美容/健康

健康と美容に効果大!オリーブオイルで変わる私たちの身体と食卓

日本でも健康や美容に効果があると植物油が一躍ブームになったが、その先駆けとなったのがオリーブオイル。植物油の中には【健康や美容にベネフィット!オーストラリアで人気のオイルを紹介】の記事で紹介したアボカドオイルやココナッツオイルなどもあるが、日本人にも馴染みがあり家庭料理にも利用しやすいのはオリーブオイルだろう。

日本で唯一国際的なオリーブオイル品評会を主催する「OLIVE JAPAN」では毎年「OLIVE JAPAN 国際エキストラバージンオリーブオイルコンテスト」を開催し世界中のオリーブオイルの中から香味と食味を審査し発表している。オリーブオイルと言えば地中海地方発祥のため主にイタリア産やスペイン産のオリーブオイルが上位に入賞しているが、そんな中2017年度のコンテストでは3つのオーストラリア産オリーブオイルが金賞を受賞。

国民の健康意識が高くオーガニック商品も多いオーストラリアでは、オリーブオイルの種類が豊富で、手軽に使える安価なものからお土産に喜ばれそうな少し高価なものまで様々。なんとなく健康に良さそうだからとオリーブオイルを選ぶ人も少なくないだろうが、私たちの認識以上にオリーブオイルは現代人が抱える病気に効果を発揮する。

今回はブロガーのYuiがオリーブオイルについて「オリーブオイルの基礎知識」「オリーブオイルの種類と効果を高める摂取方法」「オリーブオイルの選び方と注意点」の3つに分けて徹底的に解説!

オリーブオイルの基礎知識

オリーブオイルを語る上で欠かせないのが「オレイン酸」「リノール酸」「ポリフェノール」です。オリーブオイルの成分はオレイン酸が約70%、リノール酸が約10%を占めます。この2つの脂肪酸とポリフェノールが体内で大きな効果を発揮し私たちの健康を手助けしてくれます。

実はオリーブオイルだけでなく様々な食品にこういった成分は含まれ、特にオレイン酸はその他の植物油や肉にも存在するのですが、オリーブオイルは家庭で簡単に取り入れやすいだけでなく菜食主義の人たちにも適しているため世界中で人気や関心が高いのです。

1.オレイン酸の2つの特徴

1つ目特徴は「血中の善玉コレステロール濃度を保ちつつ、悪玉コレステロールの濃度を下げる働きがある」という点です。悪玉コレステロールの増加と高血圧や肥満などその他の要因が複合的に重なることで動脈硬化を引き起こし、進行すると心筋症や脳卒中などの病気を引き起こす恐れがあるため濃度を下げる必要があります。

2つ目の特徴は「酸化されにくい」という点で、酸化が進むとがん、糖尿病、動脈硬化、脳疾患といった病気の原因になるため酸化され辛いオレイン酸を摂取することで三大疾病である、がん、心臓病、脳血管疾患や関節リュウマチを未然に防ぐ効果があり、生活習慣病への予防効果も期待されます。

オレイン酸の効果まとめ

①生活習慣の予防
体内の悪玉コレステロールを下げ、動脈硬化、心筋梗塞や高血圧の予防に効果的です。生活習慣病増加は世界的に問題視され日本人の死因でも上位になります。

②整腸作用
小腸で吸収されにくく食べたものと混ざって腸管内の滑りをよくすることで便秘の改善が期待できます。

③消化管疾患の予防
胃での滞在時間が動物油に比べ短く、胃酸の分泌を調整する働きがあるため消化管に負担をかけにくく胃もたれや胸焼けをすることが少なくなり、胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎、十二指腸潰瘍などの予防効果が期待できます。

④脳腫瘍の予防
去年発表された研究でタンパク質を産生させることで脳内の腫瘍が増殖するのを防ぐ働きがあることが発見され、脳腫瘍を予防することも明らかになりました。

2.リノール酸の特徴

大きな特徴は「総コレステロールの値と悪玉コレステロールの濃度を下げる働きがある」点で、適量のリノール酸を摂取することで心疾患の予防効果が期待できます。また、リノール酸は体内で生成されないため食事から摂取する必要があり、オリーブオイルをはじめとした植物性油から摂取することが推奨されています。

リノール酸の効果まとめ

心筋梗塞など心疾患の予防
動物油を摂取する人に比べ植物油を摂取している人の方が心疾患の発症が少ないと言われています。

3.ポリフェノールの特徴

一言にポリフェノールと言っても地球上に約5000種類存在しそれぞれ効能が変わります。オリーブオイルに含まれるポリフェノールはコラーゲンの生成を促進し主に肌や、アルツハイマーに効果を発揮します。動物の体内には存在せず植物からのみ摂取することができるのも特徴です。

 ポリフェノールの効果まとめ

①肌のアンチエイジング・肌の老化予防
オリーブオイルに含まれる一価不飽和脂肪酸やポリフェノールが人の遺伝子に影響し肌のアンチエイジングへの効果が明らかにされました。美白、シミ、くすみ、肌のハリなどに効果があります。また、フランスで男女を対象に行った調査では日々の食生活にオリーブオイルを取り入れている人は紫外線による肌の老化が著しく少なく、摂取量が最も少なかった人たちは紫外線による肌の老化が見られたそうです。

②がん予防
エクストラバージンオリーブオイルから抽出される強力なポリフェノールががん細胞を死滅させる効果が明らかにされました。

③アルツハイマーの予防
ポリフェノールとそれ以外の成分が記憶力維持に効果があり、摂取することでオリーブオイルに含まれる成分が脳の炎症を抑えたんぱく質を分解する機能を活性化しアルツハイマーを予防すると言われています。

オリーブオイルの種類と効果を高める摂取方法

オリーブオイルは「エクストラバージンオリーブオイル」「ピュアオリーブオイル」「精製オリーブオイル」の3種類に分けられます。3つの大きな違いはオリーブオイルの新鮮さを表す指標の一つである酸度です。酸度の数値が低いほど先ほどあげた健康や美容にたいする効果が高いオイルとされます。

1.エクストラバージンオリーブオイル

エクストラバージンオリーブオイルとは化学的な処理を一切せずに、オリーブの果汁をろ過しただけの天然のオリーブオイルのことで、酸度が0.8%以下のものを示します。

おすすめの摂取方法

熱に弱く加熱すると酸化が進み風味も落ちてしまうためサラダなどにドレッシングとして使用するのが適しています。より健康や美容面の効果を得るためにはエクストラバージンオイルを生のまま摂取しましょう。このように調理せず直接摂取する場合は大さじ2杯程度が適量です。

2.オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)

ピュアオリーブオイルとはエクストラバージンオリーブオイルと精製オリーブオイルを混ぜ合わせたもので、酸度は1.0%に調整されたものを示します。一般的にスーパーマーケットで売られているものはこのオリーブオイルが多いです。

おすすめの摂取方法

熱に強いことが最大の特徴なのでパスタや炒め物など加熱する料理に使用するのが適しています。

3.精製オリーブオイル

精製オリーブオイルとは科学的に還元されたオリーブオイルで基本的には料理や食品には使うことができませんが、精製し調理などに使えるように人工的に色や味が調整され、酸度が0.3%で調整されたものを示します。市場にはそれほど出回っておらず主に工場で使われています。

オリーブオイルの選び方と注意点

エクストラバージンオリーブオイルと書かれていてもそれだけでは効果の高いオイルとは言えません。コールドプレス(低温圧搾法)であることを確認し、できればオーガニックのものを選びましょう。

エクストラバージンオリーブオイルは繊細なため蛍光灯の光でも酸化が進むと言われています。プラスチック容器に入ったものはガラス瓶のものに比べて値段が比較的安く軽くて使いやすいですが、プラスチックの容器は酸素を通しやすいことが難点です。酸化防止のためオリーブオイルの容器は必ず光を通しにくい濃い緑色のもので、酸素を通しにくいガラス瓶のものを選ぶようにしましょう。

オリーブオイルは酸化しづらいと言われていますが、生の食品なので全く酸化しないわけではありません。開封後6か月から1年以内で使用しましょう。

 

JAMS.TV公式ブロガー:Yui
日本では大学病院で看護師として消化器外科に勤務。学生時代より興味があった栄養学・予防医学をより深く知るため、その分野において先進的なオーストラリアに渡る。現在はシドニーでアシスタントナースとして働く傍ら、スーパーマーケットやカフェを巡り、オーストラリアの食文化を探求中。オーストラリアの大学で栄養学を学ぶため、日々英語に仕事に栄養学にと奮闘中!

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