坊主ってどやさ?
先日ひょんな事でお坊様にお会いする機会があった。
こちらのお坊様は〇〇県の某有名なお寺の住職さんで、人の道や仏様に関しての本を何冊も出版され、
全国各地そして海外からもこの住職さんに一目会いたいという参拝者が耐えないお偉いお坊様である。
というよりは、そのはずである。
私自身は宗教にとても興味がないほうで、お盆=夏休み、クリスマス=プレゼントといった方程式を子供の頃から習得しているので、お偉い住職さんにお会い出来ると聞いた時は、”お偉いかたなんだなぁ。お説教くらいしてもらったほうがいいのかね?”程度の気持ちだったのは言うまでもない。
そんな私は、友人レイコ、そしてレイコの職場の方々に混じって某高級レストランでお坊様と会うこととなった。
こんな時でもないと高級レストランに縁がない私とレイコは、”御行儀よく食べないとお説教されるのかね?””やっぱり今日はビール頼むのは控えようかな?お茶にしとこっか?”と大人ながらに猫かぶり作戦に出ることにした。
そうこうしているうちに、お坊様らしき方が現れた。らしき方というのは、遠くでツルツル頭のかたが手を振っていらっしゃったので、勝手に彼に違いないと思ったのだが、夜なのに紫色のサングラスをはめ、紫と金の刺繍が入った
サンタフェのセーターを羽織っていらっしゃったので、違うかなとも思った。
”やぁーやぁー、皆さんお待たせーっす!〇〇ですわー!わっはっはっはー”と元気に挨拶された後、上座を指さし”これ俺の席?”とおっしゃって、どかーーんと座られ、”生ーっ!”と大きな声で叫ばれた。 どうやらこの彼がお坊様のようである。
”やっぱりお坊さんでも飲むのね。じゃ、私達も飲もっか?”そういったレイコにうなづいた私は、
”何かイメージと違うけど、やっぱお坊様も海外に来た時位、羽くらい伸ばしたいのかもねー”と特に気にせずにメニューの中から数品オーダーし始めた。
その時である、”はぁーーーっ?ドンペリないのー?なんちゅーとこやー、ドンペリやでドンペリ???なぁ、ドンペリって知ってるか、お姉ちゃん?”
とウェィトレスのお姉さんに向かって、大きな声を出されたのは紛れもなくお坊様である。
”せっかく皆さん来てくれてんのに、ドンペリがないなんて、そんなんあるー?なーーんっちゅうとこやー。もーーっ、失礼極まりないなー。ほな何があんの?言うてみて!”
この一言で完全にビビってしまった可哀想なウェイトレスのお姉さんは、ドリンクメニューを上から読み上げ始めると、”あーのーなー、僕かってメニューくらいは読めるのーー! 馬鹿にしてんのー君ぃー?何がええもんあるんやーいうてんねーーーん!”と追い打ちをかけられた。
”ひぃーーーっ・・・。”私とレイコは肘でお互いをつつきあい、今宵が長くなることを確信した。
”皆さんスンマヘンなー。もう最近の子は礼儀っちゅうもんがなっとらんなー思いますのは、歳のせいやろかなーー。だはははーー!”
そうおっしゃって、何とかという高級ワインとビールを交互に飲み始め、さっきまでプラダとグッチのお店で300万円の買い物をした事をお話頂いた。どうやら紫のサングラスは先程購入されたらしいが、何故か私には年増のロックンローラーに見えた。
どうやらお坊様のお話によると、ローマのプラダでは商品を全てホテルまで届けてくれたというのに、
シドニーのプラダではお店の前までも見送りがなく、タクシー代をせがんだら断られたと、怒りの念をあらわにされていらっしゃった。
シドニーのプラダは”感謝の心というものがない”と急にお坊様言葉もご利用になり、”そういえばこの方はお坊様だった”と思い出さずにはいられなかった。
そんなお坊様との会食も無事に(?)終り、レストランを出ようとしたところ、お坊様は私がレイコの友人だと言うことを確認された直後、レイコをホテルにお誘いになられた。
他にも素敵な女性がいらっしゃるのに、あえて年増のレイコを誘われたという事に私は驚愕を覚えたが、レイコは何とかその場を押し切ったのである。
レイコが言うには、”お金払ってもいいからー”とまで言われたらしく、それでも断ると”チッ”と舌打ちされというのだから、さすがの私も驚いた。
こうして、私とレイコは今後仮に身内が亡くなったりするような事があったとしても、あのお坊様にはお願いすることはないことを確認し、おかげ様で〇〇宗とか、〇〇寺とかなんまいだーとかそういうものまで馬鹿らしく思えてしまった。
せっかくなので、私はお坊様にちょっと質問してみようと思い、帰り際に”どうしてお坊様になられたのですか?”と質問を投げたところ、お坊様はスパっとこう答えられた。
”へっ?俺?親父が坊主だったからー。”
どうやらファミリービジネスのノリらしい。チーーン・・・。
ウェディング撮影・赤ちゃん・お子様・家族撮影はシドニー・クリエイティブフォトグラフィまで
お問い合わせ下さい。
シドニー・クリエイティブフォトグラフィー
www.sydneyweddingphotographybykatsu.com.au
contact@sydneyphoto.com.au
赤ちゃん、お子様、家族写真の撮影はSydney Treasures Photographyの方までお問い合わせ下さい。