オーストラリアでの医療系ワーホリを考えている方には、現地の医療現場で働けるアシスタントナースがおすすめです。
比較的短期間の就学で資格を取得でき、オーストラリア内の他の職種と比べて給与水準も高いのが魅力です。
日本で看護師や介護士として働いていた経験がある方なら、今までの知識を活かして働けるでしょう。
今回は、オーストラリアでアシスタントナースとして働いてみたい方向けに、年収や条件、求人の探し方についてご紹介します。ぜひご覧ください。
オーストラリアのアシスタントナース(看護助手)は、英語ではAssistant in NursingやPersonal Care Assistantと呼ばれ正看護師や准看護師のサポートを行う仕事です。
アシスタントナースは患者さんの身の回りの手伝いが主な仕事になります。
オーストラリアでは正看護師が主に薬の投与などの患者の治療やケアなどの重要な業務を行い、准看護師は患者の検温やバイタルチェック、正看護師とともに応急処置などを手伝います。
アシスタントナースは看護助手として清掃や患者の生活の補助がメインの仕事ですが、日本では正看護師の業務である血糖測定なども任されることがあります。
職場での指示を正確に聞き取る必要があり、患者さんや施設利用者さんと接する時間が多いため、英語でのコミュニケーションは必須です。
オーストラリアのアシスタントナースの給与について以下の表で紹介します。
時給 | 月収 | 年収 | |
アシスタントナース (オーストラリア) |
31.3豪ドル (約3000円) |
5,084豪ドル (約48万円) |
61,000豪ドル (約580万円) |
オーストラリア最低賃金 | 23.2豪ドル (約2200円) |
3,531.2豪ドル (約33万円) |
42,000豪ドル (約400万円) |
看護師(日本) | 約2,500円 | 約400,000円 | 約4,800,000円 |
2023年9月現在、オーストラリアの最低賃金は23.23豪ドルですがアシスタントナースの平均時給は31.29豪ドルと高水準です。オーストラリアの最低賃金は年々上がっており、それに伴ってアシスタントナースの給与も上昇傾向にあります。
日本円に換算してみると、オーストラリアのアシスタントナースと日本の准看護師の年収では約99万円もの開きがあるのです。日本の准看護師と比べてもオーストラリア内の職業の中でも、アシスタントナースの給与は高水準であることがわかります。
※1豪ドル=95円で換算
参考:Fair Work OMBUDSMAN / 厚生労働省東京労働局
介護・医療が盛んなオーストラリアでのアシスタントナースの需要は高く、コロナ禍以降人手不足が続いています。
政府から発表された雇用の見通しでは、2021年には266,900人だったアシスタントナースは2026年には341,800人にまで28%も増加すると予測されているほどです。
オーストラリアはもともと移民の労働力に頼っている部分も大きく、人手不足も重なって今後もアシスタントナースの需要が激減することは少ないと考えられます。
また一度資格を取得すれば、オーストラリア全土の医療施設や介護施設での就職が可能になります。将来的な転職もそれほど難しくないでしょう。
オーストラリアでアシスタントナースとして働くにはいくつかの条件を満たす必要があります。主要な3つの方法について紹介します。
オーストラリアでのアシスタントナースの資格には、高齢者施設が主な就労先となる資格と病院での勤務も可能である資格の2種類があります。
高齢者施設が主な就労先となる資格はTAFEのCertificate III in Individual Support (Ageing)を修了すれば取得可能です。
一方、病院での勤務も可能である資格はCertificate III in Health Services Assistance (Assisting in Nursing Work in Acute Care)を修了する必要があります。
これらの資格は私立の資格学校やTAFEという公立の職業訓練学校に通うことで取得できます。
わずか半年のプログラムですが、講義から実習まで網羅的に組まれており卒業後には自信を持って働き始められるでしょう。
コース名 | CERTIFICATE IIIIndividual Support(Assisting in Nursing Work in Acute Care) |
期間 | 6ヶ月 |
費用 | 10,190〜10,500豪ドル(約97〜100万円) |
主な就職先 | 病院 |
入学条件 | アカデミック IELTS 5.5 または TOEFL (iBT) 46 または同等のレベル。またはTAFE NSW の一般英語プログラムを修了していること |
詳細 | Certificate III in Individual Support(Assisting in Nursing Work in Acute Care) |
必修7科目、選択8科目、80時間の実習で構成されているコースです。
高齢者施設やリタイアメントビレッジに加えて、病院での勤務も可能な資格が取得できます。
※1豪ドル=95円で換算
コース名 | Certificate III in Individual Support(Ageing) |
期間 | 6ヶ月 |
費用 | 8,170〜8,980豪ドル(約77~85万円) |
主な就職先 | 高齢者施設・リタイアメントビレッジ |
入学条件 | アカデミック IELTS 5.5 または TOEFL (iBT) 46 または同等のレベル。またはTAFE NSW の一般英語プログラムを修了していること |
Certificate III in Individual Support(Ageing) |
必修7科目、選択6科目、120時間の実習で構成されているコースで修了すると高齢者施設やリタイアメントビレッジなどの仕事が可能です。
なお、病院への就職はできません。
※1豪ドル=95円で換算
オーストラリアでアシスタントナースとして働く際には滞在・労働のためのビザが必要です。
4か月以上の看護コースを受ける場合は「学生ビザ」、4か月未満の看護コースを受ける場合は「ワーホリビザ」を取得しましょう。
どちらか迷っている場合は、本格的な長期の看護コースでも対応できる学生ビザを取得しておくのがおすすめです。
IELTS(International English Language Testing System)は英語能力試験のひとつで、英語圏では非常にメジャーな試験です。
外国人が移住や就職を希望する際には、IELTSのスコアの証明を求められることもあります。
アシスタントナースになるためのTAFEの入学条件スコア5.5以上の英語力が必要です。
IELTSスコア5.5はTOEICの600~740点と同レベルとされており、一見難しそうですがしっかり勉強すれば手の届かないスコアではありません。
英語力に自信がない方は、まず語学学校に入学して英語力つけましょう。
アシスタントナースの資格で働けるオーストラリアの職場の例は以下の通りです。
オーストラリアのアシスタントナースの就職先として最もスタンダードなのが「介護施設」です。利用者さんの身の回りのお世話をする日本の介護士に近い業務を行います。
また定年退職した高齢者のための住宅が集合した「リタイアメントビレッジ」で医療サービスに携わったり、家事・洗濯・食事の準備をしたりする仕事も一般的です。
もちろん認知症専門の介護施設や病院で働くことも可能です。病院に就職できた場合は、介護施設と同様に利用者の身の回りのケアの仕事に加えて医療サービスに携わるチャンスが多くなります。
オーストラリアでアシスタントナースになるための資格取得から就職まで、具体的なステップをご紹介します。
アシスタントナースとして働くためには、TAFEや専門学校で「CertificateⅢ」を取得する必要があります。
「CertificateⅢ」を取得するためのコースでは、人体の仕組みから臨床現場での衛生管理までアシスタントナースになるためのプログラムが幅広く構成されています。
「CertificateⅢ」の資格を取得した後は、州ごとに実施されている「コンピテンシー認定試験」を受けます。
コンピテンシー認定試験とは個人の行動特性や思考性を分析して、仕事における能力の有無や程度を可視化するテストです。
これに合格すればアシスタントナースとして就職が可能になります。
アシスタントナースの就職先には病院だけでなく介護施設や、リタイアメントビレッジなどさまざまな選択肢があります。
希望の就職先が決まったら、自分の能力、資格、実績をしっかりとアピールする履歴書を作成し提出しましょう。
オーストラリアでアシスタントナースを目指すのであれば、専門学校やTAFEに通いながら専門知識を学んで技術の取得を目指すのがおすすめです。
アシスタントナースを目指す方が多く通う人気の専門学校やTAFEをご紹介します。
1891年創立のTAFE NSWは実践的な学習プログラムが特徴です。
TAFE NSWCertificate III in Individual Support(Ageing)では必修7科目、選択6科目の合計13科目の履修に加えて、120時間もの実習時間が設けられており実際に病院や介護施設で就職体験が行えるワークプレイスメントも実施されています。
州立の専門学校なので私立の専門学校と比べて認知度が高いこともメリットといえるでしょう。
就職に関するサポートも充実しているのでアシスタントナースとしてオーストラリアで就職したいと考えている方にはぴったりです。
またCharter Australiaの福祉サービスコースには、ワーホリ利用者に向けアレンジしたオリジナルプログラム「Study and Work Program」があります。16週間で英語を勉強しながらアシスタントナースのための資格を取得できます。
さらに卒業後は無料で地元施設の仕事も紹介してもらえるので、日本の看護師さんから大人気のコースです。
オーストラリアでアシスタントナースになるまでにかかる学費の合計は約29,900豪ドル(約285万円)です。
さらに渡航費用約34万円、滞在費用が約17,330〜26,250豪ドル(約160〜250万円)かかります。
その内訳を見ていきましょう。
※1豪ドル=95円で換算
アシスタントナースの資格を取得するためには語学学校で英語を勉強したのちに専門学校やTAFEの看護コースで学ぶのが一般的です。
ここでは語学学校3ヶ月、看護コース6ヶ月の合計9か月と仮定してかかる費用をご紹介します。
まず語学学校に入学するにあたって入学金・授業料・教材費が必要です。学費の支払いは日本にいる間に済ませるのが一般的で、渡航前にしっかり用意しておく必要があります。
<語学学校> | <学費> |
入学金 | 225豪ドル(約21,000円) |
授業料 | 20,280豪ドル(約193万円) |
教材費 | 326豪ドル(約3万円) |
合計 | 20,831豪ドル(約197万円) |
次にオーストラリアの専門学校やTAFEの学費の例として、TAFE NSWに通学するための費用を紹介します。
TAFEに直接入学する場合は、入学金100豪ドル(約9,500円)と、専攻するコースごとの学費がかかります。
<専門学校/TAFE> | <学費> |
TAFE 入学金 | 100豪ドル(約9,500円) |
TAFE 学費(6ヶ月) | 7,000〜8,500豪ドル(約67〜80万円) |
教材費 | 300〜500豪ドル(約29,000〜48,000円) |
合計 | 7,400〜9,100豪ドル(約70〜86万円) |
※1豪ドル=95円で換算
もちろん学費だけでなく、渡航準備の段階から現地での生活までさまざまなお金がかかります。
9ヶ月間シドニーの学校に通うと仮定した場合の生活にかかる費用を見ていきましょう。
パスポート(5年用旅券)発行費用 | 11,000円 |
学生ビザ申請費用 | 710豪ドル(約67,000円) |
航空券代(往復) | 約271,000円 |
海外留学保険 | 月40~50豪ドル(約3,800~4,800円) |
家賃 | 月800〜1,600豪ドル(約76,000~152,000円) |
残高証明として用意するお金 | 5,000〜6,000豪ドル(約475,000〜570,000円) |
その他の生活費(変動費) | 月530〜600豪ドル(約50,000~57,000円) |
合計 | 約199~284万円 |
※1豪ドル=95円で換算
ワーホリビザでオーストラリアへの渡航を検討している場合は、ビザ申請時に残高証明を提出しなくてはなりません。
1年間の滞在を考えているなら5,000〜6,000豪ドル(約475,000〜570,000円)以上の残高が必要です。
ワーキングホリデーの場合は渡航してすぐに仕事が見つかるとは限らないので、当面の生活費としてある程度の貯金を日本で用意しておくと安心です。
以下では、オーストラリアでのアシスタントナース求人の探し方を紹介します。
通常ワーホリで働けるレストランのキッチンや、ホテルスタッフなどとは応募方法が異なる点もあるので確認しておきましょう。
オーストラリアでアシスタントナースの求人を探す際は、求人サイトの利用が一般的です。
代表的な求人サイトを4つご紹介します。
4つの求人サイトのうち、eRecruit・Queensland Health jobは州別に求人情報が掲載されているサイトです。一方SEEKとIndeedはオーストラリア全体の求人が載っています。
アシスタントナースの求人は給料も良く人気のある職種なので、こまめにサイトをチェックして気になるものが見つかればすぐにコンタクトをとってみましょう。
求人サイトに求人情報を出さずホームページのみで募集していたり、どこにも募集を出していなかったりする介護施設や病院もあります。
勤めたい病院が見つかったら、直接メールでコンタクトを取ってみてください。熱意が伝わればご縁が生まれる可能性もゼロではありません。
専門学校やTAFE在学中に実習に行った病院にそのまま就職するのも不可能ではありません。
実習中に積極的に熱意を伝えたり、病院主催の勉強会に参加したりして、現場のスタッフと絆を深めておきましょう。
実習中に信頼関係が生まれれば、そのまま就職できる可能性も大いにあるでしょう。
日本の正看護師資格と1年以上の臨床経験があれば、海外有休看護インターンシップに参加できます。
日本での現場経験や知識を活かしながらオーストラリアの医療・看護を体験できるため、海外生活を楽しみたい看護師経験者にも人気のある制度です。
またインターンシップには語学学習のサポートやアシスタントナースの資格取得サポートも含まれます。
給与 | 時給25豪ドル〜(約2,400円〜) |
受講期間 | 医療英語&看護介護コース 16週間 + 有給看護インターンシップ 最大約9ヶ月 |
参加条件 | ①ワーキングホリデービザを取得できる年齢であること ②日本の看護師免許を保有し、病院での就業経験が6カ月以上ある方 ③英語レベル :IELTSスコア4.5相当、中級の英語レベル(IELTSスコア/オリジナル英語テスト結果) |
費用 | モーニング 8,000豪ドル(約76万円) イブニング 7,500豪ドル(約71万円) |
※1豪ドル=95円で換算
有給の看護インターンシップはタビケン留学で看護師ワーホリする方のほぼ100%が参加する人気プログラムです。英語力の向上や資格取得までのサポートのほか、時給平均25豪ドル(約2400円)以上の給与が受け取れる至れり尽くせりの内容です。
参加にはいくつかの条件がありますが、当てはまる方はぜひ参加してみるのをおすすめします。
日本人がオーストラリアでアシスタントナースを目指す上で、あらかじめ知っておきたい情報をご紹介します。
英語力に問題がなければ、アシスタントナースの資格は最短6ヶ月で取得できます。
将来的にオーストラリアでアシスタントナースとして働きたい方は、渡航前にしっかり語学力をつけておくと資格取得までの道のりが短くなります。
アシスタントナースになるには語学学校や専門学校でしっかり授業を受ける必要があるため、学生ビザの取得がおすすめです。
学生ビザは申請内容や大使館側の都合によって前後しますが、申請して1週間〜1ヶ月程度で申請者の手元に届くので余裕を持って申請してください。
アシスタントナースに年齢制限はありません。ただし学生ビザは年齢の制限なく取得できますが、ワーキングホリデービザは18歳以上31歳未満という年齢制限があります。
滞在の途中で学生ビザからワーホリビザへの切り替えを考えている場合は、自分の年齢がワーホリビザの対象内であるようにしましょう。
アシスタントナースではオーストラリアの永住権の取得はできません。永住権の取得を希望するのであれば、資格をとって正看護師になる必要があります。
永住権の申請が認められる資格・職業はオーストラリア内務省のページから確認できます。
アシスタントナースから正看護師や准看護師を目指せますが、それぞれに異なる資格が必要です。
ENを取得し准看護師になると、患者の検温やバイタルチェックのほか正看護師と共に応急処置にも携われます。
RNを取得した正看護師は主に薬の投与などの患者の治療やケアなどの重要な業務を行います。
正看護師は永住権が獲得できる資格・職業に入っているため、オーストラリアでの永住権の取得を目指す場合は正看護師になる必要があります。
ただし永住権取得には看護師の資格だけでなく、年齢や勤務年数などいくつかの条件を追加で満たすことが必要です。
アシスタントナースとして働く人の年齢中央値は47歳です。
現場で活躍しているスタッフの大部分は45歳〜54歳です。オーストラリアの全職種の平均年齢は40歳なので、平均よりもかなり高いことがわかります。
また、アシスタントナースは女性が80%を占めています。
全職種の平均である48%を32ポイントも上回る数値です。
オーストラリアでアシスタントナースとして就職するためには、一定レベル以上の語学力や専門知識が必要です。
ビザの取得から語学学校の選択、TAFEへの入学手続きなど一般的な留学よりも複雑な手続きが必要なシーンも多くなります。
初めての手続きなので誰かに相談したい、どの学校がいいのかアドバイスが欲しいなど、不安な点が数多く出てくるでしょう。
タビケン留学ではそれぞれの不安に向き合い、経験豊富なエージェントが適切なプランの提案とサポートを行います。
無料相談も開催しているので、少しでも興味を持った方はぜひ一度タビケン留学にご相談ください。
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会社名 | 株式会社Morrow World |
所在地 | Suite 605,Level 6 /68-70 Dixon Street, Sydney NSW 2000, Australia |
電話 | 0401 713 952(日本語対応 担当:ヨシ) |
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