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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) 30 September 2024

30 September 2024

<ポイント>
146円台付けた後、総裁選の結果受けて142円台に急落の荒い展開(汗)―

・今週の予想レンジ:141.50-145.50 ―総裁選後の過剰(円高)反応は是正か。
先週のレンジ:142.08-146.49 (先週の予想レンジ:142-146)
・先週は米経済のソフトランディング期待のある中、“予想通りに”ドル円は節目となる145円台を付ける動き。しかし週末の総裁選に大きな“どんでん返し”が待っていた。
・金曜日の総裁選第一回投票では積極財政を主張する高市氏がトップに立ったことからドル円は146台へ上昇。
・しかし決選投票で石破氏が逆転勝利し、ドル円は一気に142円台に急落。その後も戻り売り強く142円台lowで越週した。
・いよいよ今週はよりQ4に突入。11/5の米大統領選まで1ヵ月あまりとなってきた。今週の焦点は金曜日の9月米雇用統計(予想失業率は前回と同じ4.2%nfpr+13万人(前回14.2万人))であるが、月曜日深夜に予定されるパウエル議長の全米企業エコノミスト協会における講演も気になる。はたして米経済のソフトランディング観測をサポートするものになるか?
・しかし先週金曜日の146台→142台には参った。しっかりSLヒット(汗)。
総裁選決選投票での石破氏逆転勝利、、、政治の相場への影響には否定的だが、高市氏=積極財政、利上げ反対(=円安)とい前提が出来ていただけに、決選投票での逆転は市場にインパクトを与えた。
筆者もロングで捕まった口だが、「まあ、交通事故であり、相場をやっている以上致し方なし」としか言いようがない。
・しかし今回を別にしても、さして重要ではない米国の指標にも50-60pts平気で反応するドル円を見るにつけ、“実需不在の投機相場”の印象を受ける。逆を言えば実需の為替はこのボラタイルな相場では出づらいのではないか?
実需のオーダーが不在で天井や底が抜けやすい相場ということだ。
・したがって、100pts程度の上下動は、いつでもどこでも、ということだ。
このまま米大統領選へ続くボラタイルな相場展開が予想される。
・金曜日の146142Too muchだと感じる。今週はその巻き戻しが入ることを予想する。

 

◎<豪ドル相場>
先週の豪ドルは米ドルが軟調推移する中、RBA理事会での金利据え置き、タカ派的声明もあり、69セント台まで続伸した。対円では先週金曜日のドル円の乱高下を受けて100円台から98円台に急落を演じた。引き続き不安定な展開が予想される。

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6800-0.6937   AUDYEN  97.62-100.72
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6700-0.6900   AUDYEN  96.00-100.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6800
-0.7000    AUDYEN  97.00-101.00


・先週豪ドルはFOMC以降の米ドル軟調地合を受けて上昇トレンドを築き、対米ドルでは昨年2月以来の高値69セント台まで上昇した。対円でも金曜日に100円台後半まで続伸したが、総裁選の結果を受けたドル円急落(146円台→142円台)を受けて、100円台から98円台前半まで急落した。
・注目のRBA理事会では予想通りに政策金利が4.35%に据え置かれたが、声明では「インフレ上昇リスクに引き続き警戒が必要」、「インフレを確実に目標に戻すには金融政策は十分に制約的にある必要」と引き続きインフレ警戒姿勢を維持。
一方ブロック総裁は「今回の会合では利上げついて明確に考慮しなかった」、「豪ドル相場の上昇を促すつもりはない」と述べるなど従来のタカ派一辺倒からやや軟化が見られた。
・豪ドル続伸の背景には中国人民銀行が景気浮揚のために年末までに一連の金融緩和策を実施すると発言し、豪州産資源価格の上昇期待が芽生えたことが挙げられる。
・チャーマーズ財務相は「中国の一連の景気刺激策は本当に歓迎すべき展開」と述べている。
・豪ドルとの付き合いの長い筆者にとって、従来豪ドルの歴史的ニュートラルレベルは70セント前後との認識があった。しかし昨年2月以降豪ドルは70セントの下に潜り(安値は61セント台)、筆者としても「安値覚え」に陥っている可能性がある。豪ドルの本格的な回復には世界経済の再拡大が必要であると考え、足元はむしろ「豪ドルは米ドルの受け皿」で、対米ドル堅調推移が予想される。
・対円では先週のドル円142円台への大幅下落は行き過ぎであり、修正されると考えるが、暫く円買い圧力が継続する可能性がある。
再び100円台回復にはやや時日を要しよう。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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