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「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)10 February 2025

10 February 2025

<ポイント>
―先週は155150だが、“だだ落ち”とは思えない―

・今週の予想レンジ:150.50-155.50円(引き続き乱高下予想)
先週のレンジ:150.93-155.88(先週の予想レンジ:153-157

・先週は結果的にドル安、円高、ポンド安となった。
・週明けはトランプ関税巡ってリスクオフとなりドル高・円高に。
トランプ大統領はメキシコ・カナダの輸入品に25%、中国からの輸入品に10%の追加関税を課すと決定。EUに対する関税賦課の可能性も示唆。→しかしその後メキシコ・カナダは首脳会談後事態が収拾され発動は1ヵ月延期。
・一方中国への課税は4日から発行され中国も対抗措置を10日から実施すると発表。
・しかし週後半にかけては週初のリスク回避のドル買いが徐々に巻き戻される展開。
日本の賃金や所得の伸びが予想を上回り、植田日銀総裁、田村審議委員が追加利上げに前向きな発言をし、赤沢再生相も「インフレ認識に日銀との齟齬はない」と発言して追加利上げ観測が広がり、ドル円は週初の155円台から一時150円台まで大幅下落。
2/6の英中銀理事会では予想通りに25bp利下げが行われ政策金利は4.5%となったが、タカ派のマン委員が50bpの利下げを主張したことからポンド売りが活発化した。
・週末の米雇用統計はnfprが予想を下回ったものの、前回分が約5万人上方修正され、失業率は4.0%1pt改善、更に平均時給も予想をやや上回ったがドルの上値は重く、発表後にドル円は再び151   円を割るレベルまで反落し、151円台半ばで越週した。
・ドル円軟調の理由としては日米首脳会談に対する警戒感があったと思われるが、同会談では特にトランプ政権側から日本への厳しい注文はなく、石破首相が大型の対米投資を約するなど、むしろ友好ムードであった。
・今週の注目材料は米1CPI(予想2.9%、前回+2.9%)と、火曜、水曜両日に上下院で行われるパウエル議長の半期に一度の議会証言だ。
・先週トランプ大統領はFRB1月政策据え置きをサポートする発言をしたが、果たしてパウエル議長がインフレ警戒的な姿勢を堅持するか?
・トランプ関税政策の山場を一応通過して、リスク回避ムードも一服するのであれば、先週高まったリスク回避的な円買いポジションが今週はリバースされる可能性があるだろう。
・もちろんトランプ政策への警戒感を解除するわけにはいかないが、当初の過激な言動とその後の交渉姿勢は徐々に市場に織り込まれていき、ドル円は調整反発する可能性があるだろう。

 

◎<豪ドル相場>

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6087-0.6300   AUDYEN  94.49-96.75)
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6100-0.6400  AUDYEN  95.00-98.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6150-0.6350    AUDYEN  94.00
97.00


・先週豪ドルは米ドルが軟調推移する中(ドルインデックスは109台から107台へ反落)、対米ドルでは一時63セント近辺に反発。対円ではドル円の150円台への大幅下落につれる形で94円台半ばまで下落した。
・対米ドルでは米ドル反落を受けて豪ドルは安値60セント台で一旦底打ちした形だが、トランプ関税政策のへの警戒感は依然継続しており、またRBAの2/18理事会における利下げ開始とその後の追加利下げ観測が豪ドルの上値を重くしている。
・また、ドル円の大幅下落を受けて95円台のサポートレベルがブレイクされつつあり、完全にブレイクすれば一段と豪ドルへの売り圧力が高まろう。
・ただトランプ関税が主要国との妥協を得て、最悪の貿易戦争が回避できる場合には、かなり豪ドル売りに傾いている市場ポジションの調整買戻しが活発化するであろう。
・今週はポジション調整の豪ドル買い戻しと、新たな売り圧力が交錯して、豪ドルは、対米ドル、対円共に乱高下しよう。

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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