12 June 2023

◎＜ポイント＞ 140円台では高値警戒感―しかし底値も限定的！

・先週ドル円は3日140円台を見たが結果的には140円台↑に定着せず、「140円台難し」の印象を与えた。
・ややサプライズなRBAとカナダ中銀の利上げで豪ドル、カナダドルが買われたこともドル押し下げ要因に。
・ドル円は来週の日銀会合での強力な緩和政策継続観測で139円割れがサポートされる反面、前週の三者会合のインパクト残り140円超えでは高値警戒感も。
・ただ今週の日銀会合で予想通りに日銀が現状の緩和継続を再度表明すれば、日米金利格差拡大の思惑がドル円をサポートするだろう→OECDは「日銀は来年末まで利上げをしない」と予想している。
・特に12日（火）に発表予定の米5月CPI（予想+0.2%、前回+0.4%、前年比予想+4.1%、前回+4.9%、コア指数はそれぞれ+0.4%、+5.2%予想）が予想を若干でも上回れば、翌日のFOMCでの利上げ観測が急浮上するだろう。
・15日(木)発表予定の日本の5月貿易収支（通関ベース）は再びマイナス幅が1兆円を越す予想となっている→ドル円が140年台に乗り切るシナリオはまだ捨てていない。
・ただ最近いわゆる「リスク回避の円買い」でドル円が強烈に下落する展開はほとんど見られない。ドル円ショートが一旦膨らんだ方が↑への反発力がつくと思うのだが、、、（谷深ければ、山高し）

◎＜豪ドル相場＞――ロウ総裁の頑固な利上げは晩年のスティーブンス前総裁の利上げ（3.0%→4.75%）を彷彿とさせる（汗）
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6637-0.6750  AUDYEN  92.13-94.09
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6800  AUDYEN  92.50-95.50

・先週は予想外のRBAの利上げに続いてカナダ中銀も利上げし、豪ドル、カナダドルいった資源通貨が上伸した。
・とは言ってもサプライズの割りには豪ドル、カナダドル共に100ポイント程度の上昇であり、“爆上げ”というほどでもないのは、今週の米5月CPI発表を控えて、米国の6月利上げの可能性も完全に払しょくできないからだろう。
更に7月の米利上げ観測もくすぶっている。
・冒頭に述べたように、ロウ総裁はコロナパンデミック後の金融緩和の長期継続発言を昨年5月に翻し、その後今年6月で11回目の利上げをしたが、今更引き締め転換を止められないのだろう。これは元来ハト派であった前スティーブンス総裁が、リーマンショック後2009年10月には早くも先進国で唯一利上げに転じ、2010年11月の4.75%まで利上げを継続して豪州経済が失速した事態を思い出させる。
ロウ総裁は今年9月が任期であるが、評判が悪かったフォワードガイダンスの失敗を「インフレファイター」に鞍替えして延長したいのだろうか？？
先週豪ドルはRBAの利上げに素直に反応して67セント台に上昇したが、今週発表される6月のWESTPAC消費者信頼感は利上げを嫌って再度悪化するだろう。
・利上げの豪州経済への悪影響がそろそろ取り沙汰され、豪ドルの上値を阻むだろう。
・一方豪ドル円は依然として95円台がターゲットとなり堅調推移を予想する。

―読者各位―
◎ジョーのTWITTER、フォローしませんか？？
アドレスは@joetsudaFX　です－相場の話など意見交換しましょう！！
◎セントラル短資FX社の「マーケットビュー」（https://www.central-tanshifx.com/market/marketview/column/?morecnt=0&itemtype=1&pdate=20221121）に15年近く投稿しています。
月報（毎月第三月曜日にアップ）ですが斬新な相場観をご披露します！！