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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)26 August 2024

26 August 2024

<ポイント>
植田総裁証言、ジャクソンホールでのパウエル議長講演の受けて144円台前半までドル円下落

・今週の予想レンジ:142.00-146.00
・先週の植田日銀総裁と鈴木財務相の閉会中審査では8/5-6の史上最大の株価乱高下の説明が求められるとのことで、「株価にやさしい発言」を期待した。
・結果は、鈴木財務相は「デフレ脱却宣言していない」、「円高プラスマイナスどちらに影響が大きいか一概には言えない」と“利上げや円高”をある程度けん制する発言。
・一方植田総裁は「米経済への懸念が市場暴落の要因」、「経済見通しの実現確度が高まれば金融緩和度合いを調整へ」と発言して、自身の金融正常化戦略の正当性を主張した。→東京市場では145円台lowまで下落。
・一方パウエル議長講演では「政策調整の時が来た」、「進むべき方向は明確である」と述べ、9月利下げが明言されたとしてドル円は144円台lowまで続落
→結果として先週の「下攻め予想」は正解。
・印象として政府と日銀では株価やドル円レベルに対する認識が一致していない。一方米金融緩和は既成事実化しているということ。
・米金融政策では9FOMC(9/18)までのデータ、特に米国の8月雇用統計(9/8)や8CPI(9/11))は極めて重要。一方日本サイドでは特にインフレ指数が注目されるが、今後の株価やドル円レベルについて、政府と日銀の“温度差”に果たして市場がどう反応するか?前回も述べたように、今回の株価の最高値から8月初の安値への下落率は“米国の6%に対して日本は25%”下落しており、新NISAの旗振り役の政府としては、日銀暴走に歯止めを掛けたいところだろう。
・「日米金利差によるドル円上昇から日本のファンダメンタルズ悪化による円安へ」を標榜してきたが、目先日米金利差縮小が予想される反面、“痩せても枯れても”世界経済第三位の日本の経済・財政である。新興国と違って、財政・経済のポジションが急激に悪化することはないだろう。
・したがって目先ドル円は140円程度に続落し、日本の財政・経済ファンダメンタルズの悪化から“日本の格下げが議論され出して”、外人投資家による日本への投資配分が著しく低下する状況となって「新たな円売り」を生みだす展開なのかもしれない。その時期は年初に予想されたよりも後ずれして、来年にずれ込む可能性がある。
→今年のドル円高値予想170円の危機?

◎<豪ドル相場>
先週豪ドルはドルインデックスが100台半ばに続落し“米ドル全面安地合”となる中、68セント近辺まで続伸。一方対円では豪ドルドルの堅調をドル円の反落が相殺する形で98円割れまでやや軟調推移した。“豪ドルは米ドルの受け皿”で足元豪ドルの堅調推移が予想される。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6670-0.6798   AUDYEN  96.99-99.03
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.65500.6750    AUDYEN  96.00-100.00
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6650
-0.6850    AUDYEN  96.00-99.00


・先週は週末のジャクソンホール会合でパウエル議長が“利下げ”を明言したことから、週末にかけて米ドル全面安となり、ドルインデックスは100台半ばに続落して、豪ドルは68セント手前まで続伸した。対円ではドル円の下落が豪ドルの上昇にやや勝り97円台半ばまで反落した。
・前週の強い7月就業者数の伸び(+5.82万人)と金曜日のブロック総裁のタカ派的議会証言も豪ドルをサポートした。
・今週国内指標では8/28(水)に発表される7月CPI(予想+3.4%、前回+3.8%)や8/29(木)発表されるQ2民間設備投資(CAPEX)(予想1.0%、前回1.0%)が注目されるが、特に7月CPIが順調に低下する場合、RBAのブロック総裁のタカ派姿勢がどう変わってくるか?あるいは引き続きタカ派に固執するか?注目度大である。
・足元米ドル軟調から豪ドルは上値トライが予想されるが、依然70セントの大台は“近くて遠い”という印象。
・一方対円ではドル円が続落する場合には豪ドルの上昇を上回って下値圧力(95円割れ)が一時的にせよ増加する可能性がある。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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