24日(金)に発表されたイギリスの国民投票の結果は、世界中に大きな混乱をもたらしました。「欧州連合(EU)から離脱すべきか」という問いに、51.9%対48.1%という僅差で離脱を押す声が可決され、イギリスが1973年に加盟したEUから脱退することになったことはすでにご存知のとおりです。
EU離脱(Brexit)が発表された当日は、ポンドが歴史的な急落を記録し、世界経済へ大きな影響を及ぼしました。日本ではイギリス企業の株保有者が、多額の負債を抱え自殺を図ったというニュースも報じられました。今回の離脱によるこれからの悪影響が懸念されている中、投票後「EU離脱後の影響」「離脱したらどうなるの?」などといった質問が、大手検索サイトのイギリス国内の検索ランキング1位に上がったことから、国民の7割が投票に参加したにも関わらず、じつは離脱の意味を理解していなかったのではないかという疑問の声も上がっています。27日には2度目の国民投票を求める署名が、イギリスで350万人を突破したのだとか。
さてそんな中、オーストラリアはいたって平静を保っているようです。スコット・モリソン連邦財相は、自由貿易などの新しいチャンスがより得られるといった前向きな見解を示しています。また大手自動車保険会社NRMAによれば、イギリスのEU離脱により国際市場が混乱したことで、オーストラリア国内のガソリン平均価格は今週までに1ドル11セント(1リットル)に下がり、今後数週間でさらに4セントは下落する見込みだそうです。ガソリンに余裕がある人はもう少し待ってから給油したほうが賢明ですね。
EU史上初、加盟国の中でも第2位の経済大国であり、またフランスと並んで最大の外交・軍事力を誇る国が離脱するという歴史的事態が、これから世界にどのような影響を及ぼしていくのでしょうか。混乱が休息を迎えるにはしばしの時間がかかりそうです。
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