♦売春いかが? パート1♦
”好奇心旺盛な15歳”といった言葉がピッタリだった学生の私が、20年経った今も”好奇心旺盛な35歳”である事に気付いたのは、つい最近の事だ。
特別買いたい物があったわけでもないのだか、”皆、何を売ってるのかね?”といったちょっとした好奇心で、ジャムスの”クラシファイドの売ります広告”を見ていると”不労収入のビジネス売ります”と言うのが目に入った。
私の本業はカメラマンなので、”ビジネスだか不労収入だか知らないけど、それより先に溜まってる写真の編集しろよな”と叫ぶ冷静な私に、”おいしい話があるかもしれないぜ!いひひひ・・・ 聞くだけでも話聞いてみな。 何か新しい人生の扉が始まるかもしれないじゃないか!”と叫ぶのは、私の心にすんでいる好奇心旺盛な悪魔の私だった。
その日は金曜の夕方という事もあり、ほろ酔い気味の私は、”新しい扉”という宗教的な言葉に惹かれたのか、3本目のビールをぐいっと流し込んだ頃には、「どんな不労収入のビジネスをされているのですか?詳細を教えてください」と、記載されていたメールアドレスにメールの送信を完了していた。
今覚えば”何を考えていたんだろう”と後悔しきれない行動だが、そんな冷静な私は撃沈され、好奇心旺盛な悪魔の私が勝利を収めたのである。
その後私は、いつもの通り写真の編集に追われ、そんな出来事があったことすらすっかり忘れていた翌日、一件のメールを受信した。
”メールありがとうございます。不労収入は人材派遣です。レストランやマッサージに人材を派遣し、その方が1時間働くと10ドルもらえる仕組みです”と言った内容であった。 メールの送り主を見てみると、”山中えみ”さん(仮名)と表示されていて、物腰の柔らかい文章ではありながらも、”宜しくおながいします。”と記載されていたりして、ちょっと”うっかりお姉さん”の印象を受けた。
その”うっかりお姉さん”が、”普段はITシステム企業の取締役との事で、とてもお忙しいらしく、これ以上のビジネスの詳細はお会いしてから・・・”との内容で返信を頂いた。
”まぁ、会うくらいいいか”と突発的な好奇心で返信すると、”うっかり取締役お姉さん”からの返信がすぐに返ってきた。
”それでは、XXXの前で立ってます。黒いスーツを来てスーツケースを持っています。紙の色は黒です。”
”へ・・・??立ってますって・・・ お待ちしてますの方が聞こえが良さそうだけど・・・ それにスーツケース??空港から着たばかり??ブリーフケースの間違い??紙の色??あぁ、髪の色ね・・ そりゃ、黒だろっ・・・ 赤毛やブロンドの取締役ってのもねぇ・・・”
このあたりで私の好奇心と困惑はオーバーヒートしかけたが、私以上に暇で好奇心の旺盛な友人S子を誘ってみる事にした。
私はビールを片手にこれまでの状況を全て説明し終えると、S子はあっさりこう言った。
”あんたも、たいがいねぇ・・ そんな話あるわけないじゃーーん!仕事しないでお金がもらえるわけないでしょ!あーやーしぃーー!絶対あーーやーーしぃーーーー!”
ごもっともな回答である。 働かないとお金がもらえないのは、私が5歳くらいの時に既に学習した気がする。
それを30年後に疑うなんて、私の両親も今頃このブログを読みながら、”情けないねぇ・・・うちの息子ったら・・・”と肩を落としているに違いない。
今更になって冷静な私が逆転勝利をおさめ、”うっかり取締役お姉さんの山中さん”に一本のお電話を入れてみると、電話口で無愛想な男が出てこういった。
”西田(仮名)ですけどぉーーっ・・・・・・”
続く・・・・
パート2はこちら→ http://web.jams.tv/photo/blog/view/id-10181
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