2024年日本人会ゴルフ部9月度例会を開催しました
2024年日本人会ゴルフ部9月度例会リポート 開催日:2024年9月15日(日) 開催場所:Windsor Golf Club 参加人数:12名 …
先日、アジアチャンピオンズリーグのHブロック予選第3節としてシドニーのアリアンツ・スタジアムで開催されたシドニーFC対鹿島アントラーズの試合をスタッフみんなで見に行ってきました。試合は前後半にそれぞれ1点づつ得点を決めた鹿島アントラーズが2対0で勝利を収めて大盛り上がり。日本人ファンや一緒に観戦した同僚の方たちはハッピーな雰囲気でしたが、私はちょっと複雑な気持ちに……。
と言うのも、この試合の特集記事を担当し、そこでシドニーFCアカデミーチームでゴールキーパーコーチを務める伊藤瑞希さんにインタビューをさせていただいたのですが、オーストラリアのサッカー事情やシドニーFCの選手の魅力をたっぷりと伺っていたので、少しシドニー側に対する思い入れがあったのです。
そもそも私は鹿島を含む特定のクラブチームのファンではないうえに、W杯やオリンピックのような国同士が戦う国際試合とは違うこともあり、日本人だから日本チームを応援するというよりも、現時点での地元チームのシドニーFCを応援するべきなんじゃないかと、そんな気持ちにもなっていました。気持ちの整理がつかないまま、試合当日を迎え、スタジアムに到着し、ついには試合がスタート。最終的に「どっちも頑張れ!」という、どっちつかずのスタンスで試合を楽しみました(笑)。
【ACL特集】シドニーFCのGKコーチに訊いた鹿島戦の見どころ!
https://www.jams.tv/entertainment/98044
海外でのサッカー観戦は今回が初めてでしたが、アリアンツスタジアムは日本のスタジアムとは違い、客席とピッチの距離が近く、選手がプレーしているのを目の前で見ることができました。また、芝生の香りやボールを蹴る音が聞こえたりと、視覚だけでなく五感すべてを使って、観戦を楽しむことができ、中継では伝わらない生のよさを実感しました。個人的に今回の試合を通して印象的だったのはシドニーFCのアドリアン選手でした。今試合の注目選手のひとりとして聞いていましたが、華麗なプレーの連続に魅了されました。ボールタッチは女性をエスコートするジェントルマンのように軽やかで、左足から放たれるシュートは美しい湾曲を描きます。言葉にすると少し変な表現になりますが、「なんかエロいぞ」と、そんな感覚を覚えました(笑)。また、機会があればサッカー観戦に行きたいと思います。
試合の話からは少し離れますが、伊藤さんのインタビュー記事の中でも触れていた、「オーストラリアがアジアサッカー連盟に加入している理由」について、後日調べていくうえで色々とわかってきたことがあります。記事の中では、オーストラリアのサッカーを技術的に発展させるために、オセアニア連盟ではなく、敢えてレベルの高いアジア連盟に所属をするということに触れていましたが、どうやらアジアのスポーツマーケットへの進出も大きな理由のひとつだったようです。
オーストラリアのスポーツといえばやはりラグビーとクリケット。しかし、この2種目は国際的に競技人口が決して多い訳ではなく、特にオーストラリアと隣接するアジア諸国では人気が低迷しているのでアジアのスポーツマーケットへの接点とは成りにくいようです。そんな中、注目が集まったのがアジアの共通言語とまで言われているサッカーでした。
きっかけは日韓W杯でした。当時、オーストラリア国内でサッカーはスポーツとしてようやく認知されてきたというレベルで、サッカーをプレーするのも観戦を楽しむのも移民の方が多かったようです。しかし、2002年に日韓で開催されたW杯はオーストラリアとの時差が少なく、自宅やスポーツバーで中継を観戦する人の数が予想以上に増え、その人気ぶりを知ったハワード首相がサッカーはオーストラリア国内でも人気のスポーツになる可能性を持つと踏み、そこから政府がサッカーの商業価値を高めていくために動き出したと言われています。
実際、オセアニア連盟に所属していたオーストラリアが、アジア連盟に移籍するには両連盟の同意が必要なため実現不可能と思われていましたが、オーストラリアサッカー協会はオーストラリア政府による協力なバックアップと念入りなロビー活動で、最終的にアジアサッカー連盟への加入を成功させました。この他にも財政破綻していた国内リーグのNSLを解体してAリーグを発足させたり、国家レベルで代表チームをサポートし、32年ぶりのW杯進出を決めたりと、一丸となってサッカーを盛り上げてきた歴史がある訳です。
一連の流れのきっかけは時差が少ない中でテレビ放映された日韓W杯だった訳ですが、そういった意味では今年開催された平昌オリンピックも今後オーストラリア国内におけるウィンタースポーツのターニングポイントになる可能性は十分に孕んでいます。男子ハーフパイプでは、アメリカのショーン・ホワイト選手、日本の平野歩夢選手に続き、オーストラリアのスコット・ジェームズ選手が銅メダルを獲得するなど、南半球に位置する国としては異例とも言える合計3つのメダルを獲得しました。
近年、日本のパウダースノーを求める訪日オーストラリア人観光客は年々増加しており、日本のニセコをはじめとするスキーリゾートはオーストラリア人観光客で溢れかえっています。今回のオリンピックをきっかけに、レジャーとしてのウィンタースポーツがさらなる盛り上がりをみせ、競技としてのウィンタースポーツも注目が高まっていく可能性が出てきたのではないでしょうか。
そして、オーストラリアと時差が少ない国で開催されるスポーツの祭典ということでは、2019年にラグビーW杯が日本で開催されます。オーストラリアにとってラグビーは大本命のスポーツなだけに、国を上げてW杯にむけて盛り上がっていくことでしょう。みなさんもこれを機にルールや選手の顔を覚えるなどしながらラグビー観戦を楽しんでみてはいかがでしょう。
文:德田 直大
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