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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)3 June 2024

03 June 2024

<ポイント>
156
円台~157円台でUp & Down


・前週の流れを汲んでドル円は157円台で上値をテストするも、一方日銀の利上げ観測が根強く、先週10年国債利回りは1%台に上昇して円買い圧力となり、156円台へ何度も引き戻された。
・根強いインフレ懸念を背景に米債はじめ主要国(日本を含む)の債券利回り上昇と株価の上げ一服を感じた週でもあった。
・また日銀が為替平衡操作実績(4/265/29)を発表したが、結果は97,885億円の円買い介入とほぼ予想通りであり、過去最大の介入規模であったことが判明。しかしイエレン財務長官の度重なる発言「為替介入はマレであるべき」が重石となり、また今回の「外貨準備の5%近くに達する規模の介入」の継続は難しいとの市場の見方が一般的で、最終的には157円台を回復しての越週となった。
・今週は6/6ECB理事会で一部利下げ観測(4.50%4.25%)があることや、6/7の米5月雇用統計やISMの堅調な数字が予想されることから、少なくとも週前半はドル円堅調地合を予想する。果たして新高値で週を終えることができるか?
・市場の目が依然として日米金利格差に向かっているのが筆者の不満であり、日本のファンダメンタルズ悪化に伴う「日本売り=円売り」が未だ表面化していない現状は、あくまで円安の前哨戦と考えたい。
・今週も基本的には「下がったら買い」でドル円ロングを回していく所存。

◎<豪ドル相場>――対米ドルでは66セント台で振幅。対円では104円台の高値引け


先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6590-0.6679   AUDYEN  103.36-104.86
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6700    AUDYEN  103.00-106.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6700    AUDYEN  103.00-106.00

・先週は対米ドルではユーロの1.08台のアップ・ダウンにフォローして66セント台中心での揉み合いとなった。
・一方対円では、円クロスの堅調地合いを受けて、103円台前半では既に新たな買い意欲が強く結果的に104円台での高値圏引けとなった。
・1ヵ月以上100円を上回る水準で豪ドル円が推移するのは資源ブームが華やかなりし頃(2011-2014年)にも見られなかった現象であり、リーマンショック前2007年の“円キャリートレード”時代まで遡ることとなる。これは「円相場の変質」と捉えて良いのではなかろうか?
・今週はQ1の国内GDPが発表されるが予想は+1.2%(前回+1.5%)と依然軟調予想となっている。ただRBAの懸念事項はむしろ“景気よりもインフレ”であり、景気の悪化が更に鮮明にならない限りRBAから金融緩和のシグナルが出る可能性は乏しい。
・今週発表される米国の雇用統計はじめ諸指標が強い場合には66セント台で上値が重い展開、そして対円ではドル円の堅調と相殺し合いながら105円台をテストする展開が予想される。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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