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「今週の相場の見通し」by Joe Tsuda (津田 穣)4 November 2024

4 November 2024

<ポイント>
―日米政治イベント、日銀会合、米雇用統計で混とん―

・今週の予想レンジ:150-154
先週のレンジ:151.79-153.88 (先週の予想レンジ:150.00-154.00)
・先週月曜日は自公連立過半数割れを受けてドル円は153円台で約1円↑のギャップオープン。
・“日本の政治混迷もファンダメンタルズ悪化の一環”と考え「週末に向けて154円台に続伸の読み」は空振り→自身のポジションも見通しとは裏腹にショート志向に変わっていった。
・現実的に野党連合の可能性が低いことで円売り圧力は減少。
・日銀会合では日本の政治的不安が高まる中、植田総裁のタカ派色が薄れるのでは?との思惑(筆者も含め)があったが、学者・植田総裁は意に介せず?展望リポートで来年の物価見通しに上振れリスクが指摘され、植田総裁の前回の文言「(利上げに)時間的余裕がある」が削除されて「毎回の会合で判断」としたことが、年内含めて早期利上げ観測につながりドル円は152円割れに。
・加えて金曜日の米雇用統計は、失業率は予想通りに4.1%を維持したものの、nfprが予想値+10万人(前回は+22.3万人←+25.4万人から下方修正)に対して+1.2万人と極端に悪い数字となり、発表直後は米債利回り急落、ドル円は152円割れに下落→しかし、事前にハリケーンやボーイング社ストの影響が取り上げられていたことから、むしろ引けにかけて米債利回り反発、ドル円も153円台まで急回復した。
・ただ今朝のシドニー市場ではドル円は再び152円台lowに↓ギャップオープン(NY引けは152.95レベル)。週末の米大統領選支持率で優勢であったトランプ氏とハリス氏の差がほぼない状態に縮まったことが原因で、ドル円への売り圧力が強まっている。
・明日は米大統領選――個人的には依然としてトランプ勝利と予想(勝ってほしくないが!!)しているが、トランプトレードによるドル買いがかなり進んだこともあり、たと同氏が勝ってもBuy on Factも大したことはないかもしれない。
・むしろ先週の日銀会合や米雇用悪化により“ドル円買いに対する後味の悪さ”が残っており、もう一段ドル円は下落してもおかしくない。
・またまた「ファンダメンタルズ悪化による円売り」はお預けとなりそうだ。
大統領選前の下値は151円台前半か。

 

 

◎<豪ドル相場>

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6537-0.66.17   AUDYEN  99.54-101.52
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500-0.6800  AUDYEN  100-104)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6500
-0.6700    AUDYEN  99.00-102.00


先週は米ドルが金曜日の雇用統計に向けて軟調推移する中豪ドルも65セント台前半から一時66セント台まで上昇。一方対円ではドル円が週初の高値153円台後半から徐々に下落する中、一時99円台半ばまで反落した後、100円台を回復したが、100円台では上値の重い展開となった。
・水曜日に発表されたQ39月のCPIはそれぞれ前期比+0.2%(予想+0.3%、前回+1.0%)、前年同月比+2.8%(予想+2.9%、前回+3.8%)9月の数値は+2.1%(予想+2.3%、前回+2.7%)といずれも予想を下回り、発表後は65セント台前半の週中安値を付けたが、下値も限定的で、むしろ米ドルの軟調にサポートされる形で週末に向けて堅調推移。ただし対円では上述のようにドル円の乱高下に左右されながら現在100円前半で軟調。
・今週、明日のRBA理事会では政策金利据え置き(4.35%――202311月の利上げ以降据え置き)予想であるが、9月及びQ3の弱いCPIを受けてRBAのタカ派スタンスに変化が見られるか注目される。
・ただ今週は明日の米大統領選の結果が最大の関心事。民主党の勝利のみならず、トランプ氏勝利の場合もそれを囃したドル買いがあまり予想できないため、ドル反落の場合には「豪ドルは米ドルの受け皿」で豪ドル反発となり、一方ドル円下落の場合には豪ドル円も100円の下に潜る可能性があろう。
ただ米ドルの下落も一時的と思われるため、未だ豪ドルがそのまま上昇トレンドを築くと見ることはできない。


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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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