【シドニー6日AAP】 年間最高潮位に達するキングタイド(king tide)と呼ばれる年二回の珍しい自然現象。今年12月14日にNSW州とTAS州をはじめ、2013年1月12日にQLD州など、今後、オーストラリア全土で相次ぐと予想されており、来年6月に1周期を迎える。
これを受けて、非政府組織グリーン・クロス(Green Cross)では、海面上昇の一般的な問題意識を高める事業の一環として、海面が大幅に上昇した状態を見せるキングタイドを撮影し、その写真をインターネットに投稿するよう海岸地区の住民に協力を呼びかけている。
2009年のキングタイドでNSW州北部海岸バリナと中部海岸ウォイ・ウォイ、ベイトマンズ・ベイ、カリントンの中心部に30センチから50センチまでの海水が流れ込んで撮影されたが、NSW州環境遺産省の海岸専門家によると、同様の現象が雨水や下水道管の閉塞によるものと誤解されることは少なくない。
環境変化の永久的な記録を残すこの事業に、NSW州とQLD州、TAS州における自治体40箇所が資金とデジタルサポートを提供しており、20年後以上に発生する可能性がある海面上昇の実態を記録する機会として、期待が寄せられている。