♦南米世界遺産旅行: ガイドさんとの思い出 Part1♦
先日、南米のチリへ旅行に訪れたときの事である。 オークランド経由で首都のサンチャゴに到着し、その後サンチャゴからバスで約1時間半程揺られてバルパライソという街へ到着した。 2003年以降世界遺産都市として登録されいているこの街は、カラフルな家が軒並みに立ち並んだ丘高い地形が特徴で、雪の積もったアルプス山脈が街のどこからでも見渡せる歴史深い港街だ。 そんなバルパライソの街が一望できるサントドミンゴの丘という観光名所にハイキング気分でいくことにした。 サントドミンゴの丘に到着すると、これといったツアーや案内図などもなく、”素敵な街が一望できるのでご自由に足を運んでくださいね”と言わんばかりの割と地味めな入り口があり、”もし良ければ募金して下さい”と、これまた控えめにぶら下がった木箱が入口の門にかけてあった。 私も控えめな金額を木箱に入れて、”さーて登るか”と勢いづけたとき、一匹の黄ばんだ野良犬が道の向こう側で私の方をじーっと睨んでいるのが見えた。 そういえば、私がサンティアゴに到着して一番驚かされたのは野良犬の多さだった。駅を始め、街中にシェパードとかラブラドールなど割の血統のいい犬種達がウロウロしていて、それも一駅で20匹前後、5分歩けばあと5匹といった数の多さで、危険というよりは野良犬達が街の風景の一部として馴染んでいたようにみえた。 黄ばんだ野良犬は、どうやらテリアと何かの雑種犬のようで、伸びきった白い毛は泥で黄ばんでいて、他の野良犬に噛まれたのか左耳の部分がざっくり大きくキレて垂れ下がっていた。 私はそんな犬を気にすることなく急な坂道を登りだすことした。 ガイドブックの写真でみた斜面よりも急に感じたが、歩き出して間もないうちに雪化粧をしたアルプス山脈が私の後方一面に広がり、”なかなかイイ出だしだな”と思った。 そんな景色をカメラに収めていた私は、さっきの黄ばんだ犬が、私のすぐ後ろについて来ていた事に気づいた。申し訳なさそうに3メートル程度離れていたが、私が歩くのを止めると黄ばんだ犬も足を止め、時にはお座りしたり、道路に寝そべったりした。 ”一本道だから、この犬も頂上にいくのかもな。 どうせ俺食べ物なんか何にも持ってないのにな。” そう思いながら歩き続けた。 そうすると今度は私の前を2メートル程あけて歩き始めた。 黄ばんだ犬は時々振り返りながら私の存在を確認したり、私が意地悪をして時々歩くのを止めると、”俺もー”といわんばかりにその場にとまって私の方をジーッと睨み、私がまだ歩き出すのを待った。 そんな事をなんども繰り返し、アルプス山脈とバルパライソの街が見渡せる撮影スポットで何枚か写真を撮り、私と黄ばんだ犬が頂上についた頃には約1時間が経過していた。 丘の頂上に到着するまでの道のりでは、私達を追い越す家族連れやカップルを始め、既に頂上に到着し、私の前から坂を降りてくる観光客が黄ばんだ犬と私を見て微笑んでいった。 ”どうやら私の犬と思われているらしい。” 私がそう思い始めた頃には、黄ばんだ犬は私の1メートル前を誘導したり、一列になって私の後ろをついて来たり、時には私の真横に現れては、くるっとした茶色の目で私の様子を見上げたりしていた。 ”あのねぇ、食べ物欲しいのかもしれないけど、何ももってないの。お水を買うのも忘れたから、お水もないの・・。ついて来ても、何もあげれないから、あの人の所に行きなよぉ。” 私はたまたま近くで写真を撮っていたカップルを指さして黄ばんだ犬にそう言った。そうすると犬は解ったのか解らなかったのか私の顔をジーッと見つめてクシュンとくしゃみを一発かました。 (Part2へ続く・・・) Part2はこちらです→ Part2リンク:http://web.jams.tv/photo/view/id-63861 シドニー・クリエイティブフォトグラフィーでは、ウェディング撮影をはじめ、ウェディングビデオ、 ウェディングビデオ、各種撮影業務を請け賜っております。 詳細は以下よりお問い合わせ下さい。
チリのバルパライソから眺めるアンデス山脈
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