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オーストラリアAリーグの決勝戦をサッカー素人が観戦しました【後編】

ゴールキーパーコーチの伊藤瑞希さんにお誘いいただいて見に行った、サッカーAリーグのグランドファイナル、シドニーFC対メルボルンビクトリー。前編の最後で触れた通り、スタジアムの盛り上がり方が印象的でした。日本人と比べ、総じて自分の気持ちに素直なオーストラリアの皆さまですから、シドニーFCがボールを奪ってゴールに向かっていけば全力で「Yeahhhh!!!」、逆にシドニーFCの選手が相手チームに邪魔をされたり、審判が不利な判定をしたりしようものならすかさず「Booooo!!」と、大人も子供も拳を振り上げ、フィールドの一挙一動に大絶叫なのです。

 

 

試合は同点のまま延長にもつれ込み、最後はPKとなりましたが、シドニーFCの勝利が確定した瞬間の大歓声はすさまじいものでした。隣のブロックではビールがプラスチックカップごと天高く舞っていて(笑)、「あぁ、周辺の観客がビールでビシャビシャになっているのでは……」と見知らぬ観客の皆さまを心配してしまいましたが、きっとそんなことが気にならないくらいに贔屓のチームの優勝を喜んでいるのでしょう。感情むき出しで大喜びするオーストラリアの皆さまを観察するのもまた一興です。

(編集長いわく、こちらではPKのことを「ペナルティシュートアウト」と言うそうです)

 

失礼ながら正直に申し上げますと、前半・後半に分かれているとはいえ、野球のような分かりやすい攻守の切れ目がなく、45分間ぶっ続けで試合が進行するサッカーをずっと見続けるのは苦手だった私。ゴールに絡みそうなプレーはそれなりに発生するものの、バスケットボールのようにポンポン点が入るわけでもないので、今ひとつ楽しみどころがわからなかったのです。

 

そんな私に、「足を使うために不確実性が高いのがサッカーの特徴であり、面白いところ」と伊藤さん。超絶プレーが光る『キャプテン翼』でサッカーの知識を得た私は、サッカー選手は自由自在にボールを足で操れると思っていたのですが、考えてみれば「たとえプロでも、ボールを足で完璧に操ることはできない」というのは、至極まっとうな話です。「だからこそ、その不確実性がゲームを面白くする」という伊藤さんの話は、無知な私にはとても新鮮でした。

 

スポーツ大国といわれるオーストラリア。スタジアムには子供が思いの外たくさんいて、「生活にスポーツが根づいているのは、こうして小さい頃からスポーツを観戦しているからなのかもなぁ」と、この国とスポーツの関係性が見えてくるのも興味深いところ。スタジアムに足を運ぶからこその楽しみや発見はたくさんありますね。

 

>>前編はこちら

>>ゴールキーパーコーチの伊藤瑞希さんのインタビュー記事はこちら

 

文:天野夏海(編集部)

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