5 February 2024

◎＜ポイント＞
予想を上回る1月米雇用統計でドル下げはリシャッフル

・先週の米FOMCではどれくらい”利下げ“に接近したパウエル発言が出るか？？に市場は注目。
・FOMC声明では”追加利下げ“の可能性への言及は削除され、米利下げ期待が高まった。
・しかしパウエル会見の中で「労働市場の軟化は期待していない」？？との発言――「当局は当然金曜日の米雇用統計の内容を知っている」との確信を持っている自分としては困惑、、ADPからして金曜日の軟化予想に市場は傾いていた。
・そしてFOMC終わり間際の唐突な「3月利下げの可能性は高いとは考えていない」発言で冷水を浴びせられた！
・しかし市場は（自分は）「米利下げの流れは不変」と考え、ドル円は雇用前に一時146円割れまで反落―――この流れで自分もがっちりショートで米雇用統計発表に突入→即死。
・失業率3.7%に改善、nfpr+35.3万人（先月+33.3万人に上方修正）、平均時給の伸び+4.5%(予想+4.1%)の”満額回答“
・エコノミストとやらは「中国の指標はでたらめ」という前に自分のでたらめな予想を恥じるべきだろう。こんなディスタービング（人心を惑わす）予想など不要である。ポジションリスクも取らずにへらへらしているエコノミストがいれば天中殺を！（元来エコノミストは嫌いだ）
・先週トランプ氏は早々と（大統領に再任されても）パウエルは再指名しないと発言ーーー今週木曜日の米最高裁による同氏の大統領選出馬資格を巡る口頭弁論が注目される。
・また先週公表された日銀主な意見（1/23会合分）では「マイナス金利解除を含めた政策修正の要件は満たされつつある」と述べている。更に1/30のIMF世界経済見通し発表に関連してIMFのチーフエコノミスト・グランシヤ氏は「日銀は何らかの理由でインフレが速いペースで上昇し中銀の目標を大きく上回ることがあった場合には利上げの準備をしておく必要がある」と述べている。
明日発表される12月の実質賃金は前回まで20カ月連続マイナスの後0.7%から1.3%に上昇予定であるが、果たして結果は？
植田総裁は依然賃金上昇力に欠いた弱いインフレ上昇力を低金利維持の主因と位置付けている。
・結局”高金利の影響としての米経済減速“がこのまま杞憂に終わるのか？
あるいはインフレ低下が植田総裁の予想するほどではなく、長引くインフレ高止まりが日銀への利上げ催促相場となるのか？
・1月米雇用統計のアプセット（驚き）から暫くドルは下がりづらいが、このまま150円超えとは考え難い―――米雇用の好調も最終局面考える。

◎＜豪ドル相場＞――対ドル下落、対円保合
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6502-0.6616  AUDYEN  95.50-97.70
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.64500-0.6700  AUDYEN  95.00-98.00

・先週豪ドルは週初米ドル軟調地合いにあって高値66セント台前半、97円台後半をテストしたが、FOMC後の米ドルの反発と金曜日の米雇用統計後の米ドル高を受けて、65セント台前半に急落。
・一方対円では米雇用統計後のドル円の148円台への急伸を受けて週中安値95円台から96円台半ばまで半戻しした。
・国内指標では発表された12月の小売売上高が-2.7%と不冴えであり、また1月の月次CPIも+3.4%と前月の+4.3%から大幅に低下するなど、RBAによる利上げの影響が出つつある。
・豪ドルは再び65セント近辺のクリティカルポイントまで反落したが、米NYダウの史上高値更新に連れて、豪州株価(AFX)も史上高値を更新するなど、係るリスク選好の動きから65セントを大きく割り込む展開も予想しがたい。
・一方中東リスクが高まりつつありことはリスク要因。また今週末から中国が春節休場に入る（～2/18）など中国要因剥落により、豪ドルはより一層米ドルの動きを受ける展開が予想され、米ドルの動向に連れてアップダウンしそうだ。
・今週のRBA理事会では金融政策の変更は予想されないが、最近のインフレ低下傾向に対して「利下げに言及した発言」があるか注目される。

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