29 July 2024

◎＜ポイント＞
1カ月足らずで161円台から151円台に下落
今週も激動の一週間か

「日米金利差によるドル円は161円で天井」と言ってきたし、調整は起こるべくして起こったと考えるが、下押し材料が次から次へと沸き上がった。
・7/11発表の米6月CPIが前回の+3.3%から予想より低い+3.0%(前月比では-0.1%)となり9月利下げ観測が強まる。
・同7/11と7/12連日政府銀が円買い介入に出た模様。
・トランプ氏のドル高是正宣言とバイデン大統領の大統領選撤退。
・河野デジタル相や茂木幹事長からの円安懸念発言や日銀への利上げ圧力報道→海外勢中心に7/31の日銀政策会合での利上げ観測強まる。
・米半導体株中心にナスダックの大幅下落とリスク回避の動き活発化、更には円キャリートレード巻き戻し観測。
これらポジション調整を活発化させる材料を背景に1カ月足らずで10円のドル円大幅下落であった。
・しかし今後を考えると、この下げも調整であり、今回の下値ターゲット150-155円を既に固めつつあると考える。
・政府関係者の発言で「安定した強い円が望ましい」とあったが、今回の161円台までの円安をもたらしたのは日本の経済・財政ファンダメンタルズの悪化であり、「安定した強い円」を望むのであれば、強いファンダメンタルズを取り戻すことが先決であろう。
・強い通貨を目指すための“金融引き締め”は、逆に更なる経済・財政の悪化を招く危険性があり、結果として再び円安方向を加速させることが考えられる。

◎＜豪ドル相場＞
RBAの利上げ観測後退する中、中国や国内景気懸念強まり豪ドルは調整反落。
特に対円ではドル円の151円台への大幅下落を受けて一時100円割れまで軟化した。軟調推移は予想したが、対円や対ユーロなどクロスの豪ドル売りは予想を超えていた。
ただ調整もかなり進んだと考えられ、今後は先週の下げで底入れして反発地合を予想する。

・先週豪ドルは週初の67セント近辺が天井で、種々の売り材料が表面化し、65セント台前半まで軟調推移した。
・対円ではドル円が一時151円台まで大幅下落したことと、対ドル下落の相乗効果で一時99円台前半と、今回の高値から10円以上の下落となった。
・来月8/6のRBA理事会での利上げの有無が焦点となる。RBAは高インフレが理由となり、先進国の中でも“最も利下げしにくい国”の中央銀行だ。金利面からの優位性が最大の豪ドルの買い材料視されるだろう。
・一方、中国の景気減速懸念という“古くて新しい”材料が浮上している点が気になる。中国経済動向は特に鉱物資源など豪州の輸出産品の増減に大きく関わるからだ。
・ただ今回豪ドルの高値からある程度調整が進んでおり、特に豪ドル円の100円割れや、豪ドルユーロの0.60割れは“売られ過ぎ”領域であり、“買い場”と考えられる。
・下げも一服で今週は売り仕掛けと値頃感からの買いが交錯する展開を予想する。

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