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ビジネス

「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)17 February

17 February 2025

<ポイント>
―先週は再びドル軟調(ドル円一時151台半ば、ユーロ1.05台まで)―

・今週の予想レンジ:151.50-154.50円(引き続き方向性に欠く展開か)
先週のレンジ:151.57-154.80(先週の予想レンジ:150.50-155.50

・先週はドルが下落した(米ドルインデックス108台→106台)。一時ユーロは1.05台まで上昇し、ドル円は151円台まで下落。
・引き続きトランプ関税政策の諸発表により相場は乱高下。
・週初鉄鋼・アルミに25%関税を課すと発表し、日本も例外ではないとされ、EUは対抗措置を取ると発表。ただ、米国の発動は3/12と猶予期間が設けられた。
・週後半には「相互課税」を課す発表されたが、即時発動は回避され4月に先延ばしされた。
・つまり「ドカーンとかまして、その後ネゴにより軟化」のパターンを市場は徐々に織り込み、週初は顕著であった「リスク回避の円買い・ドル買い」が徐々に剥落する展開に。
・発表された1CPIPPIはいずれも予想を上回ったが、ドルの反発も一時的で、上記「リスク回避のドル買い」の後退と共に、ドル円は152円近辺に反落し、ユーロは1.05台まで上昇して越週した。
・トランプ関税が一巡し、次の焦点はウクライナ戦争や中東などの停戦合意に移っている。本格的な紛争の終了となればリスク選好地合となり、特に原油価格が下落して世界的なインフレ再燃懸念も後退するだろうが、一筋縄に終戦合意となるかは依然不明。
・先週は、それまでトランプ関税や米インフレ懸念の再燃を背景に買われていたドルが調整反落したが、このままずるずるとドルの下落が継続するとも思えない。
・米経済の堅調さにウクライナ停戦合意となればドルのリバウンドが予想されるが、一方、円買い材料は、金曜日発表の日本の1CPIも先月より上昇予想で、既に米国の1CPI3.0%を上回る3.1%予想となっている点。
・日本においては依然インフレ率上昇=日銀の利上げの発想が一般的で、筆者のように、インフレ上昇が日本のファンダメンタルズを悪化させ円売りにつながるとの見方は乏しい。
・ただここまで150円台、151円台と二度下攻めしており、テクニカル的にはダブルボトムを形成しつつあると見ている。

 

 

◎<豪ドル相場>

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6235-0.6365   AUDYEN  94.97-97.33)
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6150-0.6350  AUDYEN  94.00-97.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6250-0.6450    AUDYEN  95.00
98.00


・先週豪ドルは米ドルが軟調推移する中(ドルインデックスは108台から106台へ下落)対米ドルでは63セント台に反発。対円でもドル円の下値151円台がサポートされたことから、一時97円台まで反発した。
・今週18日のRBA理事会では2023年11月以来据え置かれてきた政策金利を4.35%から25bp利下げするとの予想が一般的であるが、利下げが実施されれば2020年11月に0.25%から0.1%に利下げされて以来となる。
・前回のRBA理事会(12/10)の声明で「政策は十分に制限的である必要がある」との文言が削除され、RBAは“基調的なインフレが目標に向かっているというある程度の確信を得つつある”との見方が広がっていた。
・問題は今回の利下げが一過性なのか、あるいは今後の継続利下げをどの程度示唆するかという点。
・依然として市場の豪ドル売りポジションが存在することから、上記の鉄鋼・アルミへの25%関税から豪州を除外する(T01の時も除外された)ことが確認されれば、足元の豪ドル反発が継続する可能性があるだろう。
・一方金融緩和の継続が示唆される場合には豪ドルの65セント台や100円台回復の可能性が再び遠ざかることになろう。

―読者各位―
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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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