♦スペイン人になりたくて・・・♦ 私の友人白木純子さんは、年中色黒のサーファーガールだ。 彼女がサーファーであることは、白木さんを知らない人が、 100メートル先から見ても判るほど色が黒いので、 私は白木さんを勝手に改名して、黒木さんと呼んでいる。 そんな黒木さんは、ラテン文化が大好きで、スペインやポルトガルなどの国は何度も旅行に行ったし、彼氏もスペイン人のうえ、最近はサルサまで習いだしたと言うのだから、彼女のラテン熱はかなり熱い。 彼女が短大を卒業真近になる頃、皆が就職活動やら婚活に励んでいる時に、ラテンを求めてスペインとポルトガルに2ヶ月もの間放浪の旅に出たと彼女は言う。 そんな黒木さんに愛想を尽かした彼女のご両親は、“あんた、短大も卒業真近なのに、いつまでプラプラしてるの? 純子は一体将来何になりたいの?” そんな母の切実な問いかけに、彼女はあっさりこう答えた。 “私スペイン人になりたい・・・・。” 口をあんぐりと開けた母をそのまま残し、何故かラテンとは程遠いシドニーに移住した彼女のラティーノ熱はまだまだ冷めてはいない。 先日そんな純子さんのパーティーにお呼ばれした私は、2ヶ月前に訪れたブラジルとアルゼンチンをきっかけに、私も南米ファンである事を伝えた。 その瞬間彼女は“南米ラバーの友”が出来た事に感激し、私達は夜遅くまで南米の魅力を語ったのである。 そんな会話の中で、彼女がスペイン人になれるように、色々と取り組んでいることがあると言う。 婚活ならず、ラティーノ活である。 スペイン人の彼とスペイン語を勉強し、サルサ教室に通い、南米の民芸物を家に飾ったり、食事もスペイン料理やブラジル料理が得意で、音楽は全てラテンミュージックばかり聴いていると言うのだから、かなり徹底しているといえる。 そう言われて見れば、パーティの参加者もラティーノらしき人がちらほらいるし、 純子さんはスペインのバレンシア地方辺りを思わせるオレンジと赤の巻きスカートを腰に巻き、日焼けしたエキゾチックなルックスに、大きな緑の石が入ったイアリングが似合っていた。 そんな純子さんが私のラティーノ熱を確認すべく、"最近あなた、何かラティーノな事した?“というとっさの質問に、私は迷わずこう答えた。 “うん、昨日はコールスで買った生ハムを3枚食べたよ。” “・・・・・・・・・・・・・・。” こうして私と純子さんの“南米ラバーの会“は、ラティーノ熱の”温度差”を理由に、あっさりと幕を閉じたのである。
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