「今週の相場の見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)...
4 November 2024 ◎<ポイント> ―日米政治イベント、日銀会合、米雇用統計で混とん― ・今週の予想レンジ:150-154円 先…
15 July 2024
◎<ポイント>
ドル円161円台後半から157円台前半まで急落
・ドルは木曜日に発表された米6月CPIが市場予想を下回ったことから調整売りが活発化した。6月CPIの結果は前月比-0.1%(予想+0.1%、前回0.0%)、前年比+3.0%(予想+3.1%、前回+3.3%)であった。
・それにしても、先週のパウエル議長の議会証言では、全般的にハト派的ニュアンスもあったが、肝心の市場が知りたい“9月利下げ”については(当然木曜日の弱いCPIを知っているはずだが)「将来の行動のタイミングについて本日シグナルを送ることはない」と述べて、証言後はむしろドル買戻しが活発化した(ドル円は161円台後半まで)
・また対円では、CPI発表後の政府・日銀による円買い介入実施の観測が高まり、161円台から一時157円台半ばまで大幅急落した。
・本邦金融当局は介入に対して「ノーコメント」の姿勢を貫いたが、日銀当座預金残高の推移より7/11には3.5兆円規模の円買い介入がなされ、翌12日の米PPI発表後にも再度介入が出たものと考えられる(当座残高の結果は未発表)。
・また12日にはユーロ円でのレートチェックの噂(日銀が直接銀行からユーロ円の現在の水準を聴取する行為)が流れたが、当局は実施の有無についてもノーコメントの姿勢。
・今回のドル円の大幅調整下落は、パウエル議長の議会証言後“ドル円買い安心感”が強まる局面で、予想以上の弱い米CPIをテークチャンスして政府・日銀が市場の過熱感を冷やしたものだろう。
・神田財務官の在任期間中は160円上を拒否する意思が感じられ、米景気減速・インフレ圧力緩和の流れが続くのであれば、日米金利差を背景としたドル円上昇も一旦沈静化する可能性がある→調整の下値ターゲットは150-155円レベルか。
・しかし年後半に向けて、日銀が債券購入額の減額や利上げを実施する過程において、日本の経済・財政ファンダメンタルズが更に悪化するという「円独自の売り材料」により、新たに円安第二段につながるものと予想する。
その場合の上値ターゲットは今回の高値を抜く170円レベルとなろう。
・週末にトランプ氏暗殺未遂のショッキングな報道があったが、基本的に同事件がドルのセンチメントを大きく変えるものではないと見ている。
◎<豪ドル相場>――米ドル急落で年初来の高値67セント台後半まで上昇。対円ではドル円の急落を受けて高値109円台から一時107円割れまで急落
先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6724-0.6798 AUDYEN 107.24-109.37
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6800 AUDYEN 105.00-109.00
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6900 AUDYEN 104.00-108.00
・先週は前週の米6月雇用統計(失業率は4.1%に悪化)後のドル軟調を受けて対米ドルでは堅調推移し、特に木曜日の弱い米CPI発表後は68セント一歩手前まで続伸。
・対円でもパウエル議長の議会証言で9月利下げのシグナルがなかったことからドル円が161円台に高止まりし、豪ドル円は一時1990年10月以来の高値109円台まで続伸した。
・しかし木曜日の予想を下回る米6月CPIとそれに続く政府・日銀の円買い介入観測により豪ドル円は急落。一時107円割れまで大幅下落して、107円台前半で越週した。
・米CPI後の米ドル下落による豪ドル反発(豪ドルは米ドルの受け皿)が活発化したが、更にRBAによる8月再利上げ観測がこのところ豪ドルをサポートしていることも事実。
・また米国のみならず豪州の株価(ASX)も先週金曜日には史上高値を更新しており、係るリスク選好地合も豪ドルをサポート。
・なお、先週指摘した米豪10年債利回り格差は依然として豪ドル債>米ドル債となっている。(金曜日引けでは豪州10年債利回り4.224%>米10年債利回り4.185%)
・ただし、RBAの利上げ観測高まる中での株価の史上高値更新は、いかにも「ゴルディロックス」の“いいとこ取り”過ぎるという印象も否めず、そう長続きするとも思えない。
・米ドル軟調が継続する場合には、筆者が長年のアベレージと位置付ける70セント台が見えてくるが、このステージでの到達は難しいのではないか?
・一方対円では引き続き調整圧力が予想されるが、下値105円割れでは新たな買い意欲とぶつかり合って乱高下が予想される。
―読者各位―
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東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。
1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。
現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ
☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。
☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/
☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。
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