♦売春いかが? パート2♦
パート1をまだ呼んでいない方は、まずこちらのリンクからパート1をご覧下さい。http://web.jams.tv/photo/view/id-10176
”(あれっ・・・男が出た・・・・???) あのぉーー、不労取得ビジネスの事なのですが・・・ 山中さんはいらっしゃいますか・・?” 私は動揺すべく電話越しにたずねて見ると、男の西田さんはこう言った。
”あっ、それ私です・・・ 私の名前、西田じゃなかった、間違えちゃいましたーー!はははは・・・”
私も今年で35歳になるが、自分のお名前を間違えた人にお会いしたのは、今回が始めてだ。
”あぁ、そうなんですね・・・ 山中さん・・・。 じゃ、今日の夕方5時にXXXのカフェでお待ちしてますので・・・・” と好奇心オーバーヒート状態の私は、静かに電話を切った。
その日の夕方、仕事帰りのS子をボディーガード代わりにつけ、待ち合わせ場所のカフェの前に先に到着した私たちは、山中さんらしき男性見つけるべく、辺りをぐるっと見回してみた。
すると、日本人らしき小柄の男性が黒っぽいスーツを着て立っているのが見えた。 年のころは27~30歳くらいのボサボサ頭で、手には色のはげたカバンをもち、遠めで見ても”取締役”というよりは、どちらかと言えば”取調べ”でもされそうな風貌であった。
そんな”彼が一体どんなビジネスをしているのか”と言うことだけが気になり、思い切って声をかけてみた。
”すいません、山中さんですか? お約束しておりましたかつですが・・・、あと友人のS子です・・・・” (近くで見ると更に怪しい風貌だ)
”あぁーーっ、あのビジネスの人ぉー?? あれ??この人お友達ぃーー? あっそぉーーーー、じゃーーっ・・・”とカフェに入り、賑やかなカフェに席を取った。
一応立派な名刺を頂いたが、山中さんはどうやら人と目を合わせることが苦手らしい。
先日のメールでは、”ITシステム関係の取締役”とのことだったが、今日頂いた名刺に記載されている業務内容を見てみると、どうやらビジネスコンサルティングの取締役らしい。 さぞ多忙な人生を送っていらっしゃるのだろう。
そんな彼の話によると、”今の仕事があまりにも急成長しすぎていて、手が回らないので、人材派遣のビジネスを売ろうと無料広告のクラシファイドに載せた” というのだ。
取締役いわく、あと3年後には東証一部上場を目指しているとの事で、近日中には東京にも何件か支店をオープンするらしい。
”ところで肝心な人材派遣の不労ビジネスなんですけど、どんなお仕事なのか具体的に教えてください。” とS子が切り出した。 どうやらビールの酔いがさめたらしい。
そうすると山中さんはこう言った。
”この人材派遣の仕事はですねー、日本人の女性をマッサージ店に送る仕事ですー。”
”派遣した女性が1時間働くたびに10ドルの収入があなたにはいります。5時間働けば50ドル、それが5人いれば250ドル!!”と当たり前の計算式を紙に書きながら、ますます怪しい説明を続けた。
”セックスとかするとこじゃーないですよー マッサージですからーー!まっさーじぃー! ちゃんとトレーニングもしてくれますしぃ。 質のいい女性しか雇わないんですよぉー かつさんとS子さんのお仕事は、クラシファイドを見て応募してくる女性をマッサージ店に連れて行くだけです。 なーーんにもしなくていいのです。”
”それに男性にはおいしい機会もあって、そのような女の人といろんな意味で知り合いになれますしねー!あとはかつさん次第ですよー えへへ・・・・ ”
”ちゃんとしたお店ですから、セックスはなしですよー!中国人のオーナーで、全てキャッシュでマージンを払ってくれますー ねっ、簡単でしょ!現在毎月3000ドル位の純利益がありますよ。” (メールでは毎月1000ドルの純利益って書いてたけど、まぁ、いいか・・)
”もともと3万5千ドルで売ろうと思っていたのですが、割引に割引を重ねて、現在は3000ドルで結構です。私の名前も収入も本当ですし、おかげで私、お金も数億もってますぅー なのでもうこのビジネス売りたいんですよねー!だってもうすぐ本業が上場しますからー! あははははーー”
”・・・・・・・・・・。”
絶句のS子を横に、ここで私がもう一歩突っ込んでみた。
”でもそれって風俗店に女性を送るんですよねぇ?セックス無しなんておっしゃってますけど、普通そういうところって中で何やってるかわからないんじゃないんですか・・・ 売春あっせんで捕まらないのですか?それにビジネスって、結局何を提供して頂けるんですか?”
”んーーー、内容によりますけど、マッサージですから大丈夫じゃないですかねぇ・・ よほど相手の男性がかっこよくない限り、しないと思いますよー。 チャイナタウンのいいお店ですし、ちゃんと現金で支払ってくれますよー あと良ければマッサージの場所にお連れしましょうか?”
あと提供するものですけど、私のクラシファイドのパスワードをお渡ししますのでー”
”へっ??クラシファイドのパスワード??売ります・買いますの時に編集するあれですか???”
”はい、あと、問い合わせ用のホットメールアドレスのパスワードもお渡しします。えへへへ・・・”
”無料広告のクラシファイドのパスワードと、それに記載されているホットメールのアドレスとパスワードを頂けるのですか? それが3万5千ドルだったのが、今は緊急大幅値下げで3000ドルなんですね??”
”そーなんですよー!かなり稼げますよーー!女の子もいっぱいいますしー!ホットメールの問い合わせの数を見ますか?? もし良ければマッサージルームのお店もみますか? イケイケですよー” (イケイケって・・・)
”い、いえ・・・ 結構です・・・” と丁重にお断りすると、彼はこう続けた。
”そうですかー、まぁ、別の人でこのビジネスを3万ドルで買いたい人がいるので、まぁいいですけど。せっかくだから、日本人の方にお売りしたかったのですがー まぁ、私も本業で年に数億稼いでいるので、どうでもいいんですけどね、こんなビジネス。 コーヒーご馳走様でした。 じゃ!”
そういって取締役は、残りのコーヒーをぐびっと飲みほし、スプーンに残ったコーヒーの泡をじゅるっと舐めたかと思うと、逃げるように立ち去って行った。
私とS子は暫く呆然とした。 ”呆然とするということは、こういうことなのか!なるほどっ!”と思える瞬間であった。
15分間もの間、無茶苦茶な詐欺話を説明され、その上、年間に数億も稼いでいる取締役のコーヒー代を支払わされた大人の2人に言葉は無かった。
そんな事件の翌日、取締役の本業ウェブサイトを拝見してみると、会社概要の欄に”資本金150万円”と記載されていたのを発見した。 これでは田舎の主婦のへそくりと同じ額である。
更にお問い合わせ欄には、取締役のご自宅かと思われるサバーブの住所と、取締役だか、山中さんだか、西田さんだわからないホットメールアドレスが、”代表連絡先”としてはっきり記載されていたのには、更に驚かされた。
こうして私とS子は、怪しいポン引き詐欺まがい取締役が経営する”存在しない人材派遣(?)ビジネスと収入”、とジャムスの大ネタにさせて頂けるようなストーリーをお土産に、帰途に着いたのだった。
今回は大変長いエッセイブログになってしまったが、本人のお名前以外は全て実話なので、皆さんも怪しい話には充分気をつけて頂きたいものである。
読者の皆様は、私やS子の様に暇ではないだろうから、”そんな無駄な時間はありません。余計な心配無用です”と叱られる前に、ここらで、おいとまさせて頂こう。)
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