ズンバでハッスル(東洋の地獄絵)
先日某フィットネスクラブで初のズンバクラスに参加させて頂いた。
ちなみにズンバとは、ラテン系の音楽に会わせながら華麗に踊り、
“運動を楽しみましょう”といった感じのフィットネスである。
“揚げ物反対!カロリー消費!脂肪撲滅!”をスローガンに立ち上がったメンバーは、
スキップが出来ない友人M子と、ヒーヒーと声を震わせながら坂を登る運動不足のS男、
そして万年こむらがえり症の私、それ行けアラフォー中年隊である。
そんな我らは、“インストラクターの先生が近くで見えるように“という理由で、
最前列を横一直線に陣取り、大きな鏡が張り詰められた教室でインストラクターの先生が
来るのを待った。
“あぁ、なんか緊張するねぇ・・・。ちゃんと出来るかねぇ・・。”
震えるような声で三角座りをしたS男が言った。
“んーーーっ、そうねぇ・・。ジェニファーロペスみたいには踊れないかもしれないけど
リッキーマーティンくらいには踊れるんじゃないのぉー?“ M子は腕をグルングルン回しながらそう言った。 失礼な話である。
“リッキーマーティンかぁー・・。せめてスマップくらい踊れたらいいかもねぇ・・。”
そう言いながら、キムタクの眼差しを練習するのはこの私だ。どうやら眼差しはダンスの一部らしい。
そうこうする内に、インストラクターのアラーナ先生がクラスルームに入ってきた。
名前からしてラテン系を思わせるアラーナ先生は、まるでアマゾンの野鳥の様な派手なジムウェアに身をまとい、”一体どうなってるんですか、あなたは?“と言わんばかりの足の長さとお顔の小ささで、“今日初めての人―?”とエネルギッシュな一声をあげた。
“はーーい!!!”
我らアラフォー三人組は、前列一列に並んでと手を上げ、3人が初心者である事を静かに
告げることに成功した。
“あら前の三人組ね!今日は出来るだけ私のまねをして、とにかく楽しんで頂戴ねーーっ!”
こうしてチャカチャカとラテンチックなミュージックが流れ出した。
ズンバの動きは、“まぁ、大胆な!”と私の母なら言うであろう大股を開いたダンスから始まり、勢いあまって首がもげてしまいそうなヘビメタダンス、そしてクルッと決めるターンは80年代のアイドルのようで、“踊りの盛り合わせ“と言った言葉がピッタリだ。
初心者の私達はとにかく先生の真似をするのが必死だったので、
自分の姿を鏡で見る余裕など無かったのが正直だが、頭の中ではジェニファーロペスか、
若きし頃のリッキーマーティンあたりが腰をプリプリ言わせているイメージだ。
“なかなかやるよな、私もさっ。和製のリッキーってだな。オーレー”
と、前列で華麗なダンスを披露させて頂いたのだが、クラスの中盤になって、目の前にドーンと張りめぐらされた大きな鏡に映っているのを見て私はドン引きした。
大きな鏡に映っている姿は、ジェニファーでもリッキーでも、この際、草なぎ君でもない。
ただ映っているのは、“ひきつけを起こした闘牛のようにステップを踏むM子と、
”溺れたスルメ”のようにグネグネ腰をまわすS男、そしてナマコに電気ショックを与えたような姿でターンを決めるこの私だ。
“華麗にダンスを披露している3人組”と言うよりは、“加齢のおかげで疲労している中年組"といった感じだ。
腰をプリプリと言うよりは、ヒザがガクガク、そしてキムタクの眼差しというよりは、
特売のメザシに似ていた。
もし画廊ピカソがあの姿を描いたならば、“東洋の地獄絵“と称してたに違いない。
こうしてアラフォー中年隊は、脱力感と疲労感を前面に出し、クラスルームを出ようとしたその瞬間、アラーナ先生がこう叫んだ。
“YOU GUYS WERE UNBELIEVEABLE!”
最後に微妙なお言葉を頂き、そそくさとクラスルームを後にしたアラフォー3人組であった。
アラーナ先生どうも失礼しました・・・・。
シドニー・クリエイティブフォトグラフィーでは、ウェディング撮影をはじめ、ウェディングアルバム、ウェディングビデオも請け賜っております。シドニー以外でも、ハンターバレーをはじめ、メルボルン、ゴールドコースト、ケアンズでの撮影も請け賜わっておりますので、以下よりお問い合わせ下さい。
|