みなさんご存知の通り、オーストラリアは日本よりも紫外線が強いと言われています。とある情報サイトでは「オーストラリアの紫外線量は日本の5倍にもなる」と書かれていますが、この情報、果たして本当なのでしょうか?
オーストラリアでは、皮膚がんの一種である「メラノーマ(黒色腫)」の治療を受ける人が毎年11,500人以上いるそう。そんなオーストラリアで生活をする中で気を付けなければいけない「紫外線」について、今回はお話をしていきます。
だんだんと暖かくなり、夏に向かい出したオーストラリア。「急な外出で日焼け止めを塗れなかった」「ビーチで寝てたら想像以上に焼けてしまった」そんな体験をする人も少なくないのでは? 紫外線はシミ・そばかすの原因になるだけでなく、深刻な病気も引き起こす可能性があります。
「紫外線を浴びてしまった……」と感じたら、アフターケアに効果的な野菜・果物を摂って、体内からケアしていきましょう♪
太陽からの日射は、波長により、「赤外線」「可視光線」「紫外線」に分けられます。「紫外線」の中でも、波長の長い方から「A・B・C」 と分けられていますが、Cは波長が短く地表には届かないため、私たちの身体に影響を及ぼすのは主に「AとB」。
本来、紫外線はオゾン層によって防がれていますが、オゾン層が破壊されオゾンホールが薄くなったり穴が開いたりすることで、地上において生物に有害な「紫外線(A・B)」が増加し、生物への悪影響が増大することが懸念されています。
地上に降り注ぐ紫外線の中で、約95%の割合をしめています。Bと比べるとエネルギーは弱いですが、浴び過ぎると「肌のハリ」や「弾力」を奪われてしまいます。
日焼けを引き起こす紫外線で、肌に「シミ」をつくり、「シワ」や「ソバカス」を発生させるだけでなく、「皮膚がん」や「白内障」の原因にもなります。
「紫外線(A・B)」の影響で「活性酸素」が体内で発生します。活性酸素は肌を酸化させ、そのまま放っておくとシミやソバカスなどを作りだし、最悪の場合、ガン細胞を作ることがあります。
また、強い酸化力を持った酸素なため、体内で過度に発生すると、脂質やたんぱく質、DNAなどに影響し、老化の原因になると言われています。
オーストラリア政府は、1980年代から紫外線による健康被害予防のために「サン・スマート(Sun Smart)」プログラムを導入しました。中でも特に力を入れているのが子どもへの紫外線予防指導。
『スリップ・スロップ・スラップ・ラップ(Slip, Slop, Slap, Wrap)』という、紫外線予防のために取るべき行動を示した合言葉で、子どもたちが屋外へ出る時に守るべきスローガンを掲げています。
このスローガンは主に子どもに向けられた政策ではありますが、子どもだけではなく大人の私たちにも同様の対策が必要だと言えます。2017年に公開され話題となった「THE GREATEST SHOWMAN」で主演を務めた、オーストラリア出身のハリウッド俳優ヒュー・ジャックマンは、これまで皮膚がん治療を3度受けています。
本人も「若いころに紫外線対策を怠っていたのが原因」と語っていて、今では紫外線対策に神経質なほど力を入れているそうです。ついつい日焼けしてしまう、または日焼け肌が好きな人も多いと思いますが、紫外線が原因で手術を受けている方がいるのも事実。紫外線から身を守ることがとても大切なんです。
オーストラリア政府は約40年前から、サン・スマート・プログラムを発足し、「紫外線から皮膚を守ろう!」ということを強く国民に呼びかけていますが、本当にオーストラリアの紫外線は強いのでしょうか?(ここからが本題……)。
紫外線についてあらゆる情報をネットで読んでみましたが、日本と比べて5~7倍という値だけが書かれているものがほとんど。確かにオーストラリアで生活していると、暑い夏の日差しは肌を刺すように感じることもありますが、紫外線量が5~7倍とは、ちょっとさすがに盛りすぎなのではないか……? と思い、調べてみました。
紫外線を浴びすぎると皮膚がんや白内障を引き起こす可能性があることと「オゾン層破壊」によって地上に到達する紫外線量が増加していることをうけ、世界保健機関WHOでは、「UVインデックス(UV指数)」を活用した紫外線対策の実施を推奨しています。
UVインデックスとは、紫外線が人体に及ぼす影響の度合いを分かりやすく示すために、紫外線の強さを指標化したものです。
■10+極端に強い/8~10非常に強い
日中の外出はできるだけ避け、外出時には長そでシャツ、日焼け止め、帽子が必須。
■6~7強い/3~5中程度
日中はできるだけ日陰を利用し、外出時にはできる限り長そでシャツ、日焼け止め、帽子を利用。
■1~2弱い
安心して屋外で過ごせる。
上記の数値を参考にしながら、下記のシドニーと東京のUVインデックスを比較してみましょう。赤い数字のところが紫外線が非常に強いといわれる範囲(8~10)です。
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | |
シドニー | 9 | 9 | 7 | 5 | 3 | 2 |
東京 | 2 | 4 | 5 | 8 | 9 | 9 |
7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
シドニー | 3 | 4 | 6 | 7 | 9 | 10 |
東京 | 10 | 9 | 7 | 4 | 2 | 2 |
この数値から見ると、オーストラリアの紫外線が日本の5倍強いと言われるのは「11月~2月までの期間(シドニーは夏、日本は冬)」のみ。
日本の春~夏の期間は、オーストラリアの夏場と同等の数値を記録。(さらに、日本の方が1カ月分オーストラリアよりも期間は長いという結果に……)。
シドニー以外の都市だとメルボルンでは2~9。赤道に近いダーウィンでは8~13という研究結果も出ています。また、シンガポールも日本の数値を上回る数字を出しているので、オーストラリアだけに関わらず、東南アジア諸国に海外旅行をする時や日本で夏を過ごす時もしっかりと紫外線対策する必要があるでしょう。
「なんだ、日本の紫外線とあんまりかわらないじゃん!」「特に紫外線対策しなくていいんだー!」と思ってはいけません。冒頭で説明したように、紫外線の影響によって肌が酸化しシミやそばかす、最悪の場合、ガン細胞を生成してしまう可能性があります。
そのため、紫外線の強い国にいる以上、日焼け止めや服装での予防はもちろんのこと、紫外線から受けたダメージをどう回復させていくのかが大切になります。
そこで今回は、体内から酸化した細胞をもとの細胞へ戻していくために必要なビタミンを3つもご紹介します! (やっと栄養士っぽいこと言えた……)
その3つのビタミンとは、「ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE」!
ビタミンAは動物の内臓に多く含まれていますが、内臓系の食品を自炊で食べようとするのはなかなかハードルが高いですよね。そこで、ビタミンAが多く含まれているにんじんやかぼちゃといった野菜を積極的に食べましょう。
にんじんに含まれているのはビタミンAではなく「βカロテン」というカロテノイドですが、このβカロテンは体内に吸収されるとビタミンAに変化するので、にんじんにはビタミンAが多いといえます。
また、調理する際にピーラーで人参の皮を取り除く人がいますが、実は皮回りに栄養素が豊富なため、よく水洗いし皮ごと調理するのがオススメです。
効果:目の健康維持/粘膜や皮膚の健康維持/生活習慣病予防
多くのビタミンCは水と熱に弱い性質を持っていますが、イモ類に含まれているビタミンCはでんぷんによって守られているため、水や熱にさらされても壊れづらい性質を持っています。
その他の野菜や果物は、ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、イチゴ、パイナップルなど。ビタミンCというとレモンのイメージが強いですが、実はレモンに含まれるビタミンCはそれほど多くありません。
※たばこを吸う人は、吸わない人と比べてビタミンCの消費が2倍なので、より多くのビタミンCを摂取する必要があります。
効果:免疫力を高める作用/抗酸化作用/コラーゲンの生成
ビタミンEは、強力な「抗酸化作用」を持っていることから「若返りのビタミン」とも言われています。ナッツ(種実類)に多く含まれています
※ナッツ類には種子油が多いため、取りすぎると中性脂肪を増やすことにつながるので注意。
効果:血行改善/老化防止/抗酸化作用/生活習慣病の予防
ビタミンAにはビタミンEとビタミンCの働きを持続させる効果があり、ビタミンEには、ビタミンAの酸化を防ぐ効果があります。ビタミンEは、他の抗酸化物質と一緒に摂ると相乗効果でチカラを発揮。特にビタミンCはビタミンEの抗酸化作用をより高める働きがあります。
と、言うとちょっと分かりづらいですが簡単な方法は、ビタミンA・C・Eを一緒に摂ることです。
ビタミンA・C・Eに含まれる抗酸化作用は、単に活性酸素を消す働きだけではなく美白効果も期待できるので積極的に摂っていきましょう。また、各ビタミンで紹介した野菜や果物は、オーストラリアで手ごろな価格で売られ、購入しやすいものばかりです。
※お店や季節によって価格は変動します。
日頃の食生活を通して、自分自身の身体を内側から見直し・ケアしていきましょう!
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