美容/健康

心に寄り添い悲しみから立ち上がるグリーフケアについて

大切な相手を亡くすことほど人生で辛いことはありません。しかし、それは人生において避けては通れないことでもあります。親しい人との死別は遺された人に大きな衝撃を与え、茫然自失の心持ちとなるでしょう。「これからの人生をどうやって生きていけばいいのか」「これからは誰が一緒に喜び、悲しみ、話し相手になってくれるのか」考えるだけでも絶望的な気持ちになるかもしれません。

そんなとき、その悲痛や戸惑いを支えてくれる人が周囲にいれば心強いのですが、オーストラリアの海外生活では日本の家族や友人のサポートも難しく、現地の人々の支えだけでは圧倒されそうな気持ちや、深い悲しみ、無力感や後悔の念などが拭えずに一人苦しむ方もいるかもしれません。一人きりでは対応しきれない喪失の気持ちが続いている場合、それに向き合うことと、そこからの立ち直りを考えるサポートの「グリーフケア」も考えてみましょう。

特に心身の異常が極めて酷く、日常生活が送れない状態であるのなら、心理療法や医療に頼ることは決して恥ずかしいことではありません。専門家によるグリーフカウンセリングを受けることで、遺された側と、遺された人を支える側、両者にとっても専門的な知識を持つカウンセラーが助けになることもあります。

シドニーの心理カウンセリングルームを20年以上運営し、オーストラリア在住の日本人のための心理カウンセリングの最前線を常に走ってきた「こころクリニック」では、日豪臨床経験30年以上のサイコロジストが一人一人の人生の物語に寄り添い、ストレスの多い状況下での現実調整の方法などをリラックスしながらじっくりと話し合います。マインドフルネスや認知療法、行動療法などを用いて自分の考え方との距離のとり方を学んでいき、日本人が海外生活において直面するストレスやトラブルなども改善していきます。

「こころクリニック」は現在シドニーの中心地、ワールドスクエアにあるビジネスセンターの45階で運営中。新型コロナウイルスのパンデミック状況下、オーストラリア全土の94%の心理カウンセリングがテレヘルスを導入していますが、2021年の年末まで、テレヘルス心理カウンセリングを含めた遠隔医療サービスにもメディケアや学生保険による保険カバーが適用されることが決定。クリニックまで行けない方やシドニー以外にお住まいの方も、遠隔の心理カウンセリングを受けることができます。

今回は、大切な人が亡くなったときに抱く悲しみを癒していくための過程「グリーフケア」の内容や、そのケアを必要とする時の心身の反応について、シドニーで「グリーフケア」にも対応する「こころクリニック」についてご紹介します。

グリーフケアとは

グリーフケアとは、悲しみの中にある人をサポートするケアのこと。この「グリーフ(grief)」は、死別などによる深い悲痛を意味する言葉です。最愛のパートナーや親しい友人、長く暮らしたペットなど、大切な相手を失い深い悲しみの中にある人を、専門プログラムを通じて支える取り組みのことを指します。

グリーフケアのプロセスや回復の時間は人それぞれ。傷ついた心は時間をかけて徐々に回復していくものですが、一度は落ち着いた感情がぶり返してしまう後戻りもあり、回復や後退を繰り返すケースが多いそう。特に、家族や社会の人々との関わりが母国よりも難しい海外生活では、喪失の悲痛を一人きりで抱え込んでしまう日本人も少なくありません。大切な相手を亡くしてグリーフを抱えることは、決して病気ではありませんが、それでも本人にとって非常に苦しい状態です。

日常生活での対処療法から集団でのワークショップ、専門家とのカウンセリング、病院での治療まで、さまざまな手法がありますが、大切な人を亡くした悲しみから立ち直るプロセスとして、自身の気持ちを整理すること、周囲から継続的なサポートを受けることを躊躇う必要はありません。深い悲しみから立ち直るためには、病院や専門のアドバイザーからグリーフケアを受けることも大切です。

オーストラリアでは、グリーフケアとして心理カウンセリングを利用するのも一般的。心理カウンセリング自体、日本のように「深刻な悩みを抱えている人が行くところ」といった抵抗を感じるイメージは一切ありません。グリーフケアを含む心理カウンセリングはオーストラリア人にとって身近な存在で、むしろ自分の悩みが深刻になる前に早めに相談するという、メンタルの健康維持のような位置づけであるとも言えます。

「自分だけの力ではどうにもならない」ほどの悲痛を感じている時、あるいは周りから自分がそういう状態にあると指摘された時には、グリーフケアの専門家に助けを求めることも、より良い回復のきっかけになるかもしれません。

グリーフケアが必要とされる主な反応

大切な人を亡くした悲しみは心身はもちろん、その行動や認知にもさまざまな反応をもたらします。以下のような反応を自覚している場合、周囲にサポートを求めるグリーフケアについて考えてみると良いかもしれません。

  • 心の反応
    ・深刻な罪責感に苛まれる
    ・死んだ方がマシと思ってしまう
    ・極度の絶望感に襲われる
    ・長期に及ぶ興奮やうつ状態が続いている
    ・制御できない怒りに囚われている
  • 身体の反応
    ・睡眠・呼吸障害がある
    ・常に疲労感がある
    ・頭痛・嘔吐・消化不良・動悸などの身体的愁訴がある
    ・故人と同じ症状が現れている
    ・胸を刺すような痛みや体重の激減がある
    ・薬物やアルコールに依存している
  • 行動や認知に現れる反応
    ・幻覚が見える
    ・注意力が低下している
    ・行動パターンを喪失している
    ・故人の行動を模倣している

また、死の様子を目撃してしまったり、故人と一緒に事故や災害にあったり、亡くなったことに直面したときの精神的ショックが非常に強いケースでは、PTSD(外傷後ストレス障害)の症状が表れることもあります。当時の記憶がしきりにフラッシュバックして日常生活が困難になってしまうような状態が1カ月以上続く場合、PTSDを疑う必要があります。

大切な相手を失った深い悲しみから立ち直るには、多くのプロセスと長い時間を必要とします。しかし、故人を偲び、悲しむことは自然な感情であり、新たな生きる力を得るためにも必要なこと。そうした今の自分の気持ちを受け入れられるように、複雑な気持ちを受け入れていくのが、グリーフケアの第一歩となります。

シドニーの心理カウンセリングルーム「こころクリニック」

心理カウンセリングのサイコロジストは、悩みを抱える人々が良い意思決定という形で行動できるようになることを援助してくれます。心理カウンセリングを受ける人は自分の状況や気持ちを話し、サイコロジストはそれを理解するために耳を傾けます。そのプロセスの中で、「わかってもらえた」「すっきりした」などの感覚と経験を得られること、そしてサイコロジストとの信頼関係の中で自分を客観視できるようになり、直面している問題に取り組めるようになることが心理カウンセリングの良いところ。

また、サイコロジストからの的確なサポートから自分の考え方や行動パターンを変えていったり、今後のストレスにどのように対処していくか、自分をどのようにマネジメントしていくか、といったことも習得していくことができます。このようなプロセスをサイコロジストと一緒に歩むことは、現状の問題の改善だけでなく、社会の中でその人があるがまま、美味しいものを食べた時のように楽しく明るい気持ちで、より良く生きることにもつながるでしょう。

このような心理カウンセリングの効果を生むためには、サイコロジストとの関係の質、用いる技法はとても重要なポイント。

「こころクリニック」のグリーフケア

グリーフケアには一般的に次のような4つのプロセスがあると言われています。

  1. 心の麻痺:それが本当に起こったということが、どこか実感できない。
  2. 探索と切望:探しまわり、亡くなった人や状況のことばかり考え、高い覚醒状態で怒る。
  3. 混乱と絶望:失ったものが取り戻せないことを確認して、うつ症状が続く。
  4. 回復と再編:アイデンティティ、外界把握の見直しと再編。変化を受け入れ活力が戻り、社会性が向上する。

このプロセスは一つ一つ進むものではなく、いくつか同時進行したり、前進したり後退したりしながら少しずつ進んでいくそう。このプロセスの進展に共感的な理解で伴走するのが、グリーフカウンセリングです。

「こころクリニック」の心理カウンセリングを担当するサイコロジストは、20年以上に及ぶ長い心理臨床活動の中で、グリーフカウンセリングの経験も豊富。グリーフを経験している方の中には「取り乱したところを見せて情けない。付き合わせるのも大変」と気にする方も少なくないそうですが、人生において大きな困難があった時、それを乗り越えて少しずつ前に進んでいこうとするプロセスに立ち会えるのは、サイコロジストとしては光栄なことなのだとか。

長い人生であるほど誰もが避けられないグリーフ。最愛の相手を失って深い悲しみを抱える人々に寄り添い、支えて、立ち直ることができるように全力でサポートしていくのが、「こころクリニック」のグリーフカウンセリングです。

「こころクリニック」担当サイコロジスト(臨床心理士)

「こころクリニック」には、日本とオーストラリアの両国の臨床心理士の資格と経験がある、経験の長い日本人開業サイコロジストやのしおりさんが在籍。Australian Psychological Societyの正会員歴20年以上、臨床経験は30年以上、シドニーの心理カウンセリングルームも20年以上運営しています。

オーストラリアのクリニックで心理カウンセリングや心理療法が可能な職種には、サイコロジスト、サイコセラピスト、カウンセラー、ソーシャルワーカーがありますが、その中でもソーシャルワーカーと並ぶ「医療資格」であり、心理カウンセリングと心理療法を専門とする職種が、サイコロジスト。

医療資格がなく学会員メンバーシップのみで働くカウンセラーやサイコセラピストよりも、サイコロジストの修業年数はさらに長く、その信頼性と専門性は医療保険カバーの範囲にも現れ、サイコロジストはGPの紹介があれば、ほとんどの保険で費用がカバー可能に。

心理カウンセリングの効果は実証研究でも確認されています。例えば、うつの症状に関しては、約50の厳密な研究を通して認知行動療法での明確な効果が示され、うつ症状の改善に寄与し、再発の予防にも寄与しています。

このように心理カウンセリングには的確な技法も求められますが、心理カウンセリングが効果を生むためには、サイコロジストがどのように関われるかといった信頼関係も重要になります。そのため、実績があり相性の良いサイコロジストとの出会いは心理カウンセリングの効果に欠かせないものとなります。

「こころクリニック」の心理療法は、共感的カウンセリングを基本としています。何より大切にしている治療の根本は常に「共感」であり、このサイコロジストの共感力が相談者の自己治癒力を高めることにも一役買います。何でも話せて、気持ちに共感してもらえる関係の中で、サイコロジストとプランニングした現実的なゴールに向かい、一人一人に合ったプロセスを進めていきます。

一回や数回のカウンセリングで終結するケースもあれば、さらに回数を重ねるケースもありますが、カウンセリングを必要としなくなった時が、ゴール達成の時です。サイコロジストとのセッションは終結しても、「こころクリニック」のカウンセリングで得られたことを胸に、現実世界の中で存分に羽ばたきましょう。

「こころクリニック」が専門とする相談内容

  • 大切な人を失った悲しみ
  • うつや落ち込み
  • よりポジティブな考え方を身につけたい
  • 不安
  • 悩みごとやストレス
  • カップルや夫婦間の問題、家族のコミュニケーションの問題
  • 子育ての悩み
  • 不眠
  • 過去や現在の体験について気持ちの整理をしたい
  • 対人関係、対人緊張、職場や学校でのストレス
  • ショックな経験の後で落ち込んでいる
  • 気分の波がある、イライラしやすい
  • 進路の問題、自分の方向性を明確にしたい
  • セクシャリティ(LGBTIQ+)の悩み
  • 生理前の月経症候群(PMS)

上記以外にも相談者に合わせた心理カウンセリングに対応しています。

予約時に「JAMS.TV見ました」と申し出ることで、初回無料のトライアル心理カウンセリング(約45分/テレヘルス含む)も受付中。

無料トライアルでも、自分のココロの状態や先生との相性、どのようにカウンセリングが受けられそうかなど、さまざまなことがチェックできます。海外生活で不安や悩みがある方は気軽に問い合わせてみましょう。

「こころクリニック」の主なカウンセリング方法

  1. 来談者中心療法/ヒューマニスティック・カウンセリング
    問題をレビューし、自分の気持ちや方向性に気づきや再確認をサポートする基本のカウンセリング。
  2. 心理教育/認知行動療法/対人関係療法/リラクセーション・呼吸法/マインドフルネス/アクセプタンス&コミットメント・セラピー
    気分の落ち込み、不安、パニックに対して、その症状に関係していると思われる要因を取り除くためのカウンセリング。
  3. 動機付け面接法/認知行動療法
    人や物に対する依存や行動への悩みを和らげるためのカウンセリング。
  4. 精神力動的精神療法/交流分析
    過去の親子関係の体験が現在の問題に影響していることが考えられる場合に、どんな親子関係の質でどんな影響を受けたのかを再認識し、ワークスルーの作業を進めるカウンセリング。
  5. ソーシャルスキルトレーニング/認知行動療法/交流分析
    自信が少ない、対人関係に悩んでいる、その問題が過去や育ちの問題から来ている、といった場合に一助となるカウンセリング。
  6. グリーフカウンセリング
    大事な人や状況を失った対象喪失後のグリーフの方のためのカウンセリング。

他にも子どものためのプレイセラピーや日本語の発達・知能検査を行った上での発達アセスメント、カップルまたは家族カウンセリングなども受付中。

2021年内はメディケアや学生保険でのテレヘルス・カウンセリングも

また、日本とオーストラリアの心理カウンセリングの最大の違いは、医療保険カバー

オーストラリアにおけるサイコロジストは医療資格であるため、先に一般医GPの紹介があれば、ワーホリや留学生の海外旅行保険やOSHC(学生保険)、メディケアなどほとんどの保険で心理カウンセリング費用がカバーされます。メンタルケアの重要性を政府や社会が理解していることから、医療資格を持つサイコロジスト(臨床心理士)による心理カウンセリングにも医療保険が効き、永住者であればメディケア保険で診療費がカバーされます。

さらに、オーストラリアの国家資格を持つ「こころクリニック」なら、メディケアをお持ちの方は対面も遠隔もバルクビル(自己負担なし)で診察中。

新型コロナウイルスのパンデミック状況下、オーストラリア全土の94%の心理カウンセリングがテレヘルスを導入していますが、2021年の年末までテレヘルス心理カウンセリングを含めた遠隔医療サービスにもメディケアや学生保険による保険カバーが適用されることが決定。クリニックまで行けない方やシドニー以外にお住まいの方も、遠隔の心理カウンセリングを受けることができます。

「こころクリニック」への予約・お問い合わせ

カウンセリングルームは、シドニーシティの中心部のワールドスクエアにある、Regusというビジネスセンターの中。45階の受付にて「サイコロジストのやのしおりに会いに来た」旨を告げると、カフェのように快適なラウンジに通してもらえます。このラウンジからのシドニーシティの展望も良く、それだけでも心が開放的になります。

臨床心理士・やのしおり
電話:0416-006-835(受付時間8:00-22:00 シドニー現地時間)
Email:sydney@cocoroclinic.com

「こころクリニック」新カウンセリングルーム
所在地:Suite 4543, Level 45, Regus, World Square, 680 George Street Sydney 2000

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シドニーこころクリニック

所在地:Suite 4543, Level 45, Regus, World Square, 680 George Street Sydney 2000
電話:0416 006 835(受付時間 8:00 – 22:00)
メール:sydney@cocoroclinic.com
営業時間:月~土 8:30 – 20:00(日祝要相談)※予約制
ウェブ:http://cocoroclinic.com
英語ウェブ:http://en.cocoroclinic.com
Facebook:www.facebook.com/SydneyCocoroClinic

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