「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)1...
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18 November 2019
<主なイベント>
11/18(月)10月香港失業率、米9月対外証券投資
19(火)米10月住宅着工件数
20(水)日本10月貿易収支、米FOMC議事録、安倍首相在職日数2,887日で歴代1位(戦前の桂内閣を抜く)
21(木)ECB月報、米10月景気先行指標、米10月中古住宅販売、OECD経済見通し
22(金)日本10月CPI、独・ユーロ圏11月製造業PMI、ラガルドECB総裁講演
<マーケットの焦点>
先週は米中通商協議難航の観測もあり週中にリスク回避局面があった。
一方パウエル議長の議会証言では総じて米経済に対してポジティブな見解が述べられ、米中期待と懸念が混在する中、米株価は28,000ドル台の史上高値を更新し、週末にかけては再びリスク選好色が強くなった。
ドル円相場もリスク回避局面で108円台前半に反落したが週末にかけては108円台後半を回復している。
また12/12の英総選挙を控えて保守党優勢の見方が強まっているが、ジョンソン首相は選挙に先立ち保守党候補者に“当選の際はジョンソン首相の提出する離脱合意案に賛成票を投じる”という誓約書に署名させおり、保守党が過半数を確保すれば自動的に離脱協定案が議会で可決される見通しとなっている。
今週も米中通商協議の行方が市場の焦点だが、中国新華社通信は週末に「“米国側の要請で”劉副首相とムニューシン財務長官・ライトハイザーUSTR代表部の電話会談が行われ、第一弾合意について建設的な協議を行った」と報じている。
米農産品輸入や関税撤廃を巡って協議が難航しているとの見方もあるが、近日中に最一段階合意は可能との見方もあり、今週も相場は流れてくる情報に一喜一憂するだろう。
今週発表されるFOMC議事録では、<声明>では「適切に行動する(=金融追加緩和)」との文言が削除されたが、追加緩和に否定的な内容が再確認されれば、先週のパウエル議長のややタカ派的な議会証言を裏付けすることになり、当面利下げ中止観測が強まるだろう。
ただ市場はむしろ緩和休止をポジティブに受け取っており、足元の米株が高値更新する場合には、リスク選好の動きが加速する可能性もある。
市場は米中両サイドの駆け引きに“うんざりして”おり、依然警戒心は持っているものの、ここから“決別”よりは、最終的な合意に向かっていると考えたい。
FOMC議事録の内容から利下げ休止観測が強まれば、ドル円も再び109円台乗せ、そして節目である110円台を目指す可能性があるだろう。
<豪ドル相場>
足元の豪ドル相場―再び堅調地合か
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6779-0.6866 AUDYEN 73.35-74.98
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6750-0.6950 AUDYEN 73.50-75.50
先週豪ドルは米中通商協議が難航しているとの見方や発表された10月雇用統計が予想より悪かったこと(失業率が5.3%に悪化、就業者数が19万人減少)から67セント台後半、73円台前半に下落したが、米中合意期待は依然失われておらず、米株価が史上高値を更新する中、68セント台前半、74円台前半まで反発している。
今週は大きな国内指標やRBA関連発言なども予定されておらず、豪ドルは引き続き米中通商協議の行方を見ながらの展開となるだろう。
当然のことながら米中合意に近づけば、豪州にとっては資源価格の上昇や中国経済の回復期待が高まることに加えて、株価上昇のリスク選好の恩恵も受けることになる。
反対に合意が遠のけば全く逆のシナリオということだ。
いずれにしても年末にかけてのトレンドがそろそろ決まってくるだろうが、個人的には豪ドル底入れから反発と読んでいる。
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
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☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
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☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
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