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ビジネス

「今週の相場の焦点」by Joe Tsuda (津田 穣) 17 March 2025

17 March 2025

<ポイント>
146円台から一時149円台に反発。底打ちか?―

・今週の予想レンジ:147.00-150.00(底堅い展開か)
先週のレンジ 146.54-149.19
先週の予想レンジ:145-149円(乱高下予想)
・先週は一時146円合半ばまで下攻めしたが、ショートカバーも厳しく、一時149円台まで反発するなど、むしろ146円台で下値達成の感が強かった。
・ドル円は146-149間で方向性に欠ける展開で、前週からの「ドル安・円高・ユーロ高」センチメントを維持しつつも、むしろ円売り戻しの調整色が強かった。
・ウクライナ情勢では米ロ協議やウクライナとEUの協議などの関連情報に市場が振り回される展開だが、依然米・ロシア・ウクライナ・EU間の思惑が錯綜し、ウクライナ和平に対する不透明感が払拭できない。
・トランプ関税では米とEUの対立が鮮明化しつつあるが、ウクライナ情勢も絡んで複雑化しつつある。
・独ではCDUSPDの連立案に加えて、「金融パッケージにおいて緑の党との解決策に合意」との報道で一時ユーロが買われたが、依然詳細については不透明で今後もユーロの方向性は判然としない。
・米つなぎ予算については予想通り成立の見込みであるが市場は織り込み済か。
・ドル指数は引き続き103台と軟調だが下げに一服感も出つつある。また米株中心調整が進んだ世界の株価であるが、こちらも底打ち感が出つつある。
・一方金価格は初めて3000ドル台の史上高値を付けたが、ウクライナはじめリスク逃避的な買いなのか、インフレ警戒的な上昇なのかこちらも判然としない。
・今週は日銀会合、FOMCBOE理事会、スイス中銀理事会があるが、スイス中銀の利下げ予想(0.50%0.25%)以外、日米欧は据え置き予想となっている。
先週発表された2月米CPI2.8%(予想2.9%)、コア3.1%(予想3.2%)と予想をやや下回り、従来であればドル大幅下落したであろうが下げは限定的。また春闘第一回回答集計の結果が5.46%と昨年の5.28%を上回る34年ぶりの高水準であったが、筆者の思惑と異なり、ドル円の下げも146円台半ばと限定的であった。
つまり今週の日米欧の金利据え置き予想がある以上、金融政策格差によるドル下げは難しい。
・であれば、ウクライナ和平やトランプ関税を材料視して米ドルの底堅い動きを考えた方が無難なのか?正直言って(今までドル円↓を見ていた)方向感覚を失いつつある。

◎<豪ドル相場>

先週の相場レンジ―AUDUSD 0.6187-0.6364   AUDYEN  91.82-94.10)
(先週の予想レンジ―AUDUSD 0.6150-0.6450  AUDYEN  91.00-95.00)
今週の予想レンジ―AUDUSD 0.6150-0.6450    AUDYEN  92.00
96.00


・先週は米ドルが軟調推移(米ドルインデックスは103台)する中、金をはじめとした商品相場の堅調に支えられて63セント台を維持。対円でもドル円の149円台への反発により94円台まで値を戻した。
・金価格は初めて3000ドル台に上昇し、一方昨年後半91ドル台まで下落していた鉄鉱石価格も102ドル台まで回復するなどして商品相場(CRB Index)は367ドル台で堅調推移しており、豪ドルをサポートしている。
・ただ、依然豪ドル不安材料は多い。
トランプ政権は豪州産のアルミニウムや鉄鋼石への25%関税免除に対しては否定的であり、一方アルバニージー政権は、家計の生活費上昇とインフレ再燃をもたらすとして、米国へ相互関税はかけない方針だ。
・一方ハウザー副総裁は米関税政策がもたらす経済的緊張は世界的な設備投資と経済成長にとってマイナスであり、世界貿易への懸念は過去50年で最大との見方を示した。
・また米中貿易交渉は依然デッドロック状態で、中国は「米国が関税緩和に向けたフェンタニル対策への指針を明確に示していない」と非難し、ホワイトハウス筋によると、現在米中首脳会談の予定はないという。
・米ドル軟調と、ドル円反発により対米ドル、対円共に堅調推移している豪ドルであるが、依然不安材料多く、63セント台、94円台では上値の重い展開が予想される。

 

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Joe Tsuda のプロフィール

東京銀行(現 東京三菱UFJ)のバーレーン支店で為替・資金ディーラーとしてスタート。ロンドン支店為替チーフディーラー、本店オプションデスク勤務後、1990年外資系銀行(米系、スイス系)に移り為替・資金業務に携わる。

1995年に来豪し第一勧業銀行(現 みずほコーポレート銀行)の為替ヘッドとして2007年まで活躍。

現在 AT FUND PTY LTD, Sydneyのダイレクターを務める傍ら、日本の投資家に日々市場メッセージを発信している。豪州金融市場に友人も多い。為替歴30年。趣味:ゴルフ、テニス、ワイン賞味、ネコと遊ぶ


☆FXトレーディングにはFXマガジン「侍ディーラーが相場を切る」をお勧めします。
詳しくはhttps://foomii.com/00130をご参照ください。

☆現在セントラル短資FXブログに執筆中!(毎週木曜日担当、ヤフーファイナンスに同時掲載)
http://www.central-tanshifx.com/

☆日経新聞月刊誌”日経マネー”に定期寄稿
ご注意!本レポートは著者の作成時点における見解により作成されており、内容等の正確性を期しますが、それを保証するものではありません。投資等のご判断は皆様ご自身でなされるようお願い申し上げます。

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