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日本でもオーストラリアでも買える野菜の「タマネギ」。一見、大した栄養がないようにも見えますが(タマネギに大変失礼な言い方)、タマネギは他の野菜が対抗できないほど栄養たっぷり! 特に、女性なら知っておきたい夏の紫外線対策にも効果を発揮します。
そんな栄養たっぷりのタマネギを解説する前にちょっとした雑学クイズ!
血液をサラサラにしてくれる力を持つタマネギ、その効果を高める切り方は「(A)縦」、「(B)横」のどちらでしょうか。
正解は……、「(B)の横に切る!」
タマネギの繊維は縦向きなので、繊維を壊しながら横向きに切ることで、有効成分の「塩化アリル」が増加するんです。「え? 塩化アリル? なんだそれ?」となったアナタ、ご安心ください。本文で分かりやすく解説していきます。
あ、申し遅れましたが、JAMS.TV公式ブロカーのKenです。日本で栄養士養成校を卒業し、栄養士として培った経験や知識を使って、オーストラリアに住むアナタの生活や健康にちょっと役立つ情報を発信していきます!
第1回目はスーパーに行くと必ず見かける野菜「タマネギ」を解説します♪
タマネギにはいろいろな成分が含まれていますが、その中でも「硫化アリル(アリシン)」「フラクトオリゴ糖(ブドウ糖、果糖、ショ糖など)」「アントシアニン」といった成分が以下のような、現代人のお悩みを予防・回復するチカラを持っています。
硫化アリルに含まれる「アリシン」は、他の食材に含まれるビタミンB1と結合すると「疲労回復」や「血糖値の上昇を抑制」に効果を発揮します。消化吸収を促進させて体内に長くとどまるため、他の野菜と比べて疲労回復効果を持続させることができるのも特徴です。
糖質の分解と吸収を促進させるとともに、体内のビタミンB6と結合してインスリンの分泌を助け「血糖値を下げる」効果もあります。アルコールの過剰摂取や運動不足により引き起こされる「糖尿病の予防」にも役立ちますよ。
また、強力な「抗血栓効果」や「コレステロールの抑制効果」もあり、動脈硬化を予防して血液をサラサラに。血液の流れをスムーズにすることは、「脳梗塞や心筋梗塞といった疾患の予防」に効果的。コレステロール値の気になる方は、タマネギやにんにく、ネギなどのアリシンが多く含まれる食品を積極的に摂取することをおすすめします。
硫化アリルの主要成分であるアリシンは過熱に弱いのですが、油で調理することで分解されにくい状態になるため「炒め物」が最適の調理方法です。にんにくやネギはそのままの状態よりも、「潰す、刻む、すりおろす」方が栄養価アップ。刻んだり潰したりすると強烈な臭いが発生しますが、実はこのニオイがアリシンによるものなんです。
※身体に良いとされる硫化アリルやアリシンですが、過剰摂取は胃腸内を傷付けてしまい、逆にお腹を壊す原因にもつながるので食べ過ぎには注意が必要です!
タマネギには甘み成分である「フラクトオリゴ糖(ブドウ糖、果糖、ショ糖など)」が含まれています。「フラクトオリゴ糖」は、善玉菌のエサとなり善玉菌を活発に動かす原動力になる「腸内環境を整えるチカラ」を持っています。
フライパンでタマネギを炒めた時に見られる黄金色への変化が、タマネギがもつ甘み成分。実はタマネギの甘みは野菜界の中でもトップクラスの甘さで、イチゴと肩を並べるほどの甘さをもっているんですよ! 甘味料でなく野菜そのものの甘みなので健康に良いとされています。野菜本来が持つ甘味で腸内環境を整えていきましょう。
ここまでで紹介した「アリチアミン」と「フラクトオリゴ糖」は、どのタマネギにも含まれていますが、「アントシアニン」はレッドオニオン(RED ONION)という品種に多く含まれています。品種はレッドオニオンですが、表面の色は紫色です。
このアントシアニンは、主にブルーベリーやナスなどの紫色や黒色の野菜・果物に多く含まれています。紫色ではないですが、リンゴの皮にも多く含まれています。
アントシアニンのもつ「抗酸化作用」は、紫外線をあびた時に体内で発生する活性酸素を除去する作用。活性酸素は、シミやシワ、細胞の老化、ガンなどの原因となるため、抗酸化作用のある食材を積極的にとって、オーストラリアの強い紫外線から身体を守っていきましょう。
さらに、アントシアニンに含まれる「ロドプシン」にはたんぱく質を再合成する働きがあり、長時間スマホやパソコンの画面を眺めることでおきる「ドライアイ」や「目の疲れ」に効果を発揮します。ついついスマホを使いすぎてしまう人は、アントシアニンを摂取すると良いでしょう。
さて、タマネギの栄養について解説しましたが、そんな栄養たっぷりのタマネギと相性の良い食事があるんです。それは……、日本人になじみの深い「豚の生姜焼き」です!
「え? 豚の生姜焼き?」そう思ったアナタ! 豚の生姜焼きは単純においしいだけでなく、食材同士の相性がとっても良いんです♪ 豚の生姜焼きにタマネギを追加して一緒に炒めて調理することで、より効率よく栄養を摂取することができます。
豚肉には「ビタミンB1」が多く含まれています。先ほどタマネギの成分で紹介したとおり、豚肉が持つビタミンB1とタマネギが持つアリシンが一緒になると、「疲労回復」や「血糖値の上昇を抑制」する効果を発揮します!
一般的に生姜を食べると身体が温まると言われますが、実はその解釈は半分正解で半分間違い。正確に言うと、暖かい生姜を食べると身体が温まり、冷たい生姜を食べると身体が冷えます。
生姜を加熱すると、生姜に含まれている「ジンゲロール」という成分が「ショウガオール」に変わり、体内の血流を増やし体の深部から熱を発生させるので、「長時間体を温める」効果があります。このショウガオールは生の生姜には含まれていないので、「体を体内から温める」「血液の循環を促進」「抗酸化作用」「冷え性の改善」など、体の中からぽかぽか温めたい人は、生姜を加熱して食べましょう!
生の生姜に含まれている成分のジンゲロールには「免疫力の向上」「殺菌作用」「ダイエット」「コレステロール値を下げる」「動脈硬化や脳梗塞の予防」などに効果的。皮膚に近い血管を広げ、体の深部ではなく表面を温めます。外気が冷たい時には、血管が冷やされ体内に戻るので余計に体が冷えた印象をもつことも。
タマネギや生姜は、Woolworth(ウールワース)やColes(コールス)といったオーストラリアの大手スーパーマーケットで簡単に手に入りますが、日本のスーパーマーケットでおなじみの薄切り肉やバラ肉は取り扱っていないところが多いと思います。
豚の生姜焼きに必要な豚のバラ肉は、日本食品を扱うお店の冷凍食品コーナーで手に入れることができます。
シドニーの場合は、セントラル駅からチャイナタウンへ向かう道中に「TONGLI SUPERMARKET(トングリ・スーパーマーケット)」というアジア系スーパーがあります。ここで豚のバラ肉を購入することができますので、足を運んでみてはいかがでしょうか。
最後に、質の良いタマネギの見分け方も伝授します!
オーストラリアでは山積みされた野菜の中から自分で選んで購入することがほとんどなので、自分の目と手で確かめながら、より質の良いタマネギを見つけましょう。
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