2018年10月30日(火)に、ピアモントにあるエイジュ・フュージョン・ジャパニーズ・ダイニング(EIJU Fusion Japanese Dining/以下、EIJU)に、3つのレストランのシェフが集まり、「ジャパニーズフュージョン」のコラボレーションディナーが実施された。
今回のイベントに登場したのは、フレンチやイタリアンのバックグラウンドを持つ「EIJU」の岡崎英樹シェフ、日本食レストラン激戦区のクローズネストに店舗を構える本格日本食店の「華樹林/HaNa Ju-Rin」から松谷朋之シェフ、大人の隠れ家的な魅力を持つサリーヒルズの粋なダイニングバー「Kagura/神楽」の原田義信シェフ。ソムリエは、「EIJU」から寺本和奈可さんが担当した。
「和食以外でも、日本人が作った料理には日本のエッセンスが入っている。そういうのをもっとわかって欲しい。もっと新しい日本の料理のカタチを紹介したい」という3人のシェフの想いが繋がり、イベントが実現。
19時からのスタートにも関わらず、開始時刻前の段階で既に料理を楽しみにしている参加者が集まり満席状態。ウェルカムドリンクを片手に、今か今かと待ちわびる姿からは、新しい日本食への期待と注目の高さを感じさせられた。
【1】ホタテのセビチェ(写真左)/岡崎シェフ(EIJU)
イカ墨のライスクラッカーに柚子風味のホタテが添えられた上品な一品。クラッカーのサクサク感とホタテのプリプリ感が絶妙。
【2】フレッシュライスペーパーロール(写真中央)/岡崎シェフ(EIJU)
フレッシュなオーシャントラウトとクリーミーなアボカドが一緒になった一品。アクセントで、コチュジャンがピリッときいている。
【3】スイカのガスパッチョ(写真右)/岡崎シェフ(EIJU)
串刺しの生ハムとピクルスをスイカのガスパッチョにつけていただく料理。スイカのほんのりとした甘みとトマトの酸味が相性抜群。
お酒のペアリング:スパークリングワイン
Tasmanian cuvée traditionelle – Nv barringwood(タスマニア)
【4】アラのカルパッチョ/松谷シェフ(華樹林)
春菊の花が美しく、お皿から季節を感じられる。カルパッチョの上にのっていたポン酢は、日本古来の調味料である醤油のもろみとオーストラリア原産のフィンガーライムを組み合わせた、液体ではなく新感覚のモノ。
フィンガーライムの爽やかな香り、アラのプリプリ感とオニオンスプラウトのシャキシャキ感を堪能。
お酒のペアリング:白ワイン
2017 Peace of Eden Riesling – St. John’s road(エデン・バレー)
【5】ローストダック(写真左)/原田シェフ(Kagura)
古典的な和食の技法を使って作られているが、粒マスタードと和出汁を一緒に入れて、少し洋風のフレイバーを出しているのが特徴。フライされたネギの香ばしさが口の中に広がる。
【6】サーモンのコンフィ(写真中央)/岡崎シェフ(EIJU)
柔らかくシットリとした舌触りでホロリと崩れるコンフィ。一緒に添えられたほうれん草のピューレには柚子胡椒がアクセントで入っている。
【7】タコの柔らか煮(写真右)/松谷シェフ(華樹林)
華樹林でも人気。松谷シェフのシグネチャーでもあるタコの柔らか煮。伝統的な日本の味に黒トリュフオイルを加えてアレンジした一品。
お酒のペアリング:白ワイン
2016 Girt by Sea Chardonnay – Voyager estate(マーガレット・リバー)
【8】ポーク・オッソ・ブーコ・シチュー/原田シェフ(Kagura)
ほろほろで柔らかく、スプーンで簡単にほぐれて、口の中に入れるとわさびの香りがふわーと広がる。液体塩麹でマリネして柔らかくした豚肉に、アクセントで添えられるカリッとしたケールチップスの絶妙なバランスは圧巻。ほうれん草のオイルがかかっていて見た目も鮮やか。
お酒のペアリング:ロゼワイン
2018 Bondar, Grenache and Cinsault Rose (マクラーレン・ベール)
【9】ちらし寿司/松谷シェフ(華樹林)
新潟産の寿司専用米を羽釜で炊き、赤酢を合わせたシャリ感動するほどに美味しい! 料理にはマスタードの花、チャイブが添えられ見た目も美しく、贅沢にのったウニが特別感を演出する。はじめにちらし寿司のみを楽しみ、最後に柔らかめの茶碗蒸しを餡としてかけてスプーンでいただく、ユニークな一品。
お酒のペアリング:日本酒
三諸杉 辛口純米酒(今西酒造/奈良)
【10】グリル和牛サーロイン/岡崎シェフ(EIJU)
和牛にしっかりと味が染み込んでおり、噛めば噛むほど旨味が口の中に広がる。満腹に近くてもペロリと食べられるほど美味。ソースにワインの風味がほのかに感じられ、赤ワインとの相性も抜群。
お酒のペアリング:赤ワイン
2016 Catena Malbec(アルゼンチン・メンドーサ)
【11】ココナッツクリームヌーヴ/岡崎シェフ(EIJU)
ココナッツグラニータのひんやり感とメレンゲのサクサク感、そして口の中に入れるとすぐに溶けるのが癖になる美味しさ。甘過ぎずさっぱりと軽い味わいで、コースを締めくくるのにぴったりの一品。
お酒のペアリング:梅酒
あらごし梅酒(梅乃宿酒造/奈良)
食前酒のスパークリングワインと5種類の料理に合うお酒を堪能。岡崎シェフが奈良出身ということもあり、奈良のお酒が多く登場しました。その中でも参加者を唸らせたのが、ちらし寿司のマッチングとして出された日本酒。
切辛 純米酒
純米ならではの米の旨みが口の中に広がり、キリッとした辛さの余韻が印象的。辛口ですが飲みやすく、食事もすすみます。日本酒が好きな方はもちろん、あまりなじみがない方も試しやすいお酒。
左から、松谷シェフ(華樹林)、寺本ソムリエ(Eiju Fusion Japanese Dining)、岡崎シェフ(Eiju Fusion Japanese Dining)、原田シェフ(Kagura/神楽)
イベント終了後、各店のシェフは以下のように振り返りました。
レストランの入り口にある看板に「ジャパニーズ」という文字があるため、ローカルのお客さんは「寿司」や「天ぷら」などの「和食」を求めて来ますが、定番の和食はメニューにはないため、お客さんがその場でお店を出て行ってしまうこともありました。「和食」が食べられるから来てもらうのではなく、「日本人のシェフが作る料理」を食べに来てもらえるよう、これからも継続的にイベントを開催して伝えていきたいです。
お客さんの反応もいいようなので、すごくホッとしています。来ていただいた皆さんに感謝です。華樹林でもシェフを招いてコラボレーションをやったことがありますし、よそに行ってコラボレーションをしたこともあります。今回も他のシェフと協力しあってうまくできたんじゃないかなと思います。
それぞれがオーナーシェフでお店の特色があって、普通の日本食レストランとは異なる色を出しているシェフが集まったので、難しかったですけど、新しい和食のスタイルを皆さんに紹介できたらいいなと思っています。
伝統的な日本料理にはない、色鮮やかな見た目で「目で楽しめる」料理の数々。なおかつ、日本人ならではの繊細な味付けで、奥ゆかしさが見事に表現されていました。
香ばしさ、柚子のスッキリとした香りや、「カリカリ」「シャキシャキ」「プリプリ」などの多彩な食感が計算されていて、その見事なバランスに圧倒……。舌だけではなく、五感で楽しめる料理を思う存分堪能しました。
見た目が斬新な料理でエンターテイメント性もありながら、日本人が安心するような味わいも楽しめます。「日本」と「西洋」が融合した「ジャパニーズフュージョン」を体験しに、是非お店に足を運んでみてください。
所在地:196 Harris St, Pyrmont NSW 2009
電話:(02) 8590 3433
営業時間:火~木 18:00-21:00/金~日 11:30-14:30、18:00-21:30(月定休)
http://eiju.com.au
所在地:Shop 1/300 Pacific Highway, Crows Nest NSW 2065
電話:(02) 9966 5833
営業時間:月、水~日 12:00-14:00、18:00-21:30 (火定休)
https://www.hanajurin.com.au
所在地:74-84 Foveaux Street, Surry Hills NSW 2010
電話:(02) 9212 1981
営業時間:月~土 18:00-23:00(日定休)
https://www.kagura.com.au
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