at_money_service
ビジネス

「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣)24 February 2025

24 February 2025

<ポイント>
―下攻め(149.00)の見方は正解、さてここから??―

・今週の予想レンジ:148-151円(依然下値テストの余地あり)
先週月曜日の「今週の相場の焦点」では予想レンジ:151.50-154.50で方向感なし
としたが、翌日のセントラル短資FXの「マーケットビュー」では向こう1週間の予想レンジを「149-154」と変更して「下値テスト局面」と修正したのは正解であった。
・日本の4QGDPが年率+2.8%(予想+1.0%、前回+1.7%)と非常に強く、また金曜日に発表された1CPI+4.0%(予想+4.0%、前回+3.6%)、コアCPI(除く生鮮・食品)+3.2%(予想+3.1%、前回+3.0%)と強く、上記GDPと併せて日銀追加利上げ観測が高まった。
・高田日銀審議委員は講演で“ギアシフト”の表現を多用して追加利上げ観測をサポートし、10年国債利回りは1.43%台に上昇。
・トランプ関税では日本の自動車産業に与える影響が懸念された。またウクライナ停戦を巡って米ロが接近し欧州など周辺地域に警戒感が高まり、欧州経済不安と相まってユーロは1.05台で頭打ちとなった。
FOMC議事録では“暫く利下げを見送る姿勢”が確認された。
・先週金曜日の日本の1CPI+4.0%)発表後、植田日銀総裁は「長期債の急上昇に機動的に国債買い対応する」と述べ、ドル円は149円台前半から一時150円台後半に急上昇→しかしNY市場で発表された一連の指標(サービスPMI2月ミシガン大学消費者信頼感、1月中古住宅販売等)が弱く、ドル円は再度149円割れまで反落するなど乱上下。
・日米金融政策、トランプ関税などの重要イベントお通過しつつあるが、ドル円は1月の高値158円台から先る(over done)もの→更にドル円は下掘りすると予想(下値目途は146-147台か?)
・日銀は2023年の無策ゆえの“周回遅れのインフレ急騰”の後手に回った形。
コロナ禍やウクライナ戦争を経て経済の質(インフレ原因)が変質したことを見過ごしたことによる後追いでとならなければ良いが。
・遅行系列であるインフレ指数の後追い―今後の日本経済ファンダメンタルズの急激な悪化となれば「円の大幅下落」は避けられないであろう。
・今後の相場の焦点はウクライナ停戦や日銀の利上げとなる―トランプ政策が引き続き相場のかく乱要因で要注意。

 

 

◎<豪ドル相場>

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6327-0.6408   AUDYEN  94.65-96.78)
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6250-0.6450  AUDYEN  95.00-98.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6300-0.6500    AUDYEN  94.50
97.50


・先週豪ドルは米ドルが軟調推移する中(ドルインデックスは再び106台へ下落)対米ドルでは一時64セント台まで反発。対円ではドル円の149円台への下落に連れて一時94円台に下落した。
・予想通りにRBA理事会では2023年11月以来据え置かれてきた政策金利を4.35%から25bp利下げしたが、RBAの四“半期金融政策報告書”では2026年以降のインフレ見通しを上方修正し、ブロック総裁は「今回の引き下げは今後の引き下げを暗示するものではない」、「今後の道筋はデータ次第」と市場の金利先安観に釘を差した。
・発表された四半期賃金指数は前期比+0.7%(予想+0.8%、前回+0.8%)と予想をやや下まあったものの、1月雇用統計は就業者数が+4.4万人と予想+2.0万人(前回+5.6万人)大きく上回り、ブロック総裁のインフレ懸念の裏付ける結果となった。
・トランプ関税やウクライナ停戦問題など依然不透明感強く、加えて米株が不安定な動きを見せていることから、リスク回避状況が続けば豪ドル買い戻し続かないだろう。
一方先週来米豪の10年債利回り格差が、昨年12月中旬以降初めて豪州債>米債となっており、豪ドルサポート要因と考えられる。
・足元は米ドルやや軟調地合で豪ドルの対米ドルは堅調推移が予想されるが、対円では93円台程度まで短期的に下押しする局面が予想される。

 

―読者各位―
◎ジョーのTWITTER、フォローしませんか??
アドレスは@joetsudaFX です-相場の話など意見交換しましょう!!
◎セントラル短資FX社の「マーケットビュー」(週報-毎週火曜日にアップ)に15年近く投稿しています。(https://www.central-tanshifx.com/market/marketview/column/?morecnt=0&itemtype=1&pdate=20221121
斬新な相場観をご披露します!!

この記事をシェアする

Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

この投稿者の記事一覧

概要・お問い合わせ

その他の記事はこちら