22 July 2024

◎＜ポイント＞
ドル円は155円台まで下落して底打ち

・先週は「調整の下値ターゲットは150-155円レベルか？」と述べたが、161円台を付けたドル円の“調整の読み”は当たった。
・直接の下げ原因は①襲撃事件後支持率上昇が著しいトランプ氏が「円や人民元は安過ぎる」と苦言を呈したこと。②河野デジタル相がブルムバーグのインタビューで「円安是正のために日銀に利上げを要求」との記事が出たこと。③前週の弱い米6月CPI以来一連の米指標から9月利下げ観測が根強い一方、7月末の日銀会合では金融引き締めへの道筋が示唆されるとの市場の読み。
・ドル円は先週金曜には155円台前半まで続落したが、今回の高値161円台後半からは5円以上の調整急落であり、その後の急反発（157円台後半まで）を見ると、今回の155円台への下げによる“にわかショート”の買戻しか、あるいは新たなドル円買いポジション造成の動きなのか判然としない。
・7/11  、7/12の介入（合計推定5兆円程度）以来、先週7/17にも1000億円程度の少額介入が出た可能性がある。要は4月末、5月初の大量介入（10兆円規模）と比較して、7月介入は弱い米CPIの後や先週の要人発言の後（介入は観測に留まる）後など「より効果的、かつ、いつどこでも」介入に出動する体制に変化しており、この介入戦略は今後も続くであろう。
・米FOMCを月末に控えて米金融当局は既にブラックアウト期間（金融政策に対して発言を控える期間）入りしており、月末の日銀会合に向けて市場の種々観測が高まるだろう。
・個人的にはドル円はまだ“今回の底値”を見ていないと考えるが、いずれにしても「下げた後、上げており」、今週もアップダウンで方向性に欠く展開を予想する。

◎＜豪ドル相場＞――米ドルが底値から反発する中68セント台目前から67セント割れに反落。対円ではドル円急落を受けて一時105円割れに反落

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.67680-0.6788 　 AUDYEN  104.53-107.23
（先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6600-0.6900    AUDYEN  104.00-108.00
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6550-0.6750    AUDYEN  103.00-106.00

・先週豪ドルは68セント台乗せに失敗し、週を通じて売り戻される展開で、週末に向けて67セント台を割り込んだ。対円でもドル円が一時155円台に急落した折に104円台半ばまで反落した。
・木曜日に発表された6月雇用統計では正規雇用の伸びを反映して就業者数は5.02万人増と予想の2万人（前回は3.97万人）の倍以上の伸びを示したが、失業率は予想（前回とも）の4.0%を上回る4.1%に悪化した。景況感の悪化から年後半に向けて失業率は更に悪化するとの見方は依然全強が、これはRBAの予想と一致するもの。
・8月利上げについては依然意見が分かれるが、今回の雇用統計後でも全体としては利上げの予想する向きは20%程度であり、一時急激に高まった8月再利上げ観測の後退も豪ドルの反落の背景にある模様。
・今回70セント方向への反発がひとまず不発に終わったことや、市場の豪ドルロング（対円、ユーロ、NZなど）ポジション調整の動きも暫く継続することが予想されることから、対ドル、対円共に戻り売り圧力が強い展開が予想される。

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