23 October 2023

◎＜ポイント＞150円手前続く―悩ましさ満点
・先週はドルが底堅く推移。一時ドル円は150.00近辺に上昇し、ユーロは1.05台前半、ポンドは1.21割れまで下落。
・中東情勢が緊迫する中リスク動向が錯綜したことで結果的にドル買いが優勢になった。
・バイデン大統領はイスラエルを訪問して人道支援を約束したが、イスラエルが地上侵攻の準備を整えたとする一方、イランなど隣国の介入にエスカレートする可能性があるなど、中東情勢は一触即発の状況だ。
・係る中米株は軟調推移したが、原油価格は再び上昇し、米債利回りも上昇（10年債利回りは4.974%）してドル買いをサポートした。
・先週パウエル議長は再利上げを示唆する一方、「市場金利の上昇により政策金利引き上げの必要性は低下」と発言するなど、慎重姿勢にトーンダウンしたとの見方も出ている。
・この150円が新たな底値となり、ドル円は筆者の指摘する（シナリオは「今」ではないが）170→200円の新値に向かうのか？？そうであれば150円は買いだろう。
・あるいはまだ150円上にレンジシフトする段階ではないのか？？であれば150円から上があっても150.50、151,00と売り上がるべきであろう―筆者の見立てはこちら。
・日銀が全くシグナルを送らない現状、米経済、米金融政策が依然として最大関心事であり、今週も米経済指標に反応する展開だろう。10月米PMIはやや軟化し、Q3GDPは前期の2.1%から4.5%にリバウンドする予想となっている。

◎＜豪ドル相場＞――ドル高に押されて反落

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6296-0.6393  AUDYEN  94.22-95.66
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6200-0.6600  AUDYEN  92.00-96.00

・先週豪ドルは週初買戻しが先行したが、火曜日の強い米9月小売売上高発表後のドルの上昇を受けて軟調に転じ、9月の国内就業者数の不調（+0.67万人、予想+2.0万人、前回+6.3万人）も悪材料となり、結局63セント台前半、94円台半ばで越週した。
・今週は国内指標の発表も予定されず、米指標や中東情勢をにらみながらの神経質な展開となろう。因みに来週のRBA理事会では金利据え置き予想（4.1%）が大半。
・材料的には中東を巡るリスク要因や中国の不動産債務問題など引き続き豪ドル悪材料が多いが、「豪ドルは米ドルの受け皿」であり、足元は米ドル動向に左右される展開が続きそうだ。

―読者各位―
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