以前の活気も戻ってきつつあるオーストラリアの街中。しかし、行き交う人々の中にはパンデミックの影響で一度は人と関わる機会が減少し、現在また変わりつつある環境において人間関係を築くのに苦労していたり、ロックダウン期間中に大きな人生の転機を迎えて今後を模索していたりと、世間が落ち着いてきても心の中にモヤモヤがある人も多そう。
行動変容に伴うコロナ禍のメンタルヘルス悪化は、専門家からの指摘や調査結果としても示されている問題です。新しい環境や人間関係の構築にあたり、何もわからない不安や上手くやっていけないストレスが溜まると負荷が高まり、うつリスクを高めてしまいます。
不安や恐怖を自覚できても疲労についてはなかなか自覚できないというメカニズムを持っている人間の脳。ストレスフルな状況の最中、つまりコロナ禍では問題に対応することに集中することで苦しさを麻痺させていますが、その問題の終わり、つまりアフターコロナに入ると、急に身体症状や精神症状を感じてしまう状態になってしまうのです。
このようなメンタルヘルスの病気を防ぐためには、早めの対応が重要。コロナ禍における行動変容や環境変化から心身の不調を感じた場合、「ひとりで無理をせず、心理カウンセリングをはじめとした専門の医療機関を早めに受診することもできる」という選択肢があることで、気持ちも楽になるかもしれません。
今回は、シドニーの「こころクリニック」から、メンタライゼーションについてご紹介。シドニーの心理カウンセリングルームを20年以上運営する同クリニックでは、日豪臨床経験30年以上のサイコロジストが一人一人の人生の物語に寄り添い、ストレスの多い状況下での現実調整の方法などをリラックスしながらじっくりと話し合います。
マインドフルネスなどを用いて自分の考え方との距離のとり方を学んでいき、日本人が海外生活において直面するストレスやトラブル、新型コロナウイルスに関する不安や焦燥についても相談OK。
海外でのカウンセリングは荷が重いと思う方もいるかもしれませんが、現在オーストラリアでは、メディケアがあればGPの紹介で最大20回までのカウンセリングを受けることができます(2022年6月末日まで。この制度が延長にならなければ最大10回に戻ります)。さらに、テレヘルス心理カウンセリングを含めた遠隔医療サービスに、メディケアや学生保険による保険カバーも常時適用されることに。この制度によって、クリニックまで行けない方やシドニー以外にお住まいの方も、遠隔の心理カウンセリングを受けることができます。
新型コロナウイルスに対する姿勢は人それぞれですが、「日常で不安を感じることが多い」「嫌なことを一人で抱え込んでしまう」「愚痴を言わずに我慢してしまう」といった自分に厳しい傾向のある方は、特に注意が必要です。心理カウンセリングなども上手く活用して、自分のものの見方や考え方の傾向を把握しておくと良いでしょう。
メンタライゼーションとは、自分や他者の行動の裏側にある思考や感情を推測するためのスキルです。
人は生きていく中でさまざまなことを考えます。その中には、「自分は何がしたいのだろう?」「なぜあんなことを言ってしまったのだろう?」といった自分に関すること、「あの人は何を考えているのだろう?」「なぜあのようなことをしたのだろう?」といった他者に関することがあります。
例えば、メンタライゼーションについて以下のような例が挙げられます。
【自分に対するメンタライゼーション】
職場の同僚にきつく当たってしまった時
① 「自分はなぜきつく当たったのか?」と原因を考える。
② 自分の行動と考え方を振り返ってみると「相手に対して期待しすぎていた」「完璧主義になっていた」と思い至る。
③ 同僚への過剰な期待を見直したり、完璧主義をおさえることに努めることにする。【他者に対するメンタライゼーション】
職場の上司から不機嫌に対応されてしまった時
① 「上司はなぜ自分に不機嫌だったのか?」と原因を考える。
② 「何か悪いことをしただろうか?」の他にも「何か別に嫌なことがあったのかも」「自分に期待してくれているからこそかも」と複数の原因を考える。
③ 自分ではわからないことなので、次に上司に会った時に質問することにする。
人間関係を築いたり、人生の目標を決めていく上で、メンタライゼーションのスキルは非常に重要なもの。
メンタライゼーションという用語は、1960年代に精神分析学の中で使われ始めたのち、1991年に精神分析家のフォナギーが論文の中で初めて公式に用いました。フォナギーによると、メンタライゼーションのスキルを健全に獲得するには、幼少期の親子関係が安定していることが大事であるとしていますが、現代では親子関係のみならず、愛着障害や境界性パーソナリティ障害、自閉症スペクトラム、社会的スキルの低さなど実にさまざまな原因が絡んでいると考えられています。自分のことも他者のことも、人の感情や価値観を深く考える力は頭を使い、それまでの社会的経験も必要になるからです。
「自分の気持ちをよく考えること」と「他者の気持ちをよく考えること」のメンタライゼーションができるようになると、人生の目標が定まったり、人間関係が安定するという効果があります。自分が感じている気持ちや、他者の言動の裏側にある理由の推測などを客観的に考える習慣をつけると、アフターコロナで築いていく人間関係にもより良い効果を発揮するかもしれません。
生活スタイルが劇的に変化し、精神的に不安定になりやすい状況にあるアフターコロナのオーストラリアでは、軽度の不安や精神的疲労でもメンタルヘルスケアを怠らず、心理カウンセリングを利用するのも一般的。心理カウンセリングはオーストラリア人にとって身近な存在で、むしろ自分の悩みが深刻になる前に早めに相談するという、メンタルの健康維持のような位置づけであるとも言えます。
「こころクリニック」では、こうしたパンデミック以後の自分と他者に対するメンタライゼーションについても相談することができます。
心理カウンセリングのサイコロジストは、悩みを抱える人々が良い意思決定という形で行動できるようになることを援助してくれます。心理カウンセリングを受ける人は自分の状況や気持ちを話し、サイコロジストはそれを理解するために耳を傾けます。そのプロセスの中で、「わかってもらえた」「すっきりした」などの感覚と経験を得られること、そしてサイコロジストとの信頼関係の中で自分を客観視できるようになり、直面している問題に取り組めるようになることが心理カウンセリングの良いところ。
また、サイコロジストからの的確なサポートから自分の考え方や行動パターンを変えていったり、今後のストレスにどのように対処していくか、自分をどのようにマネジメントしていくか、といったことも習得していくことができます。このようなプロセスをサイコロジストと一緒に歩むことは、現状の問題の改善だけでなく、社会の中でその人があるがまま、美味しいものを食べた時のように楽しく明るい気持ちで、より良く生きることにもつながるでしょう。
このような心理カウンセリングの効果を生むためには、サイコロジストとの関係の質、用いる技法はとても重要なポイント。
「こころクリニック」には、日本とオーストラリアの両国の臨床心理士の資格と経験がある、経験の長い日本人開業サイコロジストやのしおりさんが在籍。Australian Psychological Societyの正会員歴20年以上、臨床経験は30年以上、シドニーの心理カウンセリングルームも20年以上運営しています。
オーストラリアのクリニックで心理カウンセリングや心理療法が可能な職種には、サイコロジスト、サイコセラピスト、カウンセラー、ソーシャルワーカーがありますが、その中でもソーシャルワーカーと並ぶ「医療資格」であり、心理カウンセリングと心理療法を専門とする職種が、サイコロジスト。
医療資格がなく学会員メンバーシップのみで働くカウンセラーやサイコセラピストよりも、サイコロジストの修業年数はさらに長く、その信頼性と専門性は医療保険カバーの範囲にも現れ、サイコロジストはGPの紹介があれば、ほとんどの保険で費用がカバー可能に。
心理カウンセリングの効果は実証研究でも確認されています。例えば、うつの症状に関しては、約50の厳密な研究を通して認知行動療法での明確な効果が示され、うつ症状の改善に寄与し、再発の予防にも寄与しています。
このように心理カウンセリングには的確な技法も求められますが、心理カウンセリングが効果を生むためには、サイコロジストがどのように関われるかといった信頼関係も重要になります。そのため、実績があり相性の良いサイコロジストとの出会いは心理カウンセリングの効果に欠かせないものとなります。
「こころクリニック」の心理療法は、共感的カウンセリングを基本としています。何より大切にしている治療の根本は常に「共感」であり、このサイコロジストの共感力が相談者の自己治癒力を高めることにも一役買います。何でも話せて、気持ちに共感してもらえる関係の中で、サイコロジストとプランニングした現実的なゴールに向かい、一人一人に合ったプロセスを進めていきます。
一回や数回のカウンセリングで終結するケースもあれば、さらに回数を重ねるケースもありますが、カウンセリングを必要としなくなった時が、ゴール達成の時です。サイコロジストとのセッションは終結しても、「こころクリニック」のカウンセリングで得られたことを胸に、現実世界の中で存分に羽ばたきましょう。
上記以外にも相談者に合わせた心理カウンセリングに対応しています。
他にも子どものためのプレイセラピーや日本語の発達・知能検査を行った上での発達アセスメント、カップルまたは家族カウンセリングなども受付中。
長らく好評だった「初回無料トライアルカウンセリング」ですが、「こころクリニック」への相談ケース数の増加に伴い、相談者の予約がほぼ飽和状態であることを鑑み、残念ながら2022年から休止されることになりました。
「カウンセリングを受けてみたいけど、その前にサイコロジストと話して雰囲気を見てみたい」という方は、電話もしくはビデオ通話にて、5分〜10分程度の説明時間を設け、その際にやりとりしながらカウンセリングを検討していただくことは可能です。もちろん、その場合に料金は発生しません。
また、カウンセリングの費用を保険でカバーするためには、GPによる診断が必要になりますが、「自分の悩みをGPに英語で説明することに不安があり、サイコロジストからの紹介状がほしい」という方は、GPでプランを作られた後の本来の初回セッションをご予約いただける方には、サイコロジストからGPに紹介状を書くための45分無料セッションは設定できる可能性があります。同クリニックまで気軽に問い合わせてみましょう。
「こころクリニック」のカウンセリングの流れについてはこちら
また、オーストラリアの心理カウンセリングには医療保険カバーが適用されます。
オーストラリアにおけるサイコロジストは医療資格であるため、先に一般医GPの紹介があれば、ワーホリや留学生の海外旅行保険やOSHC(学生保険)、メディケアなどほとんどの保険で心理カウンセリング費用がカバーされます。メンタルケアの重要性を政府や社会が理解していることから、医療資格を持つサイコロジスト(臨床心理士)による心理カウンセリングにも医療保険が効き、永住者であればメディケア保険で診療費がカバーされます。
さらに、オーストラリアの国家資格を持つ「こころクリニック」なら、メディケアをお持ちの方は対面も遠隔もバルクビル(自己負担なし)で診察中。
新型コロナウイルスのパンデミック状況下、テレヘルス心理カウンセリングを含めた遠隔医療サービスにもメディケアや学生保険による保険カバーが適用されています。サイコロジストのテレヘルス・カウンセリングは、クリニックでの対面かテレヘルスか、常時いずれかの方法を選べるようになり、クリニックまで行けない方やシドニー以外にお住まいの方も、遠隔の心理カウンセリングを受けることができます。
カウンセリングルームは、シドニーシティの中心部のワールドスクエアにある、Regusというビジネスセンターの中。45階の受付にて「サイコロジストのやのしおりに会いに来た」旨を告げると、カフェのように快適なラウンジに通してもらえます。このラウンジからのシドニーシティの展望も良く、それだけでも心が開放的になります。カウンセリングルームは個室でプライバシーが守られますのでご安心ください。
臨床心理士・やのしおり
電話:0416-006-835(受付時間8:00-22:00 シドニー現地時間)
Email:sydney@cocoroclinic.com「こころクリニック」新カウンセリングルーム
所在地:Suite 4543, Level 45, Regus, World Square, 680 George Street Sydney 2000フェイスブックで心理情報も発信中!
所在地:Suite 4543, Level 45, Regus, World Square, 680 George Street Sydney 2000
電話:0416 006 835(受付時間 8:00 – 22:00)
メール:sydney@cocoroclinic.com
営業時間:月~土 8:30 – 20:00(日祝要相談)※予約制
ウェブ:http://cocoroclinic.com
英語ウェブ:http://en.cocoroclinic.com
Facebook:www.facebook.com/SydneyCocoroClinic
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