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今週の「相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)4 September 2023

4 September 2023

<ポイント>ドル円は下げて上げ

・先週は米株はじめ主要国の株価も底入れから反発に転じ、商品相場も持ち直して前週までのリスク回避ムードは後退した。
・週末に中国不動産大手碧桂園が債務返済の期限延長の承認を債権者から得たとのロイター報道があったが、係る動きを先取りして中国や香港の株価下落に歯止めが掛ったことも地合いを良くした。
・ドル円は週初147円台と今年の高値を更新したが、その後は発表された米指標が不冴えで(JOLTS求人件数の予想外の大幅減、ADP雇用者数の伸び鈍化、Q2GDP改定値の下方修正など)、ドルは反落しドル円も145円台に下落。
・ただ欧州や英国の景気減速不安が強まり、ユーロやポンドが1.07台、1.25台に反落したこともドルをサポート。
・注目の米8月雇用統計は、nfpr+18.7万人と予想を上回ったものの先月分は下方修正され、失業率は3.8%(予想は3.5%)に大幅悪化、また平均時給も伸び悩むなどFRBの追加利上げへの期待が後退し、ドル円は発表後144円台半ばに大幅下落。しかしその後に発表された8ISM非製造業景気指数が予想を上回るなどして米債利回りが急反発し、ドル円は結局146円台で越週した。
・碧桂園のデフォルトは取り敢えず回避される見込みだが、今後も多額の債券利払いを控え、また建設途中の物件も依然として数多く抱えており、同社の動向を引き続き緊張感を持って注視する必要があるだろう。
・米追加利上げの有無に振り回される相場は、繰り返しになるが「最終バスへの無理やり乗車」の感が否めず、最終バスが逆方向に発車する可能性も否定できない。
・足元は米国景気の対欧州での優位と米債利上げで堅調推移するドルだが、早晩ドル反落の可能性があると見る。

◎<豪ドル相場>――下げ止まるも依然不安材料払しょくできず

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6402-0.6521  AUDYEN  93.85-95.06
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6250-0.6550  AUDYEN  92.00-95.00

・先週豪ドルは、中国不動産大手碧桂園を巡る経営不安説も出尽くし、上海や香港株式市場が底入れする中、一時65セント台、95円台まで反発したが、結局買いは続かず64セント台、94円台に反落した。
・碧桂園を巡る経営不安は、同社の債務返済期限の延長で合意したとのニュースが週末に流れたが、今後も多額の支払期限を迎えており、不安払しょくとは程遠い状況だ。
・今週は9/17に任期を終えるロウ総裁の元での最後RBA理事会が開かれるが、金利は据え置き予想であり、ロウ総裁はインフレターゲットへ戻すことの重要性を力説するであろうが、豪州のインフレ動向や景気の減速懸念を勘案すれば、市場の「利上げ終了観測」が更に強まるであろう。
・豪ドルは一旦63セント台、92円台で底入れした形ではあるが、依然として下値不安が払拭できない状況が今週も継続しそうだ。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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