【キャンベラ12日AAP】 聖職者や教師などによる長年にわたる児童や女性への性的虐待などが次々と明らかにされる中、ギラード連邦首相は、問題対策のための王立審議会を設立することを議会に提案した。アボット野党党首も全面的支援を表明している。
首相が提案した審議会では、宗教団体や州単位の組織、学校やボーイスカウトなどの非営利団体、スポーツ団体などを対象に、児童や女性に対する虐待の調査や被害者に対する支援などを行う。
12日にVIC州議会で開かれた審問会では、虐待被害者の支援団体「In Good Faith」のラスト氏が具体的な虐待内容について話した。これによると、1990年代半ば、カソリック教会の司祭が公園で銃を持ち歩いていたことや、精神を患った既婚女性が病院に搬送された際に、病院の牧師がこの女性を強姦し、病棟へ送ったことなどが明らかにされた。他にも、ある司祭は女性の顔にナイフを突きつけながら強姦し、「誰かに話したらお前の顔をこのナイフで別のものにしてやる」と脅迫したという。
ギラード首相は、今回提案した王立審議会は特定の宗教をターゲットにしているわけではないことを強調。また、国内のカトリック団体は非常に協力的な態度を示していると話した。