南半球最大級のLGBTQIの祭典「マルディ・グラ（Mardi Gras）」を締めくくるグランドフィナーレのパレードが、3月2日（土）にシドニー市内のオックスフォード･ストリート（Oxford Street）とフリンダーズ・ストリート（Flinders Street）にて開催され、197のグループ（合計12,500人）と約50万人の来場者が一丸となって盛り上がった。

パレードの通路は、来場者で埋め尽くされ、通路沿いのレストランやバーが人でごった返した。来場者の中には、最前列で鑑賞するために、朝早い時間から並んで待つ熱心なファンも！ パレードは約3時間をかけて、行進や演奏、ダンスなどが披露された。

41回目の開催となる2019年のテーマは、「FEARLESS（大胆不敵）」。本当の自分を表現することに恐怖を感じている人たちのために、自分たちを輝かせ、ありのままの自分を表現することを可能にし、LGBTQIでいることの誇りを与えたいという思いが込められていて、このテーマを通して社会全体への意識改革を呼びかけている。

大盛況のうちに幕を閉じたマルディ・グラのパレードの様子を写真とともに振り返る。

専門学校「TAFE」のスタッフによるパフォーマンスや、NSW州警察官たちのバンド演奏、LGBTQIカラーであるレインボーにペイントされたNSWトランスポートのバスを用いての行進、スコットランドの団体の楽器演奏など、パレードでは珍しい団体も参加し、会場を盛り上げた。

また、ホールデン（Holden）、ウールワース（Woolworths）、カンタス航空（Qantas）、マイヤー（Myer）など、オーストラリアの大企業も、本パレードの主要スポンサーとなってイベントをサポートした。

アジアや中南米、ヨーロッパなど各出身地の団体も出場。色とりどりの衣装がパレードを華やかに彩った。

各グループはマルディ・グラのテーマである「FEARLESS（大胆不敵）」を取り入れて、大音量の音楽を響かせながら、LGBTQIへの支持を訴えかけた。

団体での行進は大迫力！ 特に、ビキニ一枚で行進していたスタイル抜群の男性チームは、鍛え上げられた筋肉美を見せつけ、エネルギッシュなパフォーマンスで多くの観客を魅了した。

火花や煙、紙吹雪など華やかな演出をしているグループもあり、観客を一気にヒートアップさせた。

マルディ・グラの醍醐味は、観客もパレード参加者も一緒になって楽しめるところ。パレードの参加者はもちろん、ユニークなコスプレや華やかな衣装を身にまとい、参加している観客も見られた。

インスタグラムのグループからは、有名インスタグラマーでレディーガガのバックダンサーも務める「マーク・カネムラ」さんが参加。トレードマークである扇子を使った踊りで会場を沸かせた。

大盛り上がりで幕を閉じたグランドフィナーレ！ パレード終了後もオックスフォード・ストリートは人で溢れ、興奮と熱気が冷めやらぬ一夜となった。

取材：西村望美