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「今週の相場の焦点」By Joe Tsuda (津田 穣)24 June 2024

24 June  2024

<ポイント>
ドル円159円台後半、このまま160円超えか?

・ドル高かつ円安地合が継続している。
・理由はいくつか挙げられるだろう。
1)先日のFOMCでのスタッフの金利予想が年一回の利下げに後退したこと
2)日銀会合で円債購入減額が先延ばしされたこと
3)仏の政治情勢不透明感がユーロ安につながっていること
4)スイス中銀が再利下げを行ったのはややサプライズ
5)BOEでは予想通り政策据え置きとなったが、声明から利下げに傾きつつあるメンバーがいることが分かったこと
6)金曜日発表の5月製造業/非製造業PMIが総じて欧州<弱>―米国<強>となったことなど。
このまま4月末の買い仕掛けによる高値160円前半を上抜いてドル円は160円を上回るレベルに移行するのか?
・持論としての“円のファンダメンタルズ劣化”に伴う円安に市場の見方が徐々に移行しているのは、ドル円の正しい道筋を示していると言えるだろう。
・ただ金曜日も米財務省の為替報告書は日本を為替操作国に認定はしていないものの「結果としての円安」と「日本の経常黒字幅拡大」を理由に、日本を「監視対象」に指定した。トランプ政権再来の結果であれば「さもありなん」と思うであろうが、現政権下であることが“いよいよか”と思わせる。
・総論としてはドル円の上昇を支持するが、思わぬ調整を含む可能性もあり、円安も一筋縄にはいかないのではないか?

 

◎<豪ドル相場>――最近の豪ドルは65セント~67セントにロックイン、一方対円では今年のターゲット110円に向かいつつある


先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6585-0.6679   AUDYEN  103.59-106.16
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6700    AUDYEN  103.00-106.00
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6700    AUDYEN  104.00-107.00

・豪ドルはドル高ゆえに上値が66セント台で押さえられる一方、RBA理事会でのタカ派的姿勢が65セント台での買いを誘っている状況だ。
・先週6/18のRBA理事会ではオフィシャル・キャッシュ・レート(OCR)を4.35%に据え置く一方、理事会声明では「インフレ低下のペースは鈍化した」、「インフレ率をターゲット内に戻すことが最優先事項」とインフレ高止まりに懸念を示し、一方ブロック総裁も「今回の会合で利上げとなるケースを議論した」、「利下げについての議論はなかった」とタカ派的発言をする一方「利上げの可能性が高まったとは言えない」と述べて景気減速への配慮も見せた。
今後労働市場中心に景気の減速が鮮明になれば、RBAのタカ派トーンも後退するであろう。しかし足元の金融政策はECBやBOEよりはむしろFRBに近いスタンスと言えるだろう。
先週は円やユーロが軟化したが豪ドルクロスでの豪ドル買い需要が下値(対ドル)をサポートする展開がしばらく続きそうだ。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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