2月16日（金）から開催される「Mardi Gras Festival 2018」に先駆けて、さまざまなテーマのLGBTIQ作品を集めた映画祭、「Mardi Gras Film Festival」が、2月15日（木）から3月1日（木）まで、シドニーのEvent Cinemas George Streetを中心に6ヵ所で開催される。

世界最大のクィア・フィルム・フェスティバルのひとつにも数えられる同映画祭は、今年で25周年を迎える。今回も30のオーストラリア・プレミア作品を含む60以上にものぼる選りすぐりの作品がラインアップ。LGBTIQを取り巻く社会問題を題材に据えながらも、ロマンスやドラマだけではなくピクサーの人気アニメーション『ズートピア』など幅広く上映する。

例年通りオーストラリアのLGBTIQ映画製作者らによる恒例の短編映画コンペティション『My Queer Career』も上映される他、『Kiss Me!』や『100 Men』鑑賞後にバーで集まるスピード・デーティング（シングルの人々の出会いの場）、『The Ring Thing』の脚本家たちによる映画監督の卵のためのワークショップ、マルディグラ映画祭のこれまでの上映作品からトップ25を選ぶディスカッションなど、同映画祭ならではの企画が盛りだくさん。

世の中の多様な生き方を垣間見ることで、自分自身や大事な人たちについても、より深く知る機会となるに違いない。

注目作品

『BPM』
第70回カンヌ国際映画祭でグランプリ受賞、第90回アカデミー賞外国語映画部門フランス代表選出の感動作。1990年代初めのパリを舞台に、エイズ発症者やHIV感染者への差別や不当な扱いに抗議し、政府や製薬会社などへ変革に挑んだ実在の団体「ACT UP-Paris」の活動を通して、若者たちの恋と人生の輝きを描く。

『Call Me By Your Name』
昨年に全米公開されたゴッサム賞作品賞受賞作品。期待の新人俳優らを起用し、1983年の北イタリアを舞台に初恋と情熱を描く。本年度のアカデミー本命との声も高い。

『Love, Simon』
ウィリアム・C・モリス賞受賞、ベッキー・アルバータリのヤング・アダルト原作を映画化。現代のアメリカで、隠れゲイのサイモンがミステリアスな恋の相手を探す青春物語。

『Freak Show』
今年のクロージング作品。スティングの妻で女優のトゥルーディー・スタイラーが監督、フロリダの裕福な高校に転校したドラッグ・クイーンの少年が、仲間たちとホームカミング・クィーンを目指すキュートな映画。

『Boys For Sale』
原題「売買ボーイズ」、東京の“ウリ専”の実態を明らかにしたドキュメンタリー。当事者たちのインタビューや彼らの生活を取り上げながらもユニークに、江戸時代より続く日本の闇へ光を当てていく。

『McKellen: Playing The Part』
1988年にゲイであることを公表し、LGBTの権利擁護キャンペーンにも積極的なイギリス俳優、イアン・マッケランのインタビューを元に制作された長編ドキュメンタリー。

『The Carmilla Movie』
カナディアン・スクリーン賞授賞女優ナターシャ・ネゴヴァンリスが主演するwebドラマ『カーミラ』の映画版。上映前にはパンセクシャルと公言する彼女のQ&Aセッションとサイン会あり。

『Jade of Death』
オーストラリアの同名ドラマ・シリーズの映画版。人の死を予兆できる少女ジェイドが、友人や恋人との関係に悩みながら自分を狙う者たちと戦う超能力スリラー。上映前にはメインキャストたちのQ&Aセッションあり。

『Witches and Faggots, Dykes and Poofters』
1978年6月24日にデモ行進として始まった第1回マルディグラで、主催者が事前に許可を得ていたにも関わらず警察によって53人が拘束された事件のドキュメンタリー。

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