「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田　穣）　13 November 2023

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2023.11.12

ビジネス

13 November 2023

◎＜ポイント＞ドル円は昨年の高値151.70に迫る151.60まで
・先週は前週末の弱い米雇用統計（10月分）を反映して、ドルは弱含みにオープンしたが徐々に底入れし、ドル円は昨年の高値151.70に迫る151.60まで続伸。
・前週末の弱い米雇用統計を受けて4.5%台まで低下した米10年債利回りも徐々に4.65%まで戻し、米株価も反発（ダウは再び34,000台）するなど、再び適温経済（ゴルディロックス）への楽観論も見られた。
・その間日銀植田総裁からは、相変わらずのハト派発言―「基調インフレは2%を下回る」、「正常化に向けたプロセスの着手は時期尚早」。同時に「利上げは日銀にとって重大な課題となる」と述べているのは将来を見越した発言だろう。また「為替による経済や物価への影響を注視」と述べているが、ドル円買い手の買い意欲を覆すには至らず。
・この151円台での落ち着きを「政府日銀による150円台より上黙認」と考えていいのか？その場合は一気に続伸するだろう。一方買いポジションがパンパンに膨れ上がったところで鉄槌を下すのか？？
・筆者としては、このまま「150円↑容認」をまだ受け入れがたい心境、、、
したがってポジは相変わらずショートで、ｼﾞﾘｼﾞﾘと忍耐力が試される展開が続く（汗）。
・今週は10月米CPIや小売売上高が出るがいずれも“軟調予想”であるのは気になるところ。また11/17は恒例とはいえ、米つなぎ予算の期限となる。それを知ってかムーディーズは先週米格付け見通しを安定的から、ネガティブに引き下げている。
・依然足元の円安は「御釈迦様の掌で転がされている気がする」のだが、、、、

◎＜豪ドル相場＞――ドル反発で徐々に上値重く

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6338-0.6523 AUDYEN 96.03-97.51
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6550-0.6750 AUDYEN 94.00-98.00

・先週豪ドルは、週初は前週の弱い米雇用統計を受けたドル安と、予想通りとはいえRBAの25bp利上げ（4.1%→4.25%）を受けて上値をテストしたが、65セント台前半、97円台半ばで天井を打った。
・結局週後半に向けてドルの反発を受けて、63セント台半ばまで反落し、対円でもドル円の151円台への続伸を相殺しながら96円台前半に弱含んだ。
・今回のRBAによる5カ月ぶりの利上げ後、市場は年末までに更に25bp利上げを見ているようであるが、今後の豪州経済や不動産市場への影響が懸念される。
・今週発表される11月のWESTPAC消費者信頼感は利上げを嫌って再び前月のプラスからマイナスに転じる可能性が強い。
・木曜日に発表される10月の雇用統計（失業率は3.6%から3.7%への悪化予想だが、就業者数は先月の弱い0.67万人増加から1.8万人増加に増加予想）が気になるが、水曜日に発表されるQ3の週間賃金指数（前回+0.8%、予想+1.3%）も重要視されよう。
・景気減速懸念が強い中、インフレ率の高止まりが問題視される状況は米国と類似するとところ。係る状況下原油の反落初め商品相場に一時の勢いがなく、地政学的懸念や中国経済の先行き不安など、豪ドルへの不安材料もあることから、上値は65セント台と限定的か。対円ではドル円の乱高下の可能性もあり、波乱含みの展開が予想される。

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