・酒造メーカー担当者も一人ひとりに時間をとって回答し、どのような日本食と合うのか、どのような飲み方を希望するかなど、自慢の自社商品を丁寧に紹介。日本酒への熱意を通して現地バイヤーと良好な関係を築いていた。

レストラン向け日本酒セミナーの様子

正午から開催されたレストラン向け日本酒セミナーでは、各席に試飲用の日本酒5種とペアリングフードが置かれ、参加者は実際にペアリングを体験できた。

日本酒のエキスパートであるWayne Shennen氏とSimone Maynard氏は、日本酒のスタイル、サービスウェア、フードペアリング、販売のヒント、親しみやすい日本酒のPR方法など、さまざまな日本酒トピックについて解説し、Q&Aセッションの時間も設けられた。

東京を拠点とするWayne Shennen氏は、オーストラリア、ブラジル、日本、イギリスなど国際的に知られるソムリエ。『Wine Australia』の「50 Sommeliers of the World」プログラムに選出、「New Zealand Sommelier of the Year competiton 2017」で2位に入選した認定ソムリエ(Court of Master Sommeliers)であり、日本の酒蔵で働いた後に著書『Demystifying Sakè』を出版した。ワインと日本酒関連のその幅広いネットワークと専門知識が高く評価され、コンクールの審査員や飲料専門家向けの教育イベントの講師として、食品・飲料業界で広く活躍している。

メルボルンを拠点とするSimone Maynard氏は、日本酒と日本文化に深い情熱を持ち、食品・飲料業界で20年以上の経験を持つ。日本酒とその豊かな歴史をオーストラリア国内外に広めることを目指し、日本酒のコンサルタント、プロモーター、教育者として活躍している。2020年からは「Taste with the Toji(杜氏と利き酒)」プロジェクトを創設・主催し、2022年には「酒サムライ(日本酒と日本文化を愛し、その素晴らしさを世界に広めようと尽力している人に与える称号)」を授与された。

オーストラリアの卸売業者や小売業者、飲食店関係者として、参加者はみな真剣な面持ちで2人の日本酒エキスパートの講義に聞き入り、今後日本酒を取り扱うための知識を仕入れていた。

今回のセミナーでテイスティングに選ばれた個性的な日本酒は以下の通り。

  1. 吉田酒造「月山 スパークリング」
  2. 桃川「桃川 ワイン酵母仕込み純米吟醸酒」
  3. 土田酒造「木もと仕込み 純米吟醸酒」
  4. 竹鶴酒造「竹鶴 純米吟醸 初しぼり 生」
  5. 木下酒造「玉川 Time Machine 2021BY」

Wayne Shennen氏からのコメント

「オーストラリアの人々も日本酒に対して多くの関心を持っていますが、それについて知識を得る機会はあまりありません。ですから、彼らが日常的に日本酒を味わったり、経営者としてメニューに取り入れたりするための方法を提供できる機会は、我々としてもありがたい限りです。飲食の中でも、お酒を飲むという体験は人々に心地良さを与えるものです。今回のセミナーで、日本酒を飲む心地良さを、参加者にも体験してもらえたかと思います。

10年前あるいは15年前、オーストラリアのシドニーで日本酒の知識を持ち日本酒を取り扱えるオーストラリア人はほとんど誰もいませんでした。メルボルンとブリスベンに1カ所ずつという程度で、日本酒を楽しむには日本まで行かなければいけなかった。それが今は国内に多くの日本食レストランがあり、日本酒を取り扱う店も増えたので、日本酒を広める活動を始めた甲斐があったというものです。私自身もより多くの人とより多くのものを手に入れることができ、5年前には日本にレストランをオープンする夢も叶いました。今後もオーストラリアでの日本酒の認知拡大に貢献していきたいですね」

Simone Maynard氏からのコメント

「今回のセミナーで、参加者のみなさんが何かしら手応えを感じてくれたことを期待しています。日本酒を理解していただくために、オーストラリアの食べ物とのフードペアリングをしたり、個性的な日本酒をピックアップして味の違いを感じてもらったり、日本酒をより楽しみより多くのことを学ぼうとするオーストラリアの人々が集まったこの機会に、さまざまな挑戦ができて良かったです。これを機に日本酒の存在が多くのオーストラリア人にもっと認知されることを願っています。そのために、今後も日本酒関連イベントのサポートをしていければと思います」

対面商談会の様子

対面商談会では、酒蔵・酒造メーカー40が一堂に会し、会場奥にはフードペアリング用の日本食も用意された。レストランセミナーが開かれたElston roomと対面商談会が開かれたBay 25は会場内で入場口を挟んで隣接しており、午後はセミナー会場で歓談や休憩を挟みながら商談会のブースをこまかく巡回するバイヤーの姿が見られた。

出展者からは「オーストラリアの場合、まだまだ日本酒が認知されていないため今後も継続的に出展を考える必要がある」、「各レストラン経営者の方々ともっと腰を据えて話してみたい」「さまざまな関係構築ができたが、次回があれば当日販売も取り入れ、さらに本気度の高い商談をしてみたい」といった積極的な意見が多かった。

4日間の日本酒関連イベントすべてに出展した酒蔵・酒造メーカーもあり、全体を通してみるとオーストラリアでは日本酒と日本食の食文化のみならず、来場者の興味が日本の伝統文化から、観光、歴史、そして現代文化まで多岐に渡っていることが窺える。そのため、飲食に限らない幅広く日本と繋がるフェスティバルおよび商談会の発展が今後大いに期待される。

対面商談会出展者の方々




全ての写真:Sayu Matsunaga

投稿 シドニーで飲食・小売業者向け日本産酒類の商談会が開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>
第2回日本酒コンクール授賞式がシドニー総領事公邸で開催 https://www.jams.tv/gourmet/242879 Tue, 07 Nov 2023 21:00:32 +0000 https://www.jams.tv/?p=242879 オーストラリア酒アワード協会主催による「第2回オーストラリア酒アワード(Australian Sake Awards 2023)」の授賞式が、2023年9月29日に、在シドニー総領事公邸にて執り行われた。 本アワードはオ […]

投稿 第2回日本酒コンクール授賞式がシドニー総領事公邸で開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

オーストラリア酒アワード協会主催による「第2回オーストラリア酒アワード(Australian Sake Awards 2023)」の授賞式が、2023年9月29日に、在シドニー総領事公邸にて執り行われた。

本アワードはオーストラリア国内外から登録された日本酒を、事前に選出されたオーストラリア人審査員が試飲して審査し、オーストラリア市場で好まれる日本酒を選出するというもの。今年より主催がオーストラリア酒アワード協会に移り、昨年主催のJAMS.TV Pty Ltdはイベント運営を委託担当した。昨年に引き続き、日本酒の多様な魅力を伝え、現地の日本酒エキスパートを育成することで、オーストラリアの日本酒市場の長期的発展に寄与する。

授賞式当日は、シドニーの「Sakedokoro Namara」と「Daiwa Food」からウェルカムドリンクとしてスパークリング日本酒とラガービールが、「MASUYAグループ」から軽食が振る舞われ、参加者にくつろぎのひと時を与えた。


写真向かって右から、徳田修一総領事、オーストラリア酒アワード協会遠藤烈士代表、小寺博文シェフ


JETROシドニー渡邉尚之所長


酒アワード審査員代表のSimone Maynard氏

オープニングセレモニーでは、主催のオーストラリア酒アワード協会の遠藤烈士代表、在シドニー日本国領事館の徳田修一総領事、JETROシドニーの渡邊隆之代表、酒アワード審査員代表のSimone Maynard氏が登壇。オーストラリアと日本の両国を結ぶ架け橋の一つである日本酒文化発展に貢献する全てのアワード出品者を讃え、映えある受賞者に祝辞を述べた。

今回のアワードでは、全国52の酒蔵から104本の日本酒類が出品され、うち45本が入選した。授賞式当日は入選した酒蔵のうち8酒造が来場していたが、オンライン参加も可能で日本から多くの酒造が配信を見守った。会場で賞状を受け取る受賞者の表情はみな晴れやかで、周囲からは惜しみない拍手と喝采が贈られた。

授与式後には今しがたの受賞酒の数々が、参加者にその場で振る舞われた。今年の受賞酒は、授賞式の翌日9月30日と10月30日の2日間にわたって、シドニーのCarriageworksで開催された「酒フェスティバル & 江戸デジタルアート展(Australian Sake Festival 2023)」と、10月2日に同会場にて開催の「飲食・小売業者向け日本酒類商談会(Sake Trade – The Japanese Liquor and Beyond)」でも同様に展示され、来場者の注目を集めていた。

今年は在シドニー日本国総領事館の計らいから美しい邸宅での授賞式となり、徳田総領事の人柄もあり終始和やかな雰囲気に。参加者は軽食と共に個性豊かな各受賞酒の試飲を楽しみ、中秋の名月が輝く星空の下、涼やかなバルコニーで受賞酒のグラスを片手に歓談する参加者の笑顔も印象的だった。

また、在シドニー総領事専属シェフである小寺博文氏のもとには、味はもちろんのこと、その卓越した寿司や刺身の技術を一目見るため、次々と参加者がカウンターを囲んだ。

授賞式につづいて、翌日以降のフェスティバルと商談会に出席した酒造も多く、この日は誉ある受賞酒を携えて参加することができる喜びや、オーストラリアの消費者への期待、主催への今後の要望などについて熱く語る様子も見受けられた。

本アワードの運営をサポートしたJAMS.TV Pty Ltdは、オンラインとオフラインの両面からオーストラリアの生活・観光情報や広告サービスを幅広く提供している。昨年に続き、オーストラリアで2度目の「オーストラリア日本酒アワード(Australian Sake Awards)」を開催できたことを大変誇りに思うと、オーストラリア酒アワード協会の代表であり同社取締役社長の遠藤烈士氏は語った。

「今宵、私達はオーストラリアの中心で、日本の最高級の日本酒が日豪の人々を繋ぐ伝統文化と相互理解の架け橋にいます。オーストラリアは日本から遠く離れているかもしれませんが、何世紀にもわたって日本で受け継がれてきた酒造りの伝統の糸を、活気に満ちた多様なオーストラリア文化のタペストリーを彩る一部として色を添えられたら嬉しく思います。当協会主催の国際日本酒アワードは、日本の酒蔵の皆様の精巧な職人技を証明するだけでなく、個性豊かで洗練された日本酒に対するオーストラリアのからの評価と認識の高まりを祝うものでもあります」

今年で創業18周年を迎えたJAMS.TV Pty Ltdは、オーストラリアの在留邦人や当地事業者、政府機関・団体と共に、今後も日豪のより共感あふれる社会作りを目指していくという。

「第2回オーストラリア酒アワード(Australian Sake Awards 2023)」受賞酒一覧はこちら

審査会と審査カテゴリー

「第2回オーストラリア酒アワード(Australian Sake Awards 2023)」の審査会は、2023年7月22日にシドニーのCustoms Houseで実施された。昨年同様、各審査員はオーストラリアのソムリエ、日本酒の小売業者、飲食業界の専門家、日本酒の資格所持者、日本酒の輸入業者および卸売業者という「消費者に一番近い」プロフェッショナルで構成。51名の審査員は、事前に審査員向けの日本酒講義を受講した上、当日はワイングラスを用いたブラインドテイスティング方式で審査を行った。

本アワードに出品可能な日本酒は、国内外問わず、合法的に製造免許を受けて製造・販売している日本酒およびSAKEであり、オーストラリア国内において販売されている、または今年度中に販売開始予定であるものに限られた。当日の審査会場は、無風で直射日光が当たらないよう配慮され、温度は20度前後、酒の温度は12度~14度程度、生酒・生原酒は5度~7度に保たれた。

審査会当日は全51名を7名または8名ごとのグループに分け、それぞれのグループが45種類の異なる日本の酒を試飲した。全ての酒は日本全国の酒蔵から提供されている。

また、前回からの改善点として、今年は審査員がラウンドテーブルに揃うことでシーンごとのディスカッションを可能にする環境づくりや、審査員間の包括的なチームワークを向上させるなど、全ての審査員がより万全な状態で審査に臨むための工夫が見えた。審査員の半数以上は前回から継続しており、日本の酒類専門の国立研究機関である酒類総合研究所からの協賛を受け、同研究所の主任研究員である織田鍵氏をゲスト審査員に招いた上で、審査に先立ち、織田氏によるオンライン講座に出席している。

本審査会について、織田氏は「素晴らしいイベントで、日本全国の酒造りにとってオーストラリア市場への本当の入り口となっている」と今後への期待を示した。

審査カテゴリーは全部で8部門。

  • 本醸造・普通酒
  • 純米
  • 純米吟醸
  • 吟醸・大吟醸
  • 純米大吟醸
  • スパークリング
  • 生原酒
  • 古酒

各酒は香り、味、バランスに基づいて10点満点で評価され、さらに審査カテゴリの評価に基づいた総合得点も付けられる。また、審査員が各酒について書面でフィードバックを提供し、そこには食事のマッチング提案などを記入できるコメント欄も含まれていた。

  • プラチナ賞:カテゴリー別に最上位1種を選出
  • ゴールド賞:カテゴリー別に出品酒総数より上位20%を選出
  • ピープルズチョイス賞:各審査員の投票で出品酒総数より上位10%を選出

また、各出品銘柄に対する審査スコアおよび審査員によるフィードバックは、審査後にメールにて出品者全員に送られた。これにより、日本の酒蔵とオーストラリアの酒市場との絆がさらに強化され、日本の酒蔵がオーストラリアの酒市場をより深く理解するための一助になることが期待される。

メルボルン在住の酒サムライ*であり、本審査会のリーダーチームの一人であるSimone Maynard氏は、「日本の酒蔵にとってオーストラリアの消費者から貴重なフィードバックを得る絶好の機会。こうしたイベントを通じて、今後オーストラリアにもっと日本の酒が入ってきて、Australian Sake Awardsにもっと多くの日本の酒蔵が参加することを期待しています」と語った。

シドニーにある「Wine Knight Consulting」のオーナーで、同じく審査会リーダーチームの一員であるDennis Han氏は、「これらの賞は、オーストラリアにおける日本酒の多様性と高品質を改めて教えてくれます」と感想を述べた。

*酒サムライ:全国の若手蔵元から組織される日本酒造青年協議会が、日本酒と日本文化を愛し、その素晴らしさを世界に広めようと尽力している人に与える称号。

第2回オーストラリア酒アワード受賞酒と受賞者のコメント

本アワードに入賞し、授賞式のため来豪した酒造の代表者に、率直な感想を伺った。

賀茂鶴酒造 代表取締役 藤原昭典氏

  • プラチナム賞 純米大吟醸部門
    「純米大吟醸 広島錦」
  • ピープルズチョイス賞 純米大吟醸部門
    「純米大吟醸 広島錦」

「広島県からオーストラリアへの輸出に本格的に乗り出した頃に、ちょうど新型コロナウイルスが感染拡大してしまい、海外に対しては身動きが取れない時期が長く続きました。ようやく取り組める状態になった今、このような賞を頂戴しましたこと大変光栄に思います。今後オーストラリアで我が社のお酒を広めていく際に、現地の消費者の方々も良き判断材料にしていただけるのではないかと期待しております。ありがとうございました」

秀鳳酒造場 代表取締役 武田秀和氏

  • プラチナム賞 純米酒部門
    「秀鳳 特別純米 無濾過 雄町」
  • ピープルズチョイス賞 純米酒部門
    「秀鳳 特別純米 無濾過 雄町」
  • ゴールド賞 純米吟醸部門
    「秀鳳 純米吟醸 出羽の里」

「地方にある酒蔵が世界を感じられる機会はなかなかないので、山形県の小規模な酒蔵のお酒をオーストラリアの方々にこのように喜んでいただけて、非常に嬉しく思います。日本でもオーストラリアでも弊社のお酒を飲んでいただく方々のために、新たな技術開発を進めており、既存の商品についても日々改善に取り組んでいきたいと考えております」

遠藤酒造場 代表取締役 遠藤秀三郎氏

  • ゴールド賞 純米大吟醸部門
    「直虎 番外品 純米大吟醸」
  • ゴールド賞 純米吟醸部門
    「直虎 純米吟醸 生原酒」
    「純米吟醸 生酒」
  • ピープルズチョイス賞 純米吟醸部門
    「直虎 純米吟醸 生原酒」

「3品もゴールド賞とピープルズチョイス賞を受賞することができ、大変光栄です。私共の酒蔵がある長野県の自然は、オーストラリアの方々からスノーアクティビティでも親しまれていて、我々のこともオーストラリアで温かく迎えていただきました。今後も日本酒を通じてそうした日豪間の架け橋となれるよう、オーストラリア酒アワードには期待しておりますし、次回もゴールド賞そしてプラチナム賞を受賞できるよう励んでまいりたいと思います」

古澤酒造 代表取締役 古澤康太郎氏

  • ゴールド賞 純米大吟醸部門
    「澤正宗 純米大吟醸 美田美酒」
  • ピープルズチョイス賞 純米大吟醸部門
    「澤正宗 純米大吟醸 美田美酒」

「今後もオーストラリアの人々にいろいろな日本酒を楽しんでいただきたいです。また、我々も明日の酒フェスティバルも非常に楽しみにしております。日本人だけでなく現地の方々に日本酒が広まっていくよう努力していければと思っております。居酒屋の形式や日本酒のみならず日本食など、日本の文化をそのまま現地にお届けすることで日本酒産業も世界に広がるのではないかと考えております」

菊正宗酒造 海外事業課 福井雅人氏

  • ゴールド賞 純米大吟醸部門
    「百黙 純米大吟醸」

「このように名誉な賞を受賞できたこと、大変嬉しく思っております。来年に向けて一からしっかりとお酒造りに向き合い、より美味しいお酒でプラチナム賞を目指して頑張っていきたいところです。今後とも兵庫は神戸の『菊正宗』そして『百黙』をよろしくお願いいたします」

森島酒造 田中静子氏

  • ゴールド賞 純米大吟醸部門
    「森嶋 雄町 純米大吟醸」

「昨年に引き続き今年も受賞できたことで、日本だけでなくオーストラリアの方々に評価していただけて、世界が広がっていく感じがします。弊社には先代から続く昔ながらのお酒と、現在の杜氏である兄の世代から始めたよりモダンなお酒があり、昔のオーソドックスな手法を続けながらも、現代の方々にも合うような味を追求しております。杜氏は本当にお酒造りが好きで、四六時中お酒のことを考えながら身を削って頑張っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします」

白瀧酒造 海外営業担当 保坂大二郎氏

  • ゴールド賞 純米大吟醸部門
    「白瀧 SEVEN 純米大吟醸 50%」

「昨年に引き続き、今年もゴールド賞を受賞することができましたが、昨年とは違うお酒が選ばれたことから、オーストラリアの人々は好みの幅の広さを感じております。異なる品で2度目の受賞は我々にとって自信になりましたし、オーストラリアは私が新潟の越後湯沢にある白瀧酒造に入社してから最初に来た国でもあり、代理店の方々と足掛け15年余りやってきましたので、来年もぜひ出品させていただきたく思います」

浦霞醸造元 海外営業担当 魚谷洋介氏

  • ゴールド賞 純米吟醸部門
    「純米吟醸 浦霞禅」
    「純米吟醸 浦霞 No.12」

「我々の宮城県の蔵から受賞した2品はどちらも特徴的なお酒で、『純米吟醸 浦霞禅』は今年で50周年を迎える歴史あるお酒、『純米吟醸 浦霞 No.12』は今年で4年目の新しいお酒と、味わいが異なりますので、ぜひそうした背景ストーリーと共に楽しんでいただければと思います。海外の中でもオーストラリアは我々にとって非常に大切なマーケットで力を入れております。今後とも変わらず、もっとみなさんに飲んでいただけるように頑張ろうと思っております」

王紋酒造(新潟県・オンライン出席)

  • ゴールド賞 純米大吟醸部門
    「夢 純米大吟醸」
  • ピープルズチョイス 純米大吟醸部門
    「夢 純米大吟醸」

白菊酒造(岡山県・オンライン出席)

  • ゴールド賞 純米大吟醸部門
    「大典白菊 純米大吟醸 雄町」

八鹿酒造(大分県・オンライン出席)

  • ゴールド賞 純米酒部門
    「八鹿特別純米(緑)」

幸姫酒造(佐賀県・オンライン出席)

  • ゴールド賞 純米酒部門
    「特別純米酒 幸姫」

「第2回オーストラリア酒アワード(Australian Sake Awards 2023)」受賞酒一覧はこちら

全ての写真:Sayu Matsunaga

投稿 第2回日本酒コンクール授賞式がシドニー総領事公邸で開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>
シドニーで酒フェスティバル&江戸デジタルアート展が開催 https://www.jams.tv/japanese-community/242884 Sun, 05 Nov 2023 21:00:50 +0000 https://www.jams.tv/?p=242884 オーストラリアの在留邦人や当地事業者、政府機関・団体と共に、日豪の共感溢れる社会作りを目指し、オンラインとオフラインの両面からオーストラリアの生活・観光情報や広告サービスを幅広く提供しているJAMS.TV Pty Ltd […]

投稿 シドニーで酒フェスティバル&江戸デジタルアート展が開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

オーストラリアの在留邦人や当地事業者、政府機関・団体と共に、日豪の共感溢れる社会作りを目指し、オンラインとオフラインの両面からオーストラリアの生活・観光情報や広告サービスを幅広く提供しているJAMS.TV Pty Ltdによる日本の祭典「酒フェスティバル(Australian Sake Festival)2023 & 江戸デジタルアート展」が、2023年9月30日(土)と10月2日(日)の2日間、シドニーのCarriageworksで開催された。

本イベントは、年々拡大傾向にある「日本の酒・食・文化・観光」分野のオーストラリア人気において、一つの分野に特化した発信ではなく日本文化を総体的に伝えることで、日本について一部または表面的にしか知らない人々の知識と興味を広げることを目的としたもの。日豪から多数の日本酒類の酒蔵・酒造メーカー、小売店、日本食店、日本の伝統工芸品の製作・販売店、文化芸能に関するパフォーマー、日本酒の専門家などを招き、多彩な切り口から参加者が日本文化を日常的に愉しむ機会を増やすことで、オーストラリア国内における日本産食品・製品市場、インバウンド観光市場、芸術分野や文化交流の拡大に寄与することが期待されている。

2日間での総来場者数は、6,500名。うち、普段日本酒はあまり買わないという来場者が全体の3割にのぼり、本イベントを機会に日本酒との新しい出会いや日本文化に親しむことを求める来場者が多かった。また、この先12カ月の間に来場者の90%が日本訪問を検討しており、日本酒を入口とした日本の食・文化・観光へのPRポテンシャルも非常に高いことが窺えた。

昨年以上に規模を拡大し、老若男女が楽しめるイベントに

今年2回目となる本イベントは昨年シドニーで開催された「酒フェスティバル 2022」から規模を大幅に拡大し、メルボルンとシドニーの2都市で開催。メルボルンの「酒フェスティバル 2023 & 江戸デジタルアート展」はシドニーに先駆けて7月に開催され、地元の人々から好評を博した。

前回に引き続き、200種以上もの豊富な日本酒のテイスティングを最大の目玉としながら、「日本の酒・食・文化・観光」の4つをテーマに「酒フェスティバル」と「江戸デジタルアート展」という2つの大きなエリアで、日豪から60もの出店があった。

一つは昨年から継続して中心となる、日本酒を堪能できるエリアの「酒フェスティバル」だ。本イベントのために来豪出店した日本の酒蔵・酒造メーカーの各ブースで、日本酒を中心としたさまざまなタイプの日本の酒200種類以上が、試飲販売された。

もう一つのエリアである江戸をテーマにした企画展示の「江戸デジタルアート展」には、「江戸文化」を総合テーマに、浮世絵の数々が展示され、江戸から続く歴史ある日本の魅力や浮世絵を通して日本酒を学ぶセミナーやフードペアリングセッションが、巨大デジタルスクリーンを利用して開催された。セミナー後方には日本の縁日のように日本食のブースが並んだ。

シドニー会場では、メルボルン会場以上にテイスティング可能な酒類の種類が充実し、日本酒を提供するブース側のフレンドリーな対応も含め、来場者から好評を博した。また、スポンサーの日本航空(JAL)や全日本空輸(ANA)をはじめ、奈良市や北海道といった観光ブースも拡充され、終始来場者でにぎわいを見せた。

今年は日本酒のみならず、日本食や観光をはじめとした幅広い日本文化の伝達を目指して17歳以下の未成年も入場可とし、日本の酒をより楽しむための酒器や、目の前で巧みに調理される日本食、日本の伝統文化などを紹介する展示ブースや、特設ステージでの日本の文化芸能のパフォーマンス、ワークショップも会場全体で終日多彩に展開され、高い評価を得た。特に、メルボルン会場から拡充された飲食店や和太鼓を中心とした見応えあるパフォーマンスには子どもから大人まで多くの人気が集まった。

また、会場入口横には、「酒アワード(Australian Sake Awards 2023)」の受賞酒も展示された。

日本の酒・食・文化・観光が揃った2日間のお祭り


写真向かって左上から時計回りに、ディジュリドゥ演奏、徳田総領事、Kok副市長、渡邊代表

イベント当日は、DJ HIDEBOOによる会場BGMを皮切りに、響き渡るディジュリドゥの演奏「Welcome to Country 」から幕を開けた。

初日のオープニングセレモニーでは、2022年9月の着任以来、日豪関係の強化に重要な役割を果たしてきた在シドニー日本国総領事館の徳田総領事、Robert Kokシドニー副市長、JETROシドニーの渡邉所長から順に開会の挨拶があった。その後、メンバーに日本の酒蔵を代表して泉橋酒造の6代目蔵元橋場社長、主催のJAMS.TV Pty Ltdの遠藤代表取締役、ディジュリドゥ演奏者を加えた6名による鏡開きが行われた。「よいしょ!」の合図で割られた酒樽に、会場からは拍手と歓声が上がった。

来場客は思い思いに日本酒や日本食、伝統工芸などのブースを周り、特設ステージでは2日間にわたって華麗なパフォーマンスやセッションが行われた。メルボルン会場から引き続き出演した「和太鼓りんどう」や「Hananingen」のほか、新しいゲーム音楽バンド「V2R Trio」、ダンスと和楽器のコラボレーション「Twisting Tornadoes & Tataku by Ryuji from Taikoz」、日本とオーストラリアの音楽コラボレーション「Nana Koizumi × Julian Sanchez(2日目はNana Koizumi × Consouls Band)」、キッズブレイクダンス&ヒップホップ「Break Juku」と、日豪両国の魅力にあふれた内容でステージ前は常に観客でにぎわった。

また、特設ステージでは日本酒をこよなく愛するオーストラリア人らによる「World Sake Day」にちなんだトークセッションや熱いパネルトーク、「江戸デジタルアート展」の巨大スクリーン前では、シドニー日本クラブ前会長のチョーカー和子氏や泉橋酒造の橋場社長、日本酒ソムリエ資格などを持つ3人のエキスパート、Sandra Gwee氏、Simone Maynard氏、ならびにWayne Shennen氏が、それぞれ機知に富んだ酒セミナーを担当。

観客席ではセミナーで言及される日本酒の試飲も提供され、来場客らは真剣な面持ちで聴講していた。

日本酒類の提供ブースは31あり、純米酒や純米大吟醸などの日本酒や、多種多様な日本産酒類(焼酎・ウイスキー・ジンなど)、梅酒やゆず酒などの果実酒と、さまざまなタイプの酒が、南は沖縄から北は東北まで日本各地から出揃った。

どの酒蔵・酒造メーカーの前にも行列ができており、来場者の多くが試飲や試食の体験だけでなくブース出展者から直接話を聞き、その商品をバックグランドと共に味わい、納得して購入していくことを楽しみしていたことが窺える。当日のみの限定商品や10%オフでの販売など、その場でしか味わえないサービスを実施するブースも多々見られた。

同じく、「江戸デジタルアート展」エリアで展開されていたフードトラックやポップアップバーが並ぶ10の飲食ブースでは、日本酒に合うおつまみをはじめ、目の前で調理される寿司や鉄板焼き、揚げ物、おでん、粉物、海鮮物、あんこや抹茶を使ったスイーツなど、鼻をくすぐる日本食の数々が大勢に振る舞われた。

観光ブースでは、航空会社が日本への往復航空券の抽選会を実施。ゴルフコースや日本の美しい観光地の写真展示も含めて来場者の目を引いた。その中でも、奈良市内から17事業者が集った奈良市ブースでは、奈良の伝統工芸品や日用品の展示・販売に加えて、記念品の配布、かき氷など地元の特産物を活かしたグルメの試食、絵付けワークショップなど盛りだくさんのPR内容が人気を博した。

また、日本工芸品や文化アートの販売・展示を担うブースでは、来場者が展示品をじっくりと吟味する様子や写真に納める楽しげな様子が見られ、本イベント公式グッズの売れ行きも好調だった。壁際に設けられたフォトスポットでは、笑顔で記念撮影をするグループが数多く見られた。

各出展ブースを楽しんだ来場者からは「日本酒の種類も多く、ペアリングの日本食など日本酒以外の商品も興味深かった」、「新しい出会いがあり、展示されている商品を見て回るだけでもとても楽しかった。アクティビティに参加するのも楽しかった」、「ユニークな屋台や他のユニークな店舗は素晴らしい付加価値だった」、「日本酒を飲むための陶器など、日本文化の他の側面にもスポットを当てていた点がとても良かった 」といった声が上がっている。

各ブースに行列ができる盛況ぶりから、今後のイベント運営におけるスムーズな進行や混雑と換気対策といった改善点、テーマとなる「日本の酒・食・文化・観光」への体験に対する大きな期待が見てとれた。今後のイベントでは、来場者の満足度を上げることが、より多くの日本酒や日本文化への理解にもつながり、同イベントのみならずオーストラリア国内の日本関連イベントの価値も高めることにも寄与していくかもしれない。

出展者の方々















MC、パフォーマーの方々



セミナー講師の方々


来場者のみなさんの様子









全ての写真:Sayu Matsunaga

イベントの様子(公式動画)

投稿 シドニーで酒フェスティバル&江戸デジタルアート展が開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>
メルボルンで酒フェスティバル&江戸デジタルアート展が開催 https://www.jams.tv/japanese-community/239022 Thu, 03 Aug 2023 00:10:28 +0000 https://www.jams.tv/?p=239022 オーストラリアの在留邦人や当地事業者、政府機関・団体と共に、日豪の共感溢れる社会作りを目指し、オンラインとオフラインの両面からオーストラリアの生活・観光情報や広告サービスを幅広く提供しているJAMS.TV Pty Ltd […]

投稿 メルボルンで酒フェスティバル&江戸デジタルアート展が開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

オーストラリアの在留邦人や当地事業者、政府機関・団体と共に、日豪の共感溢れる社会作りを目指し、オンラインとオフラインの両面からオーストラリアの生活・観光情報や広告サービスを幅広く提供しているJAMS.TV Pty Ltdによる日本の祭典「酒フェスティバル(Australian Sake Festival)2023 & 江戸デジタルアート展」が、2023年7月1日(土)と2日(日)の2日間、メルボルンのクイーン・ヴィクトリア・マーケットで開催された。

初開催された昨年の「酒フェスティバル 2022」では、200種以上の日本酒をテイスティングできることを最大の目玉とし、入場チケットはイベント3週間前にしてすでに完売という人気ぶりを見せた。


イベントを主催したJAMS.TVスタッフの面々

2回目の開催となる今年は「日本の酒・食・文化・観光」の4つをテーマに昨年以上に規模を拡大し、シドニーとメルボルンの2都市で開催が決定。年々拡大傾向にある「日本の酒・食・文化・観光」分野のオーストラリア人気において、一つの分野に特化した発信ではなく日本文化を総体的に伝えることで、日本について一部または表面的にしか知らない人々の知識と興味を広げる狙いだ。また、参加者が日本文化を日常的に愉しむ機会を増やすことで、オーストラリア国内における日本産食品・製品市場、インバウンド観光市場、芸術分野や文化交流の拡大に繋がり、新たな切り口で日本を訪れるきっかけとなるだろう。

3,000枚の前売りチケットはイベント開催1週間前に完売。当日入場客も合わせ、2日間で3,500人が訪れ大変盛況なイベントとなった。

イベント会場は2つの大きなエリアに分けられて開催された。

一つは昨年から継続して中心となる、日本酒を堪能できるエリアの「酒フェスティバル」だ。本イベントのために来豪出店した日本の酒蔵・酒造メーカーの各ブースで、日本酒を中心としたさまざまなタイプの日本の酒(リキュール・焼酎・ウイスキー・ジン、梅酒、ゆず酒などの果実酒など)200種類以上が試飲販売されたほか、日本の酒をより楽しむための酒器や、酒の肴に欠かせないフードも現地レストランから多数出品販売された。今年は日本酒のみならず、日本食や観光をはじめとした幅広い日本文化の伝達を目指して17歳以下の未成年も入場可とし、子どもから大人まで楽しめるよう多彩な企画が導入された。

それが、もう一つのエリアである江戸をテーマにした企画展示の「江戸デジタルアート展」だ。

「江戸文化」を総合テーマに、浮世絵、舞台芸能、生活文化、食文化、酒造りの歴史、伝統工芸、伝統ファッションなど歴史ある日本の魅力を巨大なデジタルスクリーンで演出し、特設ステージで日本伝統の文化芸能パフォーマーらによる華やかなパフォーマンス、ワークショップなどを披露することで、幅広い年代層が楽しめる企画となった。また、会場では日本の伝統工芸などの日本産製品の展示販売も展開された。オーストラリアにいながら日本の文化体験に触れながら、現代に残る江戸時代のさまざまな産業や文化が生まれた背景を知る人々の様子は、まるで「 現世を浮かれて楽しむ」という浮世絵の時代を蘇らせたようなにぎわいを見せた。


ステージパフォーマーの面々

イベント当日は、DJ Naruによる会場BGMを皮切りに、ステージではアメリカ人津軽三味線奏者「Kanzemi」による演奏後、在メルボルン日本国総領事館の島田順二総領事による挨拶(1日目のみ)があった。その後、メルボルンを中心に活動する「和太鼓りんどう」や殺陣・日本舞踊「凛派」、ミュージシャンの「Mizuki」、花と人間を融合させた新しいアート「Hananingen」による日本の魅力にあふれたパフォーマンスが会場を盛り上げた。

「江戸デジタルアート展」の巨大スクリーンにはさまざまな江戸にまつわる映像が映し出され、会場全体では東京の合羽橋に店を構える箸専門店の『はし藤』による箸作りワークショップや、「Australian Sake Awards」の審査員も務めた Simone Maynardによる酒セミナー、日本で初の外国人杜氏である『木下酒造』のPhilip Harperによる酒セミナーなどが催された。

老若男女かつ多国籍の人々が集まり、大盛況で幕を閉じたメルボルンの同イベントは、9月30日(土)と10月1日(日)、シドニーのカレッジワークスでも開催される。シドニーでは2日間で5,000人の集客を目指し、現在チケットが販売されている。

イベントを主催したJAMS.TV各担当者のコメント

取締役会長 鷲足博

「メルボルンには世界各国から移民が持ち込んだソウルフードが集まり、色彩豊かな食文化圏が形成されています。私どもJAMS.TVスタッフはシドニーと日本をベースにしており、今回はアウェイでの初開催と言えるイベントでしたが、第1回酒フェスティバルの3.5倍もの来場者を迎えることができ、弊社にとって大きな挑戦となりました。遠藤社長の楽観的な人柄に押され、現場の即興力あふれるスタッフに支えられ、とても楽しく、大きな事故もなく、無事イベントを終えることができて嬉しく思います。

来場者のみなさまには、私たちの酒フェスティバルに足を運んでいただき、熱心に盛り上げていただきました。その笑顔と楽しい雰囲気が私どもの努力の報酬となり、イベントの成功へと結びついたことを感謝いたします。

蔵元と出展者の方々には素晴らしいお酒や品々を持ち寄っていただき、私どもの酒フェスティバルに“ニッポン独自の魅力”を与えていただきました。多様なお酒のバラエティがあってこそのイベントであり、皆さんの協力がなければ成し得なかったことを心から感謝しています。また、ステージパフォーマーの方々には、素晴らしい演技やパフォーマンスで来場者を楽しませていただきました。和太鼓をはじめ、和装と美しい花々で髪を飾るファッションショーや数々のエンターテインメントがイベントの雰囲気を一層盛り上げ、思い出に残る素晴らしい時間を提供してくださいました。そして、会場スタッフやPA、MCさんなど裏方の努力は、スムーズな進行と心地よい空間を創り出し、魅力的な場としてのイベントの完成度を高め、円滑な運営に欠かせないものでした。

最後になりますが、本イベントの成功は地元メルボルンベースの長谷川潤さん、黒川豪人さん、そして彼らが率いるチームメンバーのみなさまのご支援とご協力抜きには決して成し得ませんでした。改めまして、心よりお礼申し上げます。今後も素晴らしい酒フェスティバルを持続的に提供できるよう、好奇心と柔軟性、冒険心を持ちながらみなさまと共に成長し、より多くの人々に喜んでいただけるイベントを実現していくことをお約束いたします。」

取締役社長 遠藤烈士

「前回と比較して『メルボルンでの開催、2日間での開催、3,500人の集客イベント開催』という3つの大きな初挑戦がありましたが、無事に大きな事故もなく終えることができました。ご協力いただいた出展者、出演者、スタッフのみなさま、本当にありがとうございました。メルボルンはシドニーと同等の大きな日本酒市場を持っていながら、シドニーとはまた違った市場形成がされており、今後も独自に展開していくであろう非常に興味深い街。これからもメルボルンならではイベントを企画していきたいと考えています。

出展者や出演者の中には日本やシドニーの方も多く参加され、そのご家族やご友人、会社関係者などさまざまな方々が当人を裏で支えておられました。本当に多くの方が関わり、そして大きな期待を寄せているイベントであることは大変光栄で嬉しくもあり、同時に責任の大きさを感じ、背筋が伸びる思いでした。主催者として、しっかりと安全にイベントを実施すること、十分な集客で出展者や出演者のみなさまの成果につながるようサポートすること、来場者のみなさまに楽しんでいただき日本のファンを獲得すること。この3つを責任持って全うすることが主催者としての責務であり、我々の役割だと理解しました。

『日本酒を広めるためには何をすれば良いのか?』この問いに答えるためにスタートしたイベントです。来場者のみなさまに楽しみながら日本酒を知っていただき、日本を好きになっていただき、イベント閉幕後もまた日本酒を買いたいと思っていただきたい。そのためにはシンプルに試飲を提供するだけでは不十分で、強く印象に残るようなものにする必要があります。今後もさまざまな仕掛けやインパクトあふれるイベント運営を心がけ、継続して開催を目指して参りたいと思います。

ご協力いただける方、企業様、コンテンツ提供者は常に募集しております。ぜひ一緒にカッコいいイベントを作りましょう! いつでも私どもにお声がけください。ご連絡をお待ちしております。」

江戸デジタル展エリア担当 小西えりこ

「今回は『酒フェスティバル×江戸デジタル展』という初の試みでしたが、お酒好きな方々のみならず、お酒を飲まなくても日本文化に興味がある方にも魅力的なポテンシャルのある展示ブースになりました。LEDスクリーンでの江戸時代での映像だけでなく日本酒セミナーも開催し、多くの方に興味を持っていいただけるセクションで、まだまだ伸び代のある分野だと思います。

今年のメルボルンの観客層は、昨年のシドニーとはまた違ってとても興味深かったです。オーストラリア人の方々はもちろん、学生やアートに興味のある方なども観客層に多くみられて、シドニーとは別の日豪の友好関係の可能性を感じました。江戸デジタル展の隣のブースに『はし藤』様の販売/ワークショップがありましたが、どちらも2日間ともに大盛況だったのがとても印象的でした。

私は設営担当だったため、出展者様からの声を直接聞く機会はありませんでしたが、無事に安全に機材の設営ができ、本当によかったです。また、備品の準備を間に合わせ、当日対応していただいた社内スタッフには感謝の気持ちでいっぱいです。当日の運営スケジュールについては色々と改善点もありますが、イベントが始まるともう自然に転がっていく感じで、会場内、セキュリティ、コントラクター、メディアの各担当者、来場者、そしてボランティアの方々からのポジティブな声をお聞きし、オーストラリア国内での酒フェスティバル自体の将来性を強く感じました。」

受付担当 臼井佑季

「カップルや友達同士などグループで来場されている方に加え、お一人でいらっしゃった方も想像以上に多く驚きました。年齢構成もバラバラで、若年層からシニア層まで幅広い方々に日本酒が受け入れられているんだなと嬉しかったです。文化体験、歴史、ポップカルチャーや食文化などさまざまな要素が詰まったイベントでしたので、日本酒を味わうだけでなく日本の文化やグルメを身近に体験することで親近感を育み、多様な日本の魅力に触れていただけたのではと思います。

両日とも受付を担当しましたが、来場者の方が帰られる際に『Arigato!Sayonara!』と日本語で声をかけると、皆さんが笑顔で手を振ってくださったことが印象的です。充実したひとときを過ごしてもらえたのではないかと思います。中には『日本酒がこんなにも奥深いなんて知らなかった!』や『来年も開催してくれるよね?』と本イベントでの発見や来年の開催をもう待ち望んでいてくれる方もいらしてほっこりしました。」

受付担当 内田嘉子

「来場者の年齢層に大きな偏りがなく、予想していたよりも幅広い世代に日本酒が愛されていることに驚きました。日本の製品や食品、お酒、文化に実際に触れて楽しめることで他にはない体験をしていただき、お互いの文化に対する理解が深まったと思います。

出展者様から『出展して本当に良かった』と満足の声もたくさん頂戴しており、日本の企業様に対してはオーストラリアという国と市場の魅力を、オーストラリアの方々に対しては日本の文化や製品の魅力を、たくさん伝えることができた嬉しさが印象に残っています。とても良いイベントだと感じました。」

パフォーマンスステージ担当 佐々木里香

「日本酒がメインとなるイベントではありましたが、ステージでパフォーマンスが始まると多くの観客のみなさまがステージ周辺に集まり、パフォーマンスを楽しんでいただけていることが目に見えて分かり、演出後にパフォーマーと写真を撮っている方も多くみられました。パフォーマンスで三味線、和太鼓、殺陣、邦楽、生け花などさまざまな面で日本文化を表現することができ、より多くの方々に食や酒以外の面でも日本に興味を持っていただくことができたのではないかと思います。

来場者以外にも会場のクイーンズ・ビクトリア・マーケットに訪れている人々までパフォーマンスの音声が聞こえ、何のイベントなのか、どこで入場チケットが購入できるのかと尋ねられ、来年は必ずチケットを購入するとおっしゃってくださる方もいました。」

パフォーマンスステージ・マーチャンダイズ担当 関根浩美

「ステージのMCを担当されたAriさんが、自前の浴衣を着て英語と日本語でのMCで盛り上げてくださり、ステージが盛り上がりました。華やかな『HANA NINGEN』のアートを施された振袖のモデルショーはもちろんのこと、会場内を練り歩くなかで写真を一緒に撮りたいと集まってくださる方や着物姿の方もいらっしゃり、来場者から日本文化への関心が伺えました。

マーチャンダイズでは日本らしい柄形のエコバッグを持参された方や『ありがとう』と声掛けしてくれる方もいらっしゃり、日本自体に興味関心がある方が多かったことを肌で感じました。『すみだ北斎美術館』のパンフレット、絵葉書などをマーチャンダイズに設置しておりましたが、江戸デジタルアート展のスクリーンと隣接していたことも影響してなのか、全体を俯瞰して浮世絵、日本のアートへの関心が高いことも感じられました。ステージでも日本の伝統的なパフォーマンスは非常に盛り上がり、酒・食・文化を全体的に味わい、楽しんでいる方が多いことが垣間見られ、来場者の方々の笑顔がとても印象に残っています。

本イベントはメルボルンでの初開催ということもあり、市民の方々へ新たな日本の酒・食・文化体験の場を提供することができ、実際に目で見て味わうことによりさまざまな角度からの興味を刺激することができたのではないかと思います。来年に向けた期待やワクワク感を感じていただけていると嬉しく思います。」

イベント来場客の方々の様子




会場内の日本酒、日本食の提供関係者の方々







全ての写真:Sayu Matsunaga

イベントの様子(公式動画)

動画制作:Maiko Videography

Bohemian Rhapsody Weekly Magazine 様

Sanja Mihajlovic 様

投稿 メルボルンで酒フェスティバル&江戸デジタルアート展が開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>
日本酒「獺祭」の試飲会がシドニーで開催 https://www.jams.tv/japanese-community/234169 Wed, 29 Mar 2023 23:47:59 +0000 https://www.jams.tv/?p=234169 オーストラリア国内で日本酒「獺祭(だっさい)」の認知度拡大を目的とした試飲会が、3月25日、シドニーにあるイベントスペースのCreator Unionと日本食レストランのRei Izakayaで、2部構成で開催された。 […]

投稿 日本酒「獺祭」の試飲会がシドニーで開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

オーストラリア国内で日本酒「獺祭(だっさい)」の認知度拡大を目的とした試飲会が、3月25日、シドニーにあるイベントスペースのCreator Unionと日本食レストランのRei Izakayaで、2部構成で開催された。

「獺祭」は山口県岩国市の酒蔵、旭酒造が造る日本酒の銘柄。通常の酒蔵は複数の銘柄を持つのが一般的なところ、旭酒造では「獺祭」一本に絞り、日本酒の中で最も品質が良いとされる純米大吟醸仕込みの商品のみ、使用する原材料は酒米の王様と呼ばれる「山田錦」と徹底したクオリティの地酒を造り続けている。

全国の地酒の中でも指折りの飲みやすさ、酒質の綺麗さから、今やその名声は日本に留まらない旭酒造の「獺祭」だが、より大きな市場を求めて山口県から東京のみならずニューヨークへの進出を果たすなど、現在は売上全体の6割が国内市場、4割が海外市場となっている。将来的には海外市場での売上9割を目指し、今回のオーストラリアでの試飲会に踏み切った。

昼の部のメディア&インフルエンサー向け試飲会では、主にオーストラリア現地の中国系メディア、インフルエンサーら約40名を招き、「獺祭」の由来や歴史、酒造り、企業信念を紹介後、「獺祭」ブランドのうち「純米大吟醸 磨き二割三部」、「純米大吟醸 磨き三割九部」、「純米大吟醸45」の3種が参加者に振る舞われた。

夜の部の一般客向け試飲会では、会場をRei Izakayaに移し、同店を訪れた一般客に前述の「獺祭」3種を無料で試飲提供した。同店は今年2月にオープンしたばかりの居酒屋で、焼き鳥やおでんを中心としたさまざまな日本食を味わえる。「来店客に日本の居酒屋体験をしてもらいたい」という同店オーナーの願いのもと、当日は100名以上の来店客が日本酒と合うおつまみとともに「獺祭」の味わいを楽しんだ。


写真・向かって左から2番目:旭酒造営業部(輸出担当/Export Department)の山森健成さん

「酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を求めて」

「酔えばいい、売れればいい酒ではなく、おいしい酒・楽しむ酒」を信念とする旭酒造。「酒のある楽しい生活」を提案する酒蔵でもありたいと、生活の中にある一つの道具として楽しめるような日本酒を目指して「獺祭」を醸しているという。酒造りも杜氏だけに頼らず社員全員で進めていくため、社員ひとりひとりが酒造りの匠と言える。

現状を良しとするのではなく、毎年さらなる試行錯誤を繰り返し、研鑽を積み重ねながら酒造りの変革に取り組む中で、誰が飲んでもすぐに「良い酒」だということがわかる、表面的な美味しさから内面的にもさまざま味わえる奥深い美味しさを求めて企業努力を怠らない。山口県の奥にある小さな酒蔵から大都市の東京やニューヨークへ進出していくことも、「品質にこだわりぬいて造ったお酒だからこそ、少しでも多くの人に知ってもらいたい」という熱意のかたちだ。

今回のシドニーでの試飲会を担当した旭酒造営業部(輸出担当/Export Department)の山森健成さんは、オーストラリアに住む人々に向けて旭酒造一同が抱く思いを語った。

「『獺祭』という銘柄の認知が広がるにつれ、日本の伝統を一刷して造っているのではないか、売るために機械で大量生産しているのではないか、と誤解されがちですが、社員一同ですべて手作りして、どうすればこのお酒をもっと美味しく、美味しいかたちのまま皆さんに届けられるのかを一つ一つ考えながら、皆さんが求めるお酒を造りたい一心で精進する日々です。

今回のオーストラリアでのイベントも、普段リーチできない方々に『獺祭』はこんなに美味しい日本酒なんだと実際に味わって知ってもらいたい思いがあるからこそ。酔うため、売るための酒ではなく、味わう酒を多くの人に楽しんでもらうため、今後も色々なところで試飲の機会をつくっていきたいと考えております」

投稿 日本酒「獺祭」の試飲会がシドニーで開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>
鹿島アントラーズユースがシドニーでの強化試合に来豪 https://www.jams.tv/entertainment/233983 Thu, 23 Mar 2023 22:20:26 +0000 https://www.jams.tv/?p=233983 ©︎Mate FC 2023年3月5日から12日まで、鹿島アントラーズの選手育成組織であるアカデミーに所属する選抜チームが、修学旅行を兼ねたサッカー強化の遠征で渡豪、シドニーを拠点とするユース2チームとキャンベラを拠点と […]

投稿 鹿島アントラーズユースがシドニーでの強化試合に来豪JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

©︎Mate FC

2023年3月5日から12日まで、鹿島アントラーズの選手育成組織であるアカデミーに所属する選抜チームが、修学旅行を兼ねたサッカー強化の遠征で渡豪、シドニーを拠点とするユース2チームとキャンベラを拠点とするNPL1チームとの強化試合を行った。

鹿島アントラーズは、日本の茨城県をホームタウンとするJリーグに加盟するプロサッカークラブ。Jリーグ創設当初からのチーム、オリジナル10の1つとして名を馳せ、通算獲得タイトルは20(J1リーグ8回、Jリーグカップ6回、天皇杯5回、AFCチャンピオンズリーグ1回)と、国内クラブで最多の獲得数を誇る。また、クラブワールドカップでは国内クラブ最高成績となる準優勝も記録している強豪だ。

今回渡豪した鹿島アントラーズのアカデミー生は、16歳から17歳までの年代に当たる「ユース」の選抜チーム。鹿島アントラーズユースはアカデミーの最終カテゴリーで、鹿島、ノルテ(日立)、つくばの県内3拠点で活動しているジュニアユース出身の選手を中心に結成されている。 鹿島アントラーズは、この中から1人でも多くの選手がトップチームに昇格することを目指し、クラブ全体でのバックアップ体制を取っている。


©︎Mate FC

鹿島アントラーズユースは、3月7日にSydney FC U-20と、8日にWestern Sydney Wanderers U-20と、11日にはGungahlin United FC(NPL Canberra)と対戦。

ユースチームの選手たちの細かな技術や固い組織力が光り、対してシドニーのチームはいずれも恵まれたフィジカルや鍛え抜かれたスピードでユースチームを苦しめる場面が多々あった。3試合ともに双方の特長を出しきった有意義なもので、面白い試合運びが展開された。

全試合を通してのMVPには、鹿島アントラーズユースの14番でキャプテンの小倉幸成選手が見事輝いた。

日本トップレベルと言われる鹿島アントラーズユースの選抜チームと、オーストラリアのシドニーで同じくトップレベルの実力を誇るアカデミーチームは、試合外でもコミュニケーションを取り和やかに交流を深めた。

また、オフの日には日本にルーツを持つシドニーのMate FCサッカースクールや、シドニー日本人国際学校(Sydney Japanese International School)の子どもたちとの交流を通して、さまざまなオーストラリアの文化に触れていた。「シドニー当地の子どもたちも、日本のプロスポーツ選手の卵やW杯経験者であるコーチ陣を身近に感じることで、スポーツの素晴らしさと経験を知るよい機会となった」と、Mate FCの田代有三代表は語った。

鹿島アントラーズユースの試合日程


©︎Mate FC

  • 3月7日(火)
    【対戦相手】Sydney FC U-20
    【試合会場】Macquarie University Sports Fields

    【試合結果】1−1 引き分け(前半0−0、後半1−1)
    【得点者】徳田
  • 3月8日(水)
    【対戦相手】Western Sydney Wanderers U-20
    【試合会場】Wanderers Football Park

    【試合結果】4−4 引き分け(前半2−3、後半2−1)
    【得点者】三沢×2、平山、馬目
  • 3月11日(土)
    【対戦相手】Gungahlin United FC(NPL Canberra)
    【試合会場】Valentine Sports Park

    【試合結果】5−2 勝利(前半2−2、後半3−0)
    【得点者】馬目、小倉、池田×2、島田

シドニー強化試合の総括


©︎Mate FC

鹿島アントラーズユースの柳沢敦監督
「オーストラリアのサッカーと文化を含めて、国際経験を積んでほしいという目的でシドニーに修学旅行をした結果、みな素晴らしい経験を積めました。選手たちは、日本には中々いない体格の選手と試合をすることにより、世界を感じることができたと思います」

キャプテンの小倉選手
「1対1やフィジカル面での強さ、日本とのサッカーの違いを感じ取ることができました。日本のJリーグで活躍して世界でサッカーをするのが目標なので、自分にとっていい経験になりました」

Mate FCの田代有三代表
「Mate FCは地元向けのサッカースクールですが、今回の鹿島アントラーズユースとの強化試合や、以前のW杯日本代表による練習見学など、日本のサッカーチームが来訪した際に積極的に交流をすることで、日本とオーストラリアをスポーツでつなぐことができるように努力していきたいと思います。また、今後もスポーツの素晴らしさを子どもたちに伝え、Mate FCだからこそできる経験を増やしてあげたいです。もちろん、Mate FCというクラブを常に大会に参加できるようなチームにもしていきたいと考えています」

投稿 鹿島アントラーズユースがシドニーでの強化試合に来豪JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>
シドニーでNSW州女性の社会功績を称える授賞式が開催 https://www.jams.tv/business/233685 Thu, 16 Mar 2023 00:41:04 +0000 https://www.jams.tv/?p=233685 ©Resilience Together Association Inc. 2023年3月8日の国際女性デーに、NSW州の産業、地域、社会に多様な貢献をした女性に光を当てる「NSW Women’s Contr […]

投稿 シドニーでNSW州女性の社会功績を称える授賞式が開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>

©Resilience Together Association Inc.

2023年3月8日の国際女性デーに、NSW州の産業、地域、社会に多様な貢献をした女性に光を当てる「NSW Women’s Contribution Awards(以下NWCA)」の授賞式が、シドニーのSt Leonardsで開催された。

本賞は多文化コミュニティにおける女性のロールモデルに光を当てることを目的とし、ファイナリストに15名が選出された。いずれもNSW州の職場や地域ボランティアの場で、さまざまなアプローチから支援活動に尽力することで社会に貢献した女性たちだ。授賞式には120名以上が出席し、国会議員や市長を含む政府関係者によって授与された。また、NSW州内のコミュニティで、オーストラリアに住む女性の健康、メンタルヘルス、家庭内暴力、移住、生死に関わるような困難に直面した際にレジリエンスを高めるための支援活動の紹介や指導も行われた。

当日の様子はTVB Australia、Today Sydney、JAMS.TV、New Impressions Mediaでのライブストリーミングなど多くのメディアで紹介され、のべ8,400人以上のオンラインオーディエンスが視聴する結果となり、各女性候補者のポジティブな社会の改革と貢献、人々の健康的な人生を促進するために尽力した姿にオーディエンスからは感動が示された。

来賓やプレゼンターには、オーストラリア貿易促進庁のDaniel Tebbutt氏、WilloughbyのTanya Taylor市長とTim James議員とJam Xia議員、Ku-ring-gaiのBarbara Ward副市長、NewtownのJenny Leong議員、RydeのPenny Pedersen議員、Haymarket商工会議所会のVincent Lim会長、オーストラリア国家教育グループ理事でオーストラリア福建省協会会長のJosephine Lam氏、中国オーストラリアフォーラム協会のSimon Chan会長、オーストラリア女性連合協会のNancy Wang会長という錚々たる顔ぶれが並んだ。また、Bronnie Taylor女性大臣とNorth SydneyのKylea Tink議員から受賞者にビデオメッセージが贈られた。

「NSW Women’s Contribution Awards」について


授賞式に出席したファイナリストら、プレゼンター、主催 ©Resilience Together Association Inc.

NWCAの主催である「Resilience Together Association Inc(以下RTAI)」は、NSW州を拠点とする非営利団体で、特に文化的・言語的に多様な背景を持つ人々(以下CALD)のために個人・コミュニティ・環境のレジリエンスを強化するというビジョンを掲げて活動している。

このRTAIが、女性の産業、地域、社会への多様な貢献に光を当てる「NSW Women’s Week」の一環として、Women NSWと共同で開催しているのがNWCAである。本賞はNSW政府の2023年NSW女性週間補助金プログラムによって賄われている。

NWCAは、文化的・言語的に多様な背景を持つCALD出身の女性たちを祝福し、以下の各分野で貢献したことを称える。

  • 女性の健康をサポートする
  • 女性のレジリエンスを高める
  • 女性のエンパワメントを強化する
  • 女性の活躍を推進する

受賞者一覧

Supporting Women’s Health Award

  • Sue Velovski氏
    NSW州Northern Riversの一般外科専門医。がんや外傷に関連した手術を含む外科的サービスを提供しパンデミック以前からSBSラジオや地元のラジオ局を通じてマケドニア人コミュニティと関わり、健康や心身の健康についてアドバイスを提供。
  • Bibiana Chan氏
    「若者がライフスキルを学び、意義のある仕事を見つけるのを助ける」というビジョンを掲げる慈善団体の「Community Flower Studio (CFS)」の創設者。特にCALDのコミュニティにおいて、メンタルヘルスプログラムにアクセスする際のスティグマを取り除くことに貢献。

Building Women’s Resilience Award

  • Ann Emmanue氏
    Immigration Advice and Rights Centreの上級事務弁護士。弱い立場の人々に無料で法的アドバイスを提供するDomestic and Family Violence practice(DFV)を管理をし、DFVに直面する人々がオーストラリアの移民制度を利用できるように支援。彼らのニーズを擁護するために精力的に活動している。

Enhancing Women’s Empowerment Awards

  • Suet Koon Lai氏
    オーストラリア全土のCALDリーダーのエグゼクティブコーチ。オラクル、IAG、NAB、PwC、KPMGなど、さまざまな組織で文化的多様性に関する講演に招かれ、その卓越したストーリーテーリングスキルによる独自の視点が聴衆を常に刺激している。

Advancing Women’s Opportunity Award

  • Zepur Mouradian氏
    若い女性の文化認識グループや高齢者の社会支援プログラムを提供する「Armenian Community Welfare Centre」の役員としてボランティア活動を行う。過去10年間で何百人もの新しい移住者、女性、難民を支援し、彼らの就職活動の見通しを立ててトレーニングや指導を提供。

ファイナリスト會澤貴美代(あいざわきみよ)氏の功績


写真向かって左からSarah Lin主催、會澤貴美代氏、プレゼンターを務めたNewtownのJenny Leong議員とオーストラリア貿易促進庁のDaniel Tebbutt氏 ©Resilience Together Association Inc.

2023年のNWCAにおいて日本人で唯一ファイナリストに選ばれた會澤貴美代氏。オーストラリアに移住した日本人や学生にキャリアの機会を提供する「Women Can Fly Co」の創設者であり、 メディア、教育、イベントを通じて、文化的な知識や自己啓発のスキルを共有し、新しくオーストラリアに来た人々がすでにオーストラリアで生活している人々から歓迎されて関わることができるよう支援している。

會澤氏は、高校時代にニュージーランドへ短期留学したことをきっかけに、公益財団法人都市活力研究所にてライフサイエンス、起業家支援、オープンイノベーションおよびインバウンド関連の地元産業を活性化させることを目的とした、アカデミーやセミナーを運営。2018年より渡豪し、地元日系メディアで訪日外国人観光客を対象としたアウトバウンド事業を担当後、2019年に性別に関係なく個々が輝く未来を創造すべくシドニーで「Women Can Fly Co」を創業。2020年にはNSW州起業家としてFoundersprogramのThe Studio / Sydney Startup Hubとして選出され、翌年2021年には豪日協会の理事に就任されるなど、多岐にわたる活動を通して、日本人留学生が一つでも多くのキャリアアップの機会を得られるよう日々奮闘している。

今月1日にも、留学エージェント主催のオンラインセミナー講師として招かれ、人生プランをサポートする一環として英語圏でローカルの仕事を探す日本人学生を対象に、オーストラリアや海外で使える英語のレジュメの基本について指導している。

ファイナリストに選ばれた會澤氏からのコメント

「この度は、身に余る賞をいただき誠にありがとうございます。驚きや嬉しさと同時に背筋の伸びる思いでいっぱいです。今回賞を頂けたことで、過去3年半の決して平坦ではない道のりを振り返り、”貢献”というアワードに目頭が熱くなりました。

この3年半あきらめずに頑張れた理由は、ひとえに「誰か一人でも助かる人が、喜んでくれる人が、いるかもしれない」その一心でした。何が答えかわからず進み続けてきましたが、それでも“その一人”は何処かにいるかもしれないと、目の前のお客様、想像する未来の可能性だけを信じて愚直にやってきました。不器用過ぎて遠回りばかりをして、チームには迷惑をかけたと思います。

これまで私に貴重なご助言、ご指導をいただきました関係者様、お客様、ともに歩んだチームに、またこのような機会をくださったアワード関係者の皆様、心より感謝申し上げます。本当に何もなかった私を信じてチャンスをくださった皆様に喜んでいただけたら、私もとても嬉しいです。

世の中に「だったらこうしてみれば」と芽を育てる習慣が増えたら嬉しいなと切に願っています。そのように誰か一人でも前向きに進む力になれるよう、私も精進いたします」

授賞式に参加したJAMS.TV代表取締役からのコメント

「ファイナリストはみな女性として、女性の視点で、どうやって自分のいるコミュニティへ貢献をしているのかという、いわゆるビジネス規模や成功度合いを称えるものではなく、おそらく長い年月をかけて多大な時間を費やし、女性が抱えるさまざまな社会課題や精神的・身体的課題、活躍するための機会拡大に向き合ってきた方々であり、その功績を称えるための授賞式でした。

ファイナリストの紹介や会場でのスピーチから、それぞれが第一線で戦うプロフェッショナルであり、真剣にコミュニティと向き合っていることが垣間見え、刺激的であり感心しました。なにより、その場にいる全員がお互いを称え合い、常に感謝の念を忘れておらず、式典後もずっと談笑が絶えない空間で、ポジティブな気持ちで明日を迎えられる素晴らしい式でした。

そんな中、日本人女性が選ばれていたことには驚いたし、心からの賞賛を送りたいです。私は會澤さんがオーストラリアへの留学を決意する前から知っていて、渡航後もどんな活動をしてきたかも知っているので、嬉しさもひとしおです。

會澤貴美代さん、本当におめでとう。また、世の中の女性の皆さま、日々頑張っている皆さまもおめでとうございます。今までの頑張りを労いましょう」

「Women Can Fly Co」について

「個人が活躍する留学・輝く未来の選択肢を増やす」をモットーに、女性・個人が活躍する為に必要なスキル・機会を創出することで、自分で人生を切り開いていくことをサポートするプラットフォーム。すぐに活用できるスキルに着目し、これまでに海外留学支援プログラム、英語の履歴書講座・Linkedin講座、留学生向け企業職業見学セミナーなど、さまざまなワークショップ、オンラインコース、職場体験セミナーなどを開催している。

投稿 シドニーでNSW州女性の社会功績を称える授賞式が開催JAMS.TV に最初に表示されました。

]]>