15 February 2024

◎＜ポイント＞
パウエル爆弾、内田爆弾でドル円下落を“粉砕”

・前週のパウエル議長の「3月利下げの可能性が高いとは思わない」に続く、先週の内田日銀副総裁の発言「マイナス金利を解除してもどんどん利上げをしていくようなパスは考えにくく、緩和的な金融環境を維持していく」でドル円は149円台に。
・「為替は旬が命」――小職のアイデアは日本における数十年ぶりの物価上昇局面をtake chanceして、（遅くても年末年始に）日銀がマイナス金利を解除し、加えて金融政策のダイナミズムを取り戻すという超前向きなものだった。
・しかし植田日銀はマイナス金利解除にモタ付き、加えて金融の正常化も先週の内田副総裁の言で自己否定→要は小職が前から主張する“日本の凋落”を日銀は肯定し、その凋落を遅らせるためには、超過保護の金融政策を続けるというもの。
・日銀のマイナス金利解除ネタがまだ“旬”の内なら、ドル円140円割れへのサプライズ急落もあったろう。しかし内田副総裁の自己否定により、日銀の金融政策正常化がimpossibleであると確信した。
・かくなる上は→130円→170円ではなく→170円しか道はないだろう。
・日銀は30年以上続く異常金融政策による日本の延命策が今後も、5年、10年と続けられるという算段だろう。しかしGDPで独に抜かれた理由、例えば両国の経常黒字の「内容の大きな違い」など、事態は刻一刻と悪化している。
（詳しくは2/19アップされるセントラル短資FX社の“マーケットビュー”を見て頂きたい）
・つまり、行く行く「日本売り=円売り」の歯止めが掛らなるなるということだ。
・ただパウエル、内田（植田）両爆弾によりドル円上昇に「Go Sign」が出たことで、市場は一気にドル円ブルに傾くだろう。（既に傾いている？！）
・しかし今週の米1月CPIや小売売上高は軟調予想であり、今週は“にわかロング”が崩されては、新たなロング造成という“乱高下相場”になると思われる。

◎＜豪ドル相場＞――対ドルでは65セント以下がサポートされ、対円ではドル円の149円台を受けて再び97円台に上昇
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6468-0.6540  AUDYEN  96.21-97.46
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6400-0.6700  AUDYEN  96.00-99.00

・週初豪ドルは前週より続く米ドル高地合にあって64セント台後半、96円台前半の安値を付けた。
・しかしRBA理事会は依然としてインフレ警戒的な姿勢を維持し、「インフレは引き続き緩和傾向にあるが依然として高い」とし「更なる利上げの可能性を排除することはできない」とした。
・一方同時に発表されたRBA金融政策報告（SMP）では“需要の伸びは著しく鈍化”とするも「インフレ率が目標値に達するまでかかる時間が長くなる可能性がある」と述べて警戒姿勢を維持した。一方今年末のGDP成長率とインフレ率をいずれも1.8%(前回2.0%)、3.2%(前回3.5%)に引き下げた。
・豪ドルは概ね小職の予想通りに65セント以下がサポートされ、対円ではドル円のフラクチュエーションによってアップダウンを繰り返しているが、暫くはこの傾向が続きそうだ。
・今週発表される重要指標は火曜日の2月WESTPAC消費者信頼感、1月NAB企業景況感/信頼感と、木曜日の1月雇用統計（予想値：失業率4.0%、前回3.9%、就業者数+3.0万人、前回-6.5万人）。

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