メルボルンの医療システムは日本の病院と異なり、病気の症状ごとに診療科を選ぶのではなく、最初にGP(一般開業医)と呼ばれるクリニック(個人の診療所)やメディカルセンター(複数のGPが運営する診療機関)を予約して受診します。メルボルンのGPは歯科を除くさまざまな分野の医療知識があるので、軽症のケガや病気はGPで診察すれば解決できることが多いでしょう。
GPの診察だけで不十分な場合は、GPから専門医のいる専門病院へ、緊急の治療が必要な場合は手術や入院に対応している総合病院へ紹介されます。一般的に、メルボルンではGPの紹介状がないと専門医のいる病院の診察は受けることができません。また、大ケガや重篤な症状の場合、有料の救急車サービスで最寄りの総合病院へ直接搬送されます。
メルボルンでは医療保険によって、GPの診察料や専門医のいる病院での治療費の自己負担額が異なります。医療保険の中には救急車サービスを始め、歯科治療費やメガネ・コンタクトレンズ費用など適用外のものもあります。市民や永住権のためのメディケア(国民健康保険)や、留学生のための民間医療保険(OSHCを含む)、旅行者のための海外旅行傷害保険に分かれますが、医療保険の補償内容を確認しておくと安心です。
医療保険がキャッシュレス不対応の場合は、クレーム(保険金請求)時に診断書とレシートが必要です。医療保険の補償内容に処方薬も含まれている場合も、調剤薬局の処方箋のコピーとレシートが後々必要になることがあるので、メルボルンでは忘れずにしっかりと保管しておくことが大事です。
メルボルンには多くの医療機関がありますが、英語の医療用語や医療保険には理解の難しい部分もあります。そんな時は、メルボルンにある日本語対応のGPや専門医のいる病院を受診すると不安も和らぎます。
その他、ケガや病気の予防や慢性的な体調不良の改善として人気のフィジオセラピーや、海外生活の悩みや精神的な問題を相談できる心理カウンセリングにも、メルボルンでは医療保険の一部が適用されます。メルボルン生活の心身の健康維持に役立てましょう。