1 July 2024

◎＜ポイント＞
ドル円161円台後半から160円台前半まで調整反落→ここから？

・ドル円は162円台一歩手前まで上昇。しかし財務官退任発表のあった神田財務官からは通り一遍の円安けん制しか出ず、日銀もノーアクション。
・米6月雇用は就業者数こそ予想をやや上回ったものの、失業率が4.1%に悪化し、結果としてドル円は160円台前半まで下落→しかしその後161円台まで一気に回復するなどアップダウンはある程度想定内。
・結局160円台後半で越週。
・欧州通貨「ユーロ、ポンド」が先週から予想外に強い！仏選挙での極右の台頭や、英労働党の勝利を既に織り込んだショートカバー？？―改めて—―為替は難しい、、
・結局昨日の仏決選投票では左翼連合が首位、第２党がマクロン大統領の率いる与党連合で、なんと躍進予想の極右国民連合は3位という結果となりそうだ。この結果を踏まえて今朝のシドニー市場ではユーロが1.08台前半にやや軟化しているのは調整の調整か？
・ポンドの反発は労働党が14年ぶりに政権交代して政治的不透明感が払拭されたことによる“あく抜け”と理解できるが、仏や独の極右の台頭は今後とも要注意だろう。
・今週の焦点は半期に一度のパウエル議長の議会証言とその後木曜日の米6月CPIだが、先週金曜日のカナダの雇用統計で就業者数が予想外のマイナスになり失業率が悪化している点に注目。米失業率も4.1%に悪化しており、さすがに主要国の高金利による景気の減速は今後徐々に顕現化するだろう。
・木曜日の米CPIが予想通りに低下するならば、事前に知っているはずのパウエル議長の議会証言は“やっと”タカ派色が薄れことになるだろう。
・結局金利格差・景気格差によるドル円の上昇は一旦収束し、次の円ファンダメンタルズ悪化による年後半の円安第二段につながるものと考える。
・果たしてドル円再上昇前の底値はどこか？
じっくり見ていきたい。

◎＜豪ドル相場＞――米ドル軟調で予想外の67セント台に上伸。対円では108円台キープ

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6634-0.6752 　 AUDYEN  107.24-108.60
（先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6700    AUDYEN  104.00-109.00
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6800    AUDYEN  105.00-109.00

・先週はユーロ安に連れた豪ドル軟調を予想したが、見事に外れた。仏の第一回選挙後、マクロン大統領の与党連携工作や、左派連合の協力姿勢が明らかになり、極右国民連合の支持率が思うように伸びないとの楽観的な見方がユーロショートカバーを誘った。
・豪ドルはユーロの反発に加えて、RBAによる8月再利上げ観測が高まり、これも豪ドルをサポート。
・先週米豪10年債利回り格差が年初以来久しぶりに豪ドル債＞米ドル債（4.407%＞4.275%先週金曜日引け値）となっており、このまま格差が解消するようであれば、いよいよ筆者のいう“長年の豪ドルニュートラルレベル70セント”が見えてくるのだが。
・原油が84ドルに達したことが主因となり商品価格（CRB Index）が345台まで上伸していることも豪ドルフェイバー。ただハマスとイスラエルの和平交渉進展の可能性があり、そうなると原油反落となるだろう。
・豪ドルは久しぶりに①金利要因②ユーロの上昇③商品相場の堅調という三大要因にサポートされて従来の上限67セントをブレイクしたが、このまま70セントに向かうというのは無理があると考える。
・一方対円でも108円台まで続伸し、筆者の昨年末の作成した今年予想レンジの高値110円が視野に入ってきたが、こちらも「110円は近くて遠い」という印象（一旦ドル円の反落を予想するから）。

―読者各位―
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