「今週の相場の焦点」by joe Tsuda (津田　穣）4 December 2023

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2023.12.04

ビジネス

4 December 2023

◎＜ポイント＞先週は149円台→146円台→148円台→146円台のアップダウン
・米NYダウは5週連続で続伸し36,000ドル台を回復。一方米インフレ低下と共に長期債利回り（10 yrs bond yield）は4.2%台まで低下し、米経済減速懸念とは裏腹に金融市場では再び「ゴルディロックス（適温経済）」期待も聞かれる。
・11/14の10月米CPIの低下（3.2%まで低下）以来、米国の早期利下げ観測が“独り歩き”し始めている感がある。先週もパウエル議長が相変わらずインフレ懸念を繰り返す中、タカ派と目されるFRBウオラー理事がインフレの低下の進展への認識を示すなど、早期の（早ければ来年Q1！）米利下げ観測は根強い。
徐々にパウエル議長などのタカ派発言を利下げ期待が凌駕する展開が予想される。
・係る米早期利下げ観測を主因として先週は米ドルインデックスも一時102台まで反落し、新たなドル買い意欲と調整売りが錯綜し、為替市場は不安定な動きとなっている。
・ドル円も週初の高値149円台から146円台に反落、その後月末要因もあり148円台まで反発後、弱い米ISM指数を受けて結局146円台で越週するなどアップダウンを繰り返した。
・今週は12/13のFOMC前にFRBもブラックアウト期間（当局が金融政策に関する発言を自粛する期間）入りとなり、8日の米11月雇用統計など実体経済指標に反応した相場展開となりそうだ。
・一旦センチメントがブルに転換しただけに、依然ドル円ロングポジションが市場にあり、調整売りがドル円の上値を押さえる展開だろう。また150円↑に安心していた本邦輸出筋も徐々に上値の重さに不安感を募らせていることであろう（反発局面では輸出予約に動意を見るだろう）。
・結局145円台割れでロングのストップロスが出切らない限り、ドル円の底値が確認できないのではないか？
・“谷深ければ山高し”で来年の大幅円安へのエネルギーを蓄えることになるだろう。

◎＜豪ドル相場＞――ドル安地合の中66セント台後半まで続伸

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6567-0.6676 AUDYEN 97.24-98.49
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6450-0.6750 AUDYEN 96.50-99.50

・先週豪ドルは、米ドル軟調地合（ドルインデックスは102台前半まで続落）の中、今年7月以来の高値66セント台後半まで上昇。対円では豪ドルの上昇とドル円の下落が相殺し合う展開の中、昨年来の高値98円近辺を維持した。
・RBAは11月に利上げ再開したが、ブロック総裁のタカ派的発言にも後押しされて年内再利上げ観測が根強い。しかし今週の理事会での市場予想は4.35%で据え置きとなっている。
・先週のOECD経済予想で中国経済の今年と来年の予想をそれぞれ5.2%、4.7%に1ポイント上方修正したことも豪ドルサポート要因。
・一方中東紛争が終息しないことやウクライナ紛争の長期化など依然として地政学的懸念は豪ドル不安要因であろう。
・ただ「豪ドルは米ドルの受け皿」であり、基本的には今週も米ドルの動向に豪ドルがフォローする展開となろう。

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