皆さんは昨年12月に起きたあの悲劇を覚えていますか？

2014年12月15日（月）、午前9時40分にその事件は起きました。シドニーCBDの中心、テレビ局「チャンネル7」や金融会社などのオフィスビルが並ぶマーティン・プレイスにある、チョコレート専門店「リンツ・カフェ」に武装したイスラム過激派思想を支持する男が侵入し、16時間にもわたって18人が拘束され、その内二人が死亡しました。ひとりはリンツ・カフェのマネージャー、ト―リ・ジョンソンさん 、そしてもうひとりはカフェ近くのオフィスで働く弁護士で三児の母でもあるカトリーナ・ドーソンさんです。

その日、家族や大切な人がシティにいないか心配しながら何度も電話をかけた人も多かったのではないでしょうか。

事件終結の翌朝には数多くの人が現場付近に追悼に訪れ、マーティン・プレイスにはおよそ10万もの花束が供えられました。カフェの営業が再開した2015年3月20日には、少しでもカフェをサポートしようと朝から何百人もの人が訪れたことは記憶に新しいことです。

あの悲劇から1年を迎える今日、マーティン・プレイスでは事件で犠牲になった二人の追悼式典が行われます。リンツ・カフェの建物はライトアップされ、花模様や市民による追悼のメッセージが映し出される予定です。そして石畳の通りにはオーストラリア人建築家のリチャード・ジョンソン氏が設計した花のキューブが埋め込まれるそうです。

1年前の事件で理不尽にも犠牲となったお二人の死を心から悼みたいと思います。